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第73話 妹と妹分に報告します。

「……ガチぃ??」


「灯さん、いずみん、おめでとうございます!!」


「ありがとうねっ晴ちゃん!」


「……お兄ちゃん、なんで今まで言わなかったのさ」


「……妹に彼女ができたって言うの、なんか恥ずいじゃん?」


「貴様っーーーー!!!」


「い、いだい!! ごめんって都!!」


 片桐さんと陽さんに報告した次の日、高山家で俺たちは都と晴の2人に恋人同士になったことを報告した。


 報告すると都は目を大きく見開いて驚き、晴は驚いて興奮状態になっていた。


「えっ、ちょっと待って。 ライブ遠征に2人で行ったこと自体初耳なんだけど。 てっきり男友達と行ったもんだとばかり……」


「うわーうわー! 高校生の男女2人で旅行……大人だなぁ。 いずみん、いつからそんなに男子力あげたの?」


「男子力ってなんだ……??」


 晴が俺の背中をバシバシと叩きながら変なことを言ってくる。


 男子力ってなんだ……? 女子力の男版か?


 でも、そんな単語聞いたことないんだけど。


「あはは、告白してくれた時の泉かっこよかったんだよー。 晴ちゃんの言う男子力ってやつも、かなり高かったんじゃないかな?」


 灯が晴に叩かれた背中を優しくさすってくれる。


 うぅ……俺の彼女が優しすぎる。


「ねっねっ!! 灯さん、いずみんはどんな告白をしてくれたの!? 私気になるよ!!」


「確かに私も気になる。 別にお兄ちゃんの告白内容なんてどうぅぅぅでもっっ良いけど、後学の為に教えてほしいかもっ……ほ、本当ですよ? お兄ちゃんのことなんてこれっっぽっちも気にしてませんからねっ!!」


「いや、それ気にしてるやつの言動ぅーー!!」


 灯は都と晴に詰め寄られて教えてー教えてーと言われている。


 さすが女子中学生。 色恋沙汰には興味津々なお年頃だな!?


 2人の圧力に灯はタジタジだし、俺も無闇に近づけねぇ。


 その細い腕でどこにそんな力があるんだ2人ともぉ!!


「え、えっとぉ……」


「やめるんだ灯!! 妹と妹分に告白内容を知られるなんて恥ずかしすぎる!! 頼むから言わないでくれ!!」


「お兄ちゃんはこんなこと言ってますけど、全然無視していいですからね……………ねっ、お義姉ちゃんおねがぁぁい! 義妹に教えてぇ!!」


「灯お姉ちゃぁん……」


「ふ、2人とも……!!」


「ちょっと待てちょっと待て!! なに灯、ちょっと覚悟決めたような顔してるの!? やめてよ! その覚悟は今はいらないよ!?」


「「お兄ちゃん(いずみん)うるさい!!」」


「うるさくても負けられない戦いがあるんだよぉぉぉぉ!!」


 高山家のリビングで女子中学生2名と、男子高校生1名のバトルが始まる。


 結果、告白内容を知られることは阻止することができたけど、みんなはしゃいで疲れてしまった。


 でも、最後には2人とも心の底から『おめでとう』と言ってくれたので、俺の疲れていた身体は少し元気になったのだった。

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