5日目
今日はなんか晴れてた。そして今日もお花畑、今日はスノードロップがびっしりと咲いていた。風景も変わらないけど、川崎の姿がなかった。どこにも見当たらないわたしは必死で探した。遠くまで走った。そうしたら声がした。声のする方は走った。わたしは川崎がいると思って、胸を躍らせる。しかし、いたのは川崎と藤崎。2人ともこの草原でイチャイチャしてた。その瞬間わたしの体動かなくなった。全く動かない。頭の中では走れるのに、それを体は無視する。2人はどんどんヒートアップしていく。わたしは好きな人といじめっ子が目の前でイチャついているのを、ただただ眺めることしかできなかった。2人は恋人らしく、キスをした。たまらず怒りが込み上げてくる。わたしの彼氏の初キスは、藤崎とかいうクソ野郎に持ってかれた。絶望と共に、殺意が湧き出た。許さない絶対に許さない。
目が覚めた。わたしは今日、犯罪者になることを決意した。わたしは放課後1人で歩く藤崎を襲って、山まで連れ去った。後ろから縛って、無免許だが車を使って。
「ねぇ、藤崎。川崎と付き合ってるの?」
「付き合ってない!川崎とは付き合ってないよ。」
藤崎は涙ながらに答えた。恐怖で腰も抜けている。
「いつもみたいにわたしをいじめないの?」
「は?バカなの?いい加減にしてよ。」
声が震えている。そんな藤崎を見ていたら、なんか気持ちよくなってきた。今まで恐怖していた相手を見下すと、気分が乗ってくる。
「いじめっ子も結局は1人になると度胸ないよね。」
「何が言いたいの!」
「いや、ここまで惨めな人間を見るのは初めてだからさ。ほんと悲しい生き物だよね。川崎の彼女は楽しかった?」
「川崎の彼女じゃないって言ってるだろ!」
そう言って殴りかかってきた。わたしはゾーンに入っていたのかは知らないけどよけれた。所詮弱っちぃ人間だからね。
「嘘つくな。わたしはお前を許さない。わたしの川崎をよくも奪いやがって!」
「あんた気ぃ狂ってんじゃない!」
そんなの知らない。わたしは持っていたナイフで彼女を...。
オェ...
ああ、気持ち悪い。とても気持ち悪い。何かとは言わないが、感覚が残っている。今日クラスメイトがわたしの手によって1人消えた。わたしは逃げた。車を使って自分の家まで。わたしは何事もなかったかのように家で生活した。普通に夜ご飯を食べ、普通にお風呂に入った。幸い誰にも見つかることはなかった。
父も母も今日は家にいなかった。両親はとても仲が悪かった。そして2人はどこで何をしているのかもわからない。たまに母が帰ってきて、料理を作る。そしてまたどこかへ行ってしまう。父は夜遅くに外へ出ては、ベロベロになって帰ってくる。それに腹を立てたであろう母は、父を殴っては金を奪って、家から放り出していた。だから助けになる人がいないのだ。母もネジが飛んじゃってるのだ。〝普通”じゃない。〝普通”な人がいないのだ。わたしの人生はもうお先真っ暗だ。