幼馴染にえっちな相談をしたら、そのままの流れで彼女になってたお話
「は?自慰に飽きた?」
「うん、そうなの!颯志くん、どうしよう」
「お前バカじゃねーの」
私の大好きな幼馴染、颯志くんは少々お口が悪い。
けれど考えがいつも足りない私を、優しく手を引いて助けてくれるから私は颯志くんが大好きだ。
こんなこと、さすがに私でも他の子に相談する気にはならなかったんだけど信頼する颯志くんになら言えると相談に踏み切ったのだけど。
「他の奴には相談してねーだろうな?」
「こんな恥ずかしいこと、相談できるの颯志くんにだけだよぉ…でも本気で苦しくて、助けて欲しくて」
「ふうん、助けてやろうか」
「本当に!?」
さすがは颯志くん、頼りになる。
颯志くんを感謝の想いで見つめれば、なんか颯志くんの目の奥がドロドロとしたもので溢れかえっている気がした。
「…颯志くん?」
「うん?」
「どうかした?」
「そうな。やっと来たチャンスにガッツポーズしたい気持ちと、お前ってやっぱなんもわかってねーんだなって気持ちと半々」
「え?」
言われたことが理解できない。そんな私を颯志くんはお姫様抱っこして、ベッドに横にする。されたことの意味がわからないので、颯志くんに聞く。
「なんで横にするの?」
「お前を助けてやるためだよ」
「ありがとう?」
「お前その無防備なの俺の前だけにしてくれよ?」
頼むから、と言いながら颯志くんは私の服を脱がせる。
…なんで?
「颯志くん?」
「大丈夫。今日も俺の親クソ忙しいから帰ってこねーよ。お前の親御さんには俺が泊まりのライン送っておくし、お前の泊まりなんていつものことだから許されるだろ」
「うん、ありがとう。お泊まり嬉しい。でもなんで脱がすの?」
「お前を助けるため」
颯志くんの手つきは優しい。
ここまで来ればなんとなく颯志くんの私を助ける手段はわかったけど、颯志くんが初めてならいっかと思ってそのまま身を任せた。
颯志くんは、最初から最後まで優しかった。
そして、終わって気絶するように眠った私のことを寝ている間に綺麗にしてくれていたらしく起きてもすっきり。
心身ともに満足。
さすがは颯志くん。
「颯志くんってすごいね、かっこいいね」
「ん」
「でも、今までの子たちにもこんな風に優しかったの?なんだかモヤモヤする」
「…は?」
またドロドロとした目を向けられて首をかしげる。
「颯志くん?」
「お前さぁ…まあ、ひながアホなのは今に始まったことじゃないか…」
落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせている颯志くん。
私何かしちゃったかな。
「ごめんなさい、颯志くん。私嫌なことしちゃったかな…」
「…ん、大丈夫。お前が鈍感なのはいつものことだろ」
颯志くんの大きな手に頭を撫でられる。
「俺さ、他の女と経験がないとは言わないけど…事後まで優しくしたのはお前だけだよ」
「え、最低」
「いやうん、そうなんだけど。お前がモヤモヤするって言ったから教えてやったのに」
別に颯志くんを軽蔑することはないけど、女の子には優しくしてあげてほしい。
それはそれでモヤモヤするんだけど。
「あ、でもなんでモヤモヤするんだろう」
「ん?」
「あのね、モヤモヤするのやなの。胸がぎゅーってなるし、モヤモヤして気持ち悪いの」
「うん。どんなことにモヤモヤするか言ってみな」
「颯志くんが他の女の子と経験してたこととか、その子たちに優しかったらって考えたりするとやだ。あとね、あとね、颯志くんが他の女の子といつのまにそこまで仲良くなってたんだろうって思うとね」
言ってて涙が溢れる。
あれ、おかしいな。
なにがそんなに悲しいのかな。
「ん、ごめん。泣かせちゃったな」
「んーん、颯志くん悪くない…」
「いや、俺が悪いよ」
もうとっくにそんなに好きになってくれてたんなら、他の女とする必要なかったのに。
そんな最低なセリフに顔を上げる。
「颯志くん、それ多分相手の子に失礼だよ」
「お互い利用し合ってた関係だからセーフだろ」
「アウトだよ」
なんてことだろう。
口は悪いけど優しいと思っていた颯志くんは、優しくしてくれるのは私限定だったらしい。
「ひなにしか優しくしたくねーの。しょうがないだろ」
「ふぇ…」
「ひなだって、好きな男にこんなに好かれて嬉しいだろ?」
「ん?」
首を傾げれば笑われる。
「まだわかんねーの?ひなは嫉妬で泣いちゃうほど、俺のことが好きなんだよ」
「それはそうだけど、これって恋愛感情の方なの?幼馴染への執着じゃなくて?」
「自分で考えてみ?俺は両方の意味だと思ってるけど」
考えてみる。
たしかに颯志くんを嫉妬しちゃうほど好きなのは間違いないと思う。
あの気持ち悪いモヤモヤの正体が嫉妬だと言われれば、全面的に納得だ。
でも、恋愛感情だろうか。
すごくすごく大好きで、隣にいて欲しくて、ずっとずっと一緒にいたい颯志くん。
「…恋愛感情かも。でも、それだと私すごい重い女の子になっちゃうよ。だって颯志くんのこと大好き過ぎるよ」
「重くていいよ。俺もお前が思うより重いから」
「そうなの?」
「ん。いや、お前もしかしてわかってないな?俺が重いのはひなに対して。ひなが好きだよ」
唐突に告白されてびっくりする。
でもなんだか胸がポカポカして、嬉しくなって笑顔になっちゃう。
「えへへ、私も颯志くんが好き。好きだよ」
「ん…愛してる」
「て、照れちゃうよ。私も…愛してる、と思う」
「ひな」
ぎゅーっと抱きしめられて嬉しくなる。
「今日から俺たち、恋人ってことでいいよな」
「うん、いーよ。浮気しないでね」
「するわけない。したら俺を殺していい」
「ダメだよ、しないよ。させないでね」
「ん」
颯志くんが、過激なことを言っているのに幸せそうに笑う。
「ひなも浮気するなよ」
「うん」
「浮気したら、ひなのこと監禁して外に出さないからな」
「え」
「相手の男も、手は出さないけど社会的に抹殺するから」
またドロドロとした目を向けられて、ああこれは本気だと思う。
でも、心配ない。
「無理矢理酷いことされない限り、颯志くんを裏切ることなんてないから大丈夫だよ」
「まあひなが俺を裏切るとかあり得ないよな」
「うん」
「でも、無理矢理酷いことされるのもやめて」
「颯志くんがこれからも守ってくれるから多分大丈夫」
私がそう言えば、颯志くんは頷いた。
「守るよ、絶対。だからひなは俺の側から離れるなよ」
「うん、颯志くんから離れるなんてそれこそあり得ないよ」
「ん」
満足そうに笑うと、もう一回ぎゅうぎゅう抱きしめてくれる颯志くんにまた心が満たされた。
きっかけがなんとなくアレだけど、颯志くんへの気持ちを自覚できてお付き合いまで出来て良かったな。
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