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いわゆる、ものぐさなもので

 さてさて。ここでなぜあたしがルルルンと作品を入れ替えてしまうのかを語っておきたい。


 なぜならあたしはものぐさなのである。 


 そして、形から入る性格でもある。


 それでもって、やっぱりルルルンは可愛いのだ。華奢で面倒見がよくてやさしくて、あたしより一回りちいさい。


 と、なると、彼女が不器用だというのはなんだか損をしている気分になってしまうのだ。


 やはり、美少女は器用でなければならない。そして魔法も一流でなければならない。


 なのにこのギャップ。


 いわゆるギャップ萌えという言葉があるとしても、あたしはそれを良しとしない。


 だってルルルンは可愛いんだから。


 そうしてこの秘密を共有してもなお、ルルルンはあたしのことをまったくもう、ものぐさなんだから、とわかってくれる。


 そう、魔力が大きければ大きいほど面倒ごとに巻き込まれる。


 たとえば不意にスライムが大量発生した折には、その討伐のためにと駆り出される。


 でも、それならルルルンぎあたしの代わりに駆り出されるのでは? と思うかもしれない。


 答えはイエスなのだけど、ついでにあたしもついて行って、みんなに見えない場所では討伐隊の一員として働きもするけど。ひとつははルルルンとの秘密を口外しないためであり、ふたつめはそんな討伐に駆り出されるルルルンをごく間近で見たいだけ。


 そう、はわはわするルルルンを近くで見たいのだ。


 たとえそのせいでルルルンに変態とののしられようと知ったこっちゃあない。

 

 ビバ、ものぐさ。


 ビバ、美少女なのだ。


 そんなわけであたしは、嫌がるルルルンと作品と魔法力を入れ替えたりして遊んでいるのだ。


 おもしろいでしょう?


 そして将来は、安楽椅子魔女として、部屋から一歩も出ないで好きなことを好きなだけしていたいわけで、いわゆるこれもインドア波のものぐさなんだけどさ。


 うっかり担任の先生が変わったりしちゃわないのはあたしたちの運がいいからなのだろう。


 うむ。


 そして、この秘密がバレた時の周囲のリアクションも見てみたい。好奇心に勝てないのだ。


 もちろん、自分の作品を褒められたい気持ちもあるよ?


 でも、目の前でルルルンが褒められていたらそっちの方がたのしいもん。


 だからさぁ、もう少しだけ、と交換をつづけているのだった。


     つづく

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