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第63話 ✳︎親友に話をし、アドバイスを貰いました。

「で、なにがあってあかりんはどう思ったの?」


 ななちんの部屋に入って開口一番。


 聞かれるであろうことだけど、話しにくいことをななちんはズバッと聞いてきた。


「その……お姉ちゃんと泉がね、2人っきりでカフェでお茶をしていたの」


「うんうん」


「それで、『なんで?』とか、『もしかして2人は付き合っているんじゃ?』とか、色々なことを考えちゃったの」


「うんうん」


「でね、早とちりしちゃダメだ〜、話を聞いてから判断するんだ〜、とか考えて、なんとか気持ちを切り替えてその場から離れようとしたの」


「…………(この時点ではまだ冷静な部分もあるな)」


「でも、お姉ちゃんが泉に顔を近づけるのと、頭を撫でる姿を見ちゃったの」


「(この辺かーーー!! あかりんの様子が可笑しくなったの!!)」


「それが私からの角度からだと、キスしているように見えて……そこからはもう嫌な想像に埋め尽くされて、2人に見つかった時はパニックになって逃げ出したの」


「そうだったんだ……」


 部屋に沈黙が訪れる。 ななちんはベットに腰掛けたまま動かず、私も抱いていたクッションに顔を埋めた。


 カチカチと秒針が進む音が、妙に耳に残る。


 時刻を見れば19時を過ぎたところだった。


「あかりん。 とりあえずあの2人はね、偶然ショッピングモールで会って、なにかのお詫びで陽さんがコーヒーを奢ってたんだって。 付き合ってるとかはないし、深い理由があって2人でいたわけじゃないって、陽さん言ってたよ」


「!! そうなんだ」


 やっぱり付き合ってるわけじゃなかったんだ。


 私、色々な巡り合わせが〜とか、早とちりしちゃダメだ〜とか思ってたのに、結局早とちりしちゃった……。


「なんか前お酒関係で陽さん、泉に迷惑かけたみたいだね。 陽さん酔っ払うとめんどくさいからな〜。 あかりんはなにか心当たりある??」


 ななちんの言葉を聞いて思い浮かんだのは、あの夏祭りの夜。


 もしかして、お姉ちゃんはあの時のお詫びをしようとしていたんだろうか??


「心当たりはある……かな?」


「そうなんだ」


 2人が一緒に居る理由を知ることができて気持ちが楽になったが、すぐに勘違いをしてしまった事実、申し訳ないことをしたという気持ちでいっぱいになってしまった。


 そんな私のところまでななちんは来て、座っている私と目線を合わせてくれた。


 私はクッションから顔を上げる。


 その瞬間、私はななちんにおもいっきり両手で頬を叩かれた。


「!? いたぁい!!!」


「まぁーた顔暗くなってるよ。 確かにあかりんは勘違いで人に迷惑かけたよ。 でもね、あかりんの暗くなっていた原因は分かったでしょ? ならさ、今することは自己嫌悪に陥ることじゃなくて、できるだけ早く迷惑かけた人たちに対して謝罪することだと思うんだ」


「あっ……」


 確かにそうだ。 私はどうしてあの2人が一緒にいたのかという理由が分かり、気持ちが少し楽になった。


 でも、まだあの2人は私のせいでモヤモヤを抱えていたり、気持ちが重くなっているはずだ。


 自己嫌悪は後で良い。 今は確かにななちんが言うように、できるだけ早く謝罪をする必要がある。


「ななちん、大事なことに気づかせてくれてありがとう」


「別にいいよ。 うちは早く、いつものあかりんの笑顔が見たいだけだし」


 ななちんは少し頬を赤くしてそっぽを向く。


 そんな親友の姿が可愛く、私は良い親友を持ったなと強く思った。


「じゃあ善は急げだね。 早くお姉ちゃんと泉に連絡取らないと。 できれば、今日実際に会って謝りたいんだけど……」


 今の時刻は19時30ぐらい。 今から会うのは難しいか……?


 そんなことを思っていたら、ななちんがある提案をしてくれた。


「なんならうちで夕飯をみんなで食べようよ。 うち、今日は母さんも父さんも帰ってこないから、1人での夕飯になるんだよね。 どうせならみんなで食べた方が美味しいし、周りの目を気にしなくて話すことができると思うから、一石二鳥になると思う」


 私はその提案を聞いてすぐに乗っかった。


 そしてお姉ちゃんと泉に、私は電話をかけたのだった。

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