レッツ・パーティー!!
ルルルンのお兄さん夫婦一同のためのパーティー。これで何回目かな?
結婚記念日やクリスマス、バレンタインデーまで含めると、もうすっかりおなじみ様。
うちもちゃっかり臨時収入あるのでたすかってます!
「うわぁ!!」
年子のお子さんたちは、なんと全員男の子。次に産まれる赤ちゃんの性別はまだはっきりしないけど、ひょっとすると王妃様のお子様と同じ年になるのかもしれない!
ちなみに、この村は閉鎖的なところがあるから、国王様はじめ、王妃様やお城の場所に至るまでほぼほぼシークレット。
だから、マロンくんが王子様だと聞かされた時も変な気がしただけだった。
顔もわからない状態だけど、王様が年に似合わずお若い風貌でかなりのイケメンだということくらいしか聞かされていない。それだって、単なる噂程度なんだから。
あたしたちが侍女になったっていうのも、そりゃ極秘事項だよね。
そうやって、最悪の事態を防ぐためにすべての情報を閉鎖しているのだって、しようがないこと。
だからって、ほんのちょっとくらいは鼻が高くなっちゃうから気をつけなくちゃ。
「かんぱ〜い!!」
とは言っても、アルコールは無し。間違えて子どもたちが飲んだら大変だものね。
円もたけなわになってきた頃、ルルルンがあたしの部屋に来たいと言う。魔法の特訓をしてくださいって。
家族にだけは、魔法力が足りないことを白状しているルルルン。けなげでかわいいぞっ。
「それで、今日はなにをしようか?」
あたらしい課題はまだ出てないから、手持ち無沙汰なんだよね。
うっかり担任の先生には知られてるものの、他の生徒たちの誤解を招かないよう、ルルルンにだけこそっと次の課題を教えるわけにはいなかいんだよね。
「あのね、リティ。あたし、おう……」
「おうどんね、おいしいよねっ(絶対に口に出すなよぉ〜!!)」
「そうそう。おうどんさんよりも刺繍が下手だよね。どうしよう?」
おうどんさんかよ……。じゃあそれで、話を進めますか。
「なんで魔女なのに手芸が苦手なのかねぇ? ともかくも、額面通りに刺してゆくしかないんじゃない? なんたらステッチとかおぼえるのは後でいいからさぁ」
「そんなもの? あたし、自分のこと嫌いになりそう」
「まぁそう気を落とさないで。ね?」
正直に言うと、おうどんさんの方がひどいと思うぞ、あたしは。
ともかくも。なんとかして侍女らしいことを身に着けていかないと、おうどんさんにもマロンくんにも迷惑をかけちゃいそうだ。
つづく




