GANMA
今回は単発で作品を書いてみました。まだ表現方法が足りず、下手くそな部分もあると思いますが、そこはあたたかい目で読んで頂けると幸いです。
「君が話に聞いていた推薦者の子だね」
「はい!よろしくお願いします!」
「そう固くならないで。遠路はるばるありがとうね。」
「いえいえ!」
「それじゃあ行こうか。」
「はい!」
僕は訳があってここにいる。僕が今推薦されている高校はとても僕なんかが入れる高校じゃない。
けど、校長先生は僕の中にある【不思議な力】を信じて推薦してくれた。
「うちの高校、君から見てどうだい?」
「暖かい雰囲気で、自分の魅力を引き出せるような素敵な高校だと思います!」
「そっか」
「はい……」
僕なんかが入れるわけが無い。そう思ってはいるが、心のどこかで微かに期待している僕もいる。《ここで才能を発揮できればいいな》そんな淡い期待を持っている僕が__。
「今日は暑いね。」
「そうですね。」
「そうだ」
そう言って面接官さんは足を止めた。
「会場まで遠いし場所を変えようか」
面接官さんはそう言って近くのロープウェイに指を指した。
「それじゃあ、始めようか」
「あっ、お願いします」
ツッコミたい所はあるが、失礼になったらいけないのでツッコミたい気持ちをぐっと抑え、平常を保つ。
「名前は霧島亜久斗君か、ここらでも有名な藍東中学校に通ってるんだ、すごいね」
「はい……でも……」
きっと失望されるだろう。僕は成績も最下位、スポーツもできない。僕には才能がない。きっとこの面接だって意味は無い。
「なるほど。先生が仰ってた問題点とはこの事か」
「校長先生が何か?」
「うん。問題点はあるが、きっと君の高校の良き人材となるって言われてね」
「そうだったんですね。」
校長先生が僕の内面を評価してくれるのはとても嬉しい。でも、人間性だけじゃこの高校には入れない。
「仕方ない。コネ入学する?」
「コネ入学?!」
あまりの衝撃的な言葉に驚き、勢いよく聞き返してしまう。
「コネ入学って言ってもどうやって……」
「これを使うんだ。」
そう言って面接官さんは黒い縦長の箱を取り出す。
「箱?」
僕が問うと、面接官さんは箱の蓋を開ける。箱の中には銀色のパーツがくっついた腕時計のようなものが入っていた。
「これは?」
「これはイリュージョンウォッチ。君の中にある【不思議な力】を信じるんだ。」
「僕の不思議な力……」
「どうする?」
僕の中にある【不思議な力】が何かは分からないが、これはきっとチャンスだ。逃す訳には行かない。
「やります。コネ入学」
「わかった。それじゃあ、ウォッチを」
僕はイリュージョンウォッチを受け取り、左腕に取り付ける。
すると、ウォッチが光り、3枚のメダルが出てきた。
「このメダルは…?」
「いずれわかる。」
「さぁ、ロープウェイも終わった。」
「ありがとうございました。」
「まだ終わってないよ」
立ち去ろうとする僕に面接官さんが声をかける。
「え?」
その言葉を聞いた瞬時に酷い爆発音と共に地面が揺れる。
「何?!地震?!」
煙の先から人型のロボットのようなものが姿を表す。
「あの、一体これは……」
「最終試験だ。こいつを倒してみろ。君の【不思議な力】で。」
「そんなの……」
やっぱり世の中は甘くない。才能のない僕がこんなにレベル高い高校に入れるわけなかったんだ。これはコネ入学という卑劣な手を取った僕への天罰だろうか。僕は腰が抜け、その場で動けなくなってしまう。
僕が固まっていると、ロボットからミサイルが飛んでくる。
あぁ、僕の人生はここで終わるんだ。つまらない人生だったな……終わりを悟り、爆煙が僕を包み込む。
「やはり彼には扱えなかったか。」
校長先生もお人が悪い。1人の高校生をこんなに簡単に犠牲にしてしまうなんて。私は1人の少年の無念さを噛み締めその場に立ち伏せた。
だが、次の瞬間、爆煙が開け、そこには青い人型狼の姿があった。
「悪を撃ち抜く蒼き弾丸。【ベオウルフ】。」
白色に青いラインの入ったジャケットと白いジャージのズボンをを纏い、銃を構えている。
「最終試験、受けてやるよ。」
そう言って青い狼は高くジャンプをし、弾丸をを撃ち放つ。
一見、適当な射撃に見えるが、瞬時に相手の動きを予測し、的確に弾丸を放っている。
弾丸が全てロボットにヒットする。
「ほらほら、もっと来いよ」
そう言って銃を連射し、更に全て命中させる。
「まずは一発行っとくか。」
青い狼、いやベオウルフはメダルをイリュージョンウォッチへと装填する。
【フィニッシャー!】
ウォッチがシステム音を響かせる。
「ブルースアクト!」
技名と共に数弾のエネルギーを放つ。3発程外れたが、それ以外は全てヒットした。
「まっ、最初はこんなもんか」
余裕そうなベオウルフにロボットが激しく殴りかかる。ベオウルフは攻撃を交わすが、すぐに蹴りを当てられてしまう。
「ったく、乱暴なロボットだ。」
立ち上がろうとするロボットがベオウルフにミサイルを放ち、爆煙がベオウルフを包み込む。
爆煙が開けると、ロボットの背後にベオウルフが周り、弾丸を放つ。弾丸はヒットし、ロボットを吹き飛ばす。
「それじゃ、そろそろ決めるか」
再びベオウルフはメダルをウォッチに装填する。
【フィニッシャー!】
「蒼色乱れ撃ち!」
無数のエネルギーを連射し、全てがロボットにヒットし、ロボットが爆散すると光がベオウルフを包み込み、亜久斗君へと姿を戻す。
「これが僕の不思議な力……」
「素晴らしいよ。合格だ。」
「もうですか?!というか試験絶対もっと何かありましたよね?!」
「申し訳ない……」
「でも、そんなに早く決めちゃっていいんですか?」
「あぁ、君が入学するのは特殊選抜クラスと言って、通常のクラスより早く始業されるんだ。」
「そうなんですね…!特殊選抜クラス……」
「ようこそ。愛進高校特殊選抜クラスへ」
特殊選抜クラス……。これからどんな学園生活が僕を待っているのだろうか。
僕の胸はワクワクと不安でいっぱいになった__。
GANMAどうでしたか?ベオウルフ、かっこよく表現出来てると嬉しいです!好評ですと、シリーズ化していこうと思いますので、感想等お聞かせ頂けると幸いです。