9日目
私は今日、インターホンのチャイムで目を覚ました。時計の針は午前8時を指す。体がだるいし、早く起こされて機嫌も悪いので、ベットから起きたくはない。どんどんと玄関の扉を叩く音がする。とうとう本物の警察がきたのか?それともこれも夢なのか?よくわからないが、玄関に向かおうとしない重たい体を、無理やり起こしてドアスコープを覗いた。やはり警察だ。奥には川崎がいる。
「この流れ、どこかで」
私はそう思い、ドアを開けようとドアノブに触れた。その時、私の視界が真っ暗になった。ふらっとなって倒れたような、気絶の感覚に近い?そんな感じがした。
ふと目を覚ますと、私は自分のベットに横たわっていた。時計の針は午前8時を指す。倒れたときの記憶が少しだけ残っている。真っ暗な闇の中でぼやっと人影が見えた。かろうじて性別だけがわかるぼやけ方をしていた。あの姿は女の人の姿だ。そして私に向かって何かを呟いていた。何を言っていたのかわからない。誰かはわからない。さっきのは夢だったのだろうか。1日寝過ごしたのだろうか。夢と現実の区別がつかない。今も夢の中かもしれない。
午後4時ごろ、インターフォンがなった。ドアスコープを覗くと朝、夢の中(?)でみた警官がいた。こいつ、ほぼ毎日うちに来てる。うざい。とてもうざい。私は玄関のドアを開けた。
「あのすいません。警察なんですが...」
「警察のお兄さん。ちょっとだけ私の部屋にきてくれない?」
私は警官の話を遮るように言った。
「それはどうしてですか?」
「いえ、ただきて欲しいだけです」
警官の薬指には指輪。こいつには家族がいる。しかしそんなのは関係ない。こいつを色仕掛けで誘って私の部屋まで誘導する。警官は顔からして色仕掛けに弱そうだと思う。その予感は的中した。しっかりと鼻の下を伸ばして、私をいやらしい目で見た。きしょすぎて吐き気を催したが、なんとか耐え私の部屋まで誘導した。そして自分の部屋の扉を閉めて、近くにあったハサミでその警官を...。
毎朝毎朝不快だったから、先に消しておいた方が良い。前はとてつもなく気持ち悪かったが、これは当然の報いだ。
このあとはバラバラにして、できるだけバレないように血のついたものも全て洗い流し、あいつとおんなじ場所に埋めておいた。捜査している警察もなぜかいなかったし。
私はこの短時間で2人の命を奪った。あとは川崎を自分のものにするだけだ。邪魔者は全て消せばいいのだ。




