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Part 3-4 Between Scylla and Charybdis 危険だらけ

USS DDG-99 Farragut Arleigh Burgh-class guided missile destroyer US Navy 4th Fleet 155 nautical miles south-south of U.S. Virgin Islands U.S. territory Caribbean Sea, 02:47 Dec 23th


12月23日02:47 カリブ海アメリカ国領土バージン諸島南南百五十五海里米海軍第四艦隊アーレイバーグ級ミサイル駆逐艦DDGー99ファラガット







 合衆国海軍艦艇の戦闘指揮(CIC)所要員は艦艇の型式やクラスによってシフト1チームの要員数が異なるがアーレイバーグ級ミサイル駆逐艦DDGー99ファラガットの3チームは合わせ八七名でありチーム交代のシフトにより他の部所からの増援が入った。



 だが万が一チーム全てに担当部所へ入れない事態が起きぬよう、たとえば食中毒で被害が1チーム以上におよばぬよう艦橋(ブリッジ)当直の3チームと、戦闘指揮(CIC)所要員3チームそれぞれは別メニューの艦内食が提供される。



 これは乗員三百八十名の内、三割り以上がその艦の神経中枢に当たる職務に就くからであり大は空母や強襲揚陸艦から潜水艦の二十四時間を分ける乗員に厳格に課せられていた。



 世界的なコロナ禍でも合衆国海軍空母で発生した百二十名余りの感染者発生でもダメージコントロールは厳格であり、最寄りの港に寄港しない。作戦行動は中断せず遂行するのは世界最大級の海軍の歴史が生み出してきた艦艇規定の賜物だった。



 合衆国に麻薬密輸する船舶、航空機に対し完全な防壁としての役割を担ってカリブ海に侵出している艦艇にとって悪夢のような一夜が始まった夜19:32に当直のBチーム要員から食中毒と思わしき患者をぽつぽつと医務室が報告を上げ始め、当直についている全艦六分の一の員数に達すると、それが深夜シフトのCチームにまで拡大し始めた。



 それは食事材料の異なる班員間にまたぐ発生であり、医療担当乗員の原因究明される状況下で艦長トレヴァー・オファレル中佐(LTC)は、すでに休息に入っていたAチームと発病していないBチーム要員の混成チームの編成を指示し深夜シフトの不足員数に増援として超過勤務を課した。



 戦闘指揮(CIC)所要員のロザリンド・サーマン上級兵曹(CPO)は防空索敵OPとして深夜シフトの四時間余りを担うことになり、コンソールのトラックボール転がし、索敵領域モニタの中でマウスカーソルを怪しく動かしながらふてくされていた。



 いきなり肩を小突かれ振り向いたロザリンドへCIC当直長のクライド・アスプルンド少尉(ENS)がコーヒーの入ったカップ差し出し気遣った。



「すまんなロザリンド上級兵曹(CPO)。次の上陸休暇の日数を増やすよう掛け合ってやるからな」



 コーヒーを受け取ったロザリンドが苦笑い浮かべ礼を述べた。



「ありがとうございます少尉(2LT)殿。少尉(2LT)殿こそ朝まで室長とは大変ですね」



「まあ、こんな時に密輸船が出てきたら戦闘規定に反して一発ぶち込みたくなるがな」



 短く笑い声出したロザリンドはCIC当直長に冗談を申し出た。



少尉(2LT)殿、みなが眠気に抗い始めたころに──ミサイル確認。洋上方位080、距離32、高度30──と一発大声上げますので、誰が寝ぼけてどんな反応するか特とご覧になって下さい」



 それを聞いて今度はクライド・アスプルンド少尉(ENS)が苦笑い浮かべた。



 訓練告知しない実戦訓練もあるが、厳密に言えば上級兵曹(CPO)の言いだした冗談は内規違反だった。



「03:00にしよう。今朝の次チームはいつもよりも2時間早く入るからな」



了解です(アイサー)



 そう返しロザリンド上級兵曹(CPO)はカップに残っていたコーヒーを一気に飲み干すと、規定通りコンソールには一度もそのカップを載せず、足下のくず入れに放り込んだ。



「あ! 少尉(2LT)殿、7海里(かいり)(:約13km)に0150から四隻──排水量四十トンクラスの大型漁船がいますが、こんな時刻に停泊し続けているのって不信だと思いませんか?」



「方位は?」



「059,119、241、301であります」



 アスプルンド少尉(2LT)は眉根しかめた。まるで駆逐艦に包囲網敷かれたUボートみたいだ。



錨泊びょうはくしているのか?」



「はい。潮流に流されているようではありません」



 四十トンクラスがこんな近海で操業するのかと考え烏賊(イカ)漁ならと一旦は思ったが、あれは西海岸──太平洋沿岸のカリフォルニアに近い沿岸だと思い、カリブ海はと考え確かマグロやカツオ、カジキ類だと思った。あれらは外洋を高速で泳ぎまわるから漁業船は移動しながらだ。



 7海里(かいり)に深夜二時頃から何をやってると不信に思い、モニタの一つを目視してから確かに四十から五十トンクラスだと艦内通話の受話器取り上げ艦橋(ブリッジ)へ報告を上げた。



「CIC、7海里(かいり)離れ当艦を囲むように五十トンクラスの船舶が四隻こんな時刻に錨泊びょうはくしています」



『どれくらい前からだ?』



 艦長代理に問われクライドはありのままに報告した。



「おおよそ0150頃からです」



『漁船だろう。魚種によっては夜間に漁もある』



 この海域でどんな魚だとクライド・アスプルンド少尉(2LT)は思ったが、艦橋(ブリッジ)も定員足らずの運航になっているので少尉(2LT)は口やかましいことは控えた。



 大きすぎるのでまさか麻薬密輸船でもない。



 カリブ海の航海上に停泊してるのを一々海上臨検捜(VBSS)索していたらアーレイバーグ級が五、六艦必要になる。



 合衆国の沿岸に近づかなければ問題なく、合衆国沿岸警備隊にも引き継がないことにした。



 報告終わり受話器を戻した寸秒、海上船舶OPではなく防空識別OPのロザリンド・サーマンが裏返った声で宣言しCIC全員に聞こえるような裏返った大声で状況報告始めた。



「ミサイル三! 方位059(:約2時),119(:約4時)、241!(:約8時) 距離何れも7海里(かいり)! シースキム! 高度33(:feets約10m)、速度加速中542(:knot)、現在着弾予測時刻42(:Sec)、41、40────室長! デフコン1と自動迎撃許可願います!」



 聞いていてクライド・アスプルンド少尉(2LT)はなかなかの迫真の演技だと苦笑いした寸秒、防空識別OPのロザリンド・サーマン上級兵曹(CPO)がモニタ見たまま右手でトラックボール操りながら背姿で怒鳴った。



"2LT──No,cap!!!"

(:少尉(2LT)、本物です!!!)



 彼女の怒鳴り声に当直室長は我に返りOP達に大声で問うた。



「ミサイル種は!?」



「加速到達時間、平均速、反射面積からシステムが提示しているのは3基共にエグゾセSSM。バッチコードSSMー001から003!」



 それを聞いてクライド・アスプルンド少尉(2LT)は防空対策を指示した。



「データ投げたか!?」



火器管制(FCS)へ送りました!」



 ロザリンド上級兵曹(CPO)が返すのに重なるように他の二人も同じ報告をし、少尉(2LT)はCICの全員に命じた。



「デフコン1発令! 対空迎撃個別目標にSM6、SM2ER各1──3組発射! 単装Mk.45、CIWS近距離迎撃モードB!」



 最高度防衛体制発令でCICの全員は交代で防火服やマスク、手袋を装着し対戦闘操作継続した。



「対空ミサイル打ち損じたら対空信管千フィートで右舷単装Mk.45防空弾幕、1号CIWS右舷、2号左舷共にモードB!」



 それだけ指示して少尉(2LT)艦橋(ブリッジ)に報せた。



艦橋(ブリッジ)だ』



「戦闘指揮(CIC)所、デフコン1! 対艦ミサイル3接近、エグゾセです! データ上げました。ミサイル対抗策指示、SM6、SM2ER──合計6撃ちます! Mk.45、CIWS1、2対空起動────警報願います!」





『分かった。全SSMを撃破しろ! 君に任せる!』





 受話器を戻しながらクライド・アスプルンド少尉(2LT)は壁面の大型モニタの1基を見つめた。



 画面横切り近づくSSMー001から003のコード割り振られた赤色のアイコンに着弾リミットが表示されており22秒を切った刹那せつな艦橋(ブリッジ)前甲板のMk.41垂直投射システムからブースターでホットランチされた対空ミサイルが次々に飛び上がる振動が聞こえてきた。







 クライド・アスプルンド少尉(2LT)はカリブ海でデフコン1の戦闘になるなんてと強ばらせた顔でOP達を見つめるとロザリンド・サーマン:上級兵曹(CPO)防空索敵OPが左手を肩上にのぞかせVサインを上げているのを見て初めての実戦で肝が座った。











 駆逐艦の捕捉は漁船に装備されている日本製の25kw型洋上レーダーから信号を取りだしていた。その日本製洋上レーダーはなかなかの優れもので、エリアを指定すると入ってくる船舶の方位と軌跡、速度データを自動で追い続ける。



 海軍のものより見劣りしても先代の軍事用索敵レーダーと同程度の能力があった。



 武器商人から派遣されている四人のオペレーターは各大型漁船に乗り込み指定された0300の20分前にはエグゾセMM40ブロック2にデータインプットを終えていた。



 近代型エグゾセの標準射撃制御(ITS)装置は小型で、 コマンドコンソールと電子システム・アソシエイツ・ インターフェースを備えたダブルランプで中型船クラス以上のどんな船舶にも即座に設置でき、様々なレーダーユニットからのやり取りが可能な通信バスと処理プロトコルユニットを供えており、MM40ブロック2は10海里(かいり)までなら発射時誘導が必要なく、初期設の基準座標からの距離、位置、 方向、速度、垂直基準、パラメータ・センサーの活性化および、X/Kuバンドシーキングおよび停止の間隔、 スイープ角度、 高度と衝撃か近接の爆発モードと慣性航法データと標的艦クラスを入れ込み、後は終末モード設定だけと合衆国海軍が使うトマホーク巡航ミサイルよりも入力項目が少なく利便性が良かった。



 一時間余り前に船尾を攻撃目標へ向け錨泊びょうはくする大型漁船は本来なら航行している方が安定しているが、揺れていようとSNPEーVautourブースターで空中に打ち上げ発射するミサイルは一度ホップアップし100フィートの高度を維持し2.5秒で一気にマック0.61の巡航速度手前に押し上げると、巡航エンジンに切り替え海上高度レーダーで海面上30フィート(:約10m)に高度を落としシースキミング飛行に移りさらにマック0.93目指し加速する。



 どの段階でイージスに捕らえられるかは分からぬが漁船が撃ったとは思わないだろうと考えた。



 発射後すぐにはADACシーカーのモノパルスアクティブレーダーセンサーからのXバンドで変調パルス照射される索敵レーダーは機能せず慣性航法(INS)で標的近くまで飛んで行くので敵側の認知を遅らせられた。



 大型漁船の後部甲板に設置する投射システムは本来ならばローンチコンテナのボックス仕様のランチシステムで、5.5メートル長ボックス正方形の一辺が1.2メートルの直方体のボックスと射台だけで750キログラムもあり大きく重い。



 代わりにどのみち保管維持の必要がなく大型漁船に積めるよう軽量化の為アルミ合金レール射台に変更したミサイル射撃台とミサイルから、十分前に覆っていた赤外線カモフラージュネットががされ、武器商人のOPの男はエグゾセ弾頭の制御システムの整合性確認を行い、ミサイルシーカーの出力を絞り込み電波吸収材でできた衝立ついたてを遮蔽板にテスト照射行った。



 幾ら米国艦のイージスが優れていようと4kwに満たない出力に絞り込まれたX/Kuバンドパルスは吸磁体に大方熱に変えられ艦が数百ヤードに近づかなければ察知されなかった。



 OPの男は用意ができたとフライングデッキに顔を向け一度指笛を甲高く鳴らし漁船に乗り込んでいる麻薬カルテルの指揮するロレンツォ・ラミレスが振り向くと片腕上げて振り合図を送った。



 エンジニアの男は武器商人として銃を撃つことはほとんどなかったが、たまに仕掛け爆発物やミサイルに関われるのを無上の喜びとしていた。



 まあ合衆国海軍のミサイル駆逐艦を沈めたら、闇取引ディーラーの顔が立ちボーナスが増えるのは確定だった。



 攻撃時刻が数分に迫り、OPの男はミサイルの標準射撃制御(ITS)装置にリンクされた漁船の海上捜索レーダーの画像を表示させ存外日本製のレーダーの解像度がいいことに満足し、データエントリーで60秒後エグゾセから返されるスタンバイ信号を確認しセーフティを解除してランチボタンカバーを引き上げた。



 フライングデッキから撃てと命じられ武器商人のエンジニアの男は投射ボタンを押し込むと、100キログラムの固形燃料に着火した寸秒、二つの噴射口から爆炎吐きながら猛速でレールを飛びだした。



 エグゾセMM40ブロック2は射出後ブースター外縁の六つのカバーを吹き飛ばし切り離すと、四枚のジェッジャー・コントロール熱電動フィンを巧みに動かしロール回転を三十度以内に制御しながら固形燃料ブースターの爆炎引き伸ばし加速し2秒余りで2.8kN/sの出力を使い切り一万三千フィート飛翔すると、SNPE製トムソン─csf RE576固形燃料サステナーの巡航推力に着火後制御をシースキミングに切り替え緩やかに海面に近づいた。



 エグゾセ対艦ミサイルMM40ブロック2は公式海面高度が最低三十フィートとされているが、シークラッタ・プロトコルにより凪いでいれば突入時に海面すれすれの6.5フィート(:約2m)まで高度を下げ維持できたがクルーズ中は波の影響を避け高度33フィートから50フィートの指定高度を維持する。



 対艦ミサイルは漁船から闇に遠ざかって行く火焔かえんがまだ見える間にマック0.81にまで加速していた。







 そのほのお見ながら麻薬カルトテルのロレンツォ・ラミレスは、ここで結果を見ていなくても沈めればニュースになるし沈まなければ武器商人のOPが四発目を撃ち込むと思い、漁船に積み込んであるボートを下ろせと乗組員に命じた。











 アーレイバーグ級ミサイル駆逐艦DDGー99ファラガットから射出された2海里(かいり)飛翔し導入されてもないSMー6ブロックⅠaが、Mk.99ミサイル射撃指揮装置からの中間誘導で上空から降下加速していたが、第2ステージ・サステナーに切り替え燃やしきらず最高速度に達しないままエグゾセ対艦ミサイルにマック2.6で会敵し要撃シークエンスに切り替えアクティブレーダーに切り替えた。





 迎撃率はアスペクト(正面迎撃、側面追撃、または尾部追撃)、高度、ミサイルと目標の速度、目標がどれだけ強く回避できるかなどのいくつかの要因によって決まる。



 エグゾセMM40ブロック2でも対対空ミサイル防衛プロトコルを持ち、アクティブレーダー波を受けた寸秒、マック0.9近くの速度で変則的蛇行飛行に移行した。





 だがG過負荷、レーダー照射角度、対抗アルゴリズムとCPU対処速度でSM-6の方が優位だった。







 予測蛇行位置を演算したスタンダード6対空ミサイルがエグゾセ対艦ミサイルに襲いかかった。












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