7日目
藤崎が見つかってから1日がたった。クラス内では異様な雰囲気が漂ってきた。身内が殺されるなんでよっぽどないからね。ここで必ず起こる犯人探しイベントが始まった。1番初めに疑われたのはわたしだった。藤崎がいじめていたのはわたしで、そのいじめに耐えられなくなって、殺したのだろうと思われた。みんなわたしをいじめた主犯格は藤崎であることを知ってたから、そう解釈したのだろう。でもわたしはここでバレるわけにはいかない。
「おい。」
突然川崎が話しかけてきた。昨日と同じ展開だ。
「お前、夢の中で毎日俺とあってるだろ。」
わたし呆気に取られた。なんで本人が知っているんだ。
「え?どうしてそんなふうに思うの?」
わたしは全力でしらばっくれる。
「どうしてって、お前夢の中で俺と藤崎が付き合ってる夢見たろ?あの夢俺も意識があったんだよ。好きでもない藤崎といちゃいちゃする夢。後ろにお前がいたから、声かけようと思ったけど藤崎邪魔だったし、お前も鬼の形相でどっかいったし。」
好きでもないってどういうこと?
「藤崎と付き合ってなかったの?」
「別に付き合ってないけど?藤崎が俺のこと好きだったみたい。俺は嫌いだったからいなくなって構わないんだけどね。」
え、殺し損じゃん。あ、いや別にそんなことはないか。1人邪魔者が消えたってことか。でも殺すまで手はなかったか。私は意味のない犯罪を犯してしまった。
「あとお前、一つ言っておくけど...」
川崎は少し呆れた様子だ。
「なに?」
「耳貸して。」
み、耳!?
「お前、人殺すならもっとわからないように殺せよな。次はないぞ。」
「ッ!?」
声にならない声が出た。わたしは血の気が引いた。好きな人にバレている。好きバレならぬ、殺しバレしてしまった。まずい、見られてたのか?あの時言ったことは本当だったのか?川崎はわたしの元を離れて、何事もなかったかのように友達のところへ戻っていく。わたしは嫌な形で川崎に弱みを握られた。付き合うどころか、警察にお世話になりそうなんだけど。