表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/61

44 魔女の騎士②

 ダ…………お?


「ええっと……?」

「失礼。ゼノ、と申します。ハニティ殿」


 で、でたー!

 リチアナの幼馴染? らしい人物。

 赤い短髪からも、炎を操る魔法使いということは見て取れる。

 次に得意なのは地の魔法だろうな、と思わせる意志の強い瞳もどこかリチアナそっくりだ。


「紹介したいというのは、ゼノのことですか?」

「いや、ぜんぜん!? むしろ、初めましてでして……」


 なんで今割り込むし!

 グランローズ様にお話があるにしても、タイミング! 考えてよね。


「お話し中申し訳ございません。少し、お二人にお話がありまして」

「え? わたしにも?」


 てっきり、グランローズ様にだけかと思ったけど……。なんだ。

 あまり良い予感がしないのは、気のせいか?


「……実は私は、幼き頃から魔女の騎士になるのが夢でして」

(げ)


 エボニーが言ってたのはこのことか。

 ということは、つまり……。


「そうだったの? ……なら」

「はい。この度、ハニティ殿が次期地の大魔女になられるということで……。差し支えなければ、私が彼女の騎士として自薦させて頂きたく」

「まぁ……」


 や、やめろおおおお。

 いや、誰でもいいとは思ってたよ!? グランローズ様が見付けてくれるとも。

 それに、まだ二年先だし……自分で見付けれるかもしれない。

 なにもこんなに早く! というか。


 ……、ダオの。

 ダオの顔が、頭から離れないんですけどおお!

 何だこれえええ!


「り、理由を聞いてもいいですか!?」


 リチアナの幼馴染ってことは、この集落出身で……そんなに孤独な状況で育ったとは考えられない。

 仮に立候補するなら、それ相応の理由があるでしょうに。


「もちろん。私はリースに生まれた魔法使いですが、実は……魔法があまり得意ではありません。なので、剣士として魔物と対峙してきました。その腕を生かせるのは、魔女の騎士しかないと思っております」

「な、なるほど……?」


 魔法使いに生まれたけど、魔法が得意ではないパターンもあるんだ?

 ……あれか、魔力はあるけど上手く属性に変換できない的な?

 まぁ地の魔女が多い土地だから、それのせいもあるのかな?


「どうでしょう? ハニティ殿」

「え゛」

「そうねぇ。まだ早い気がしないでもないけれど……。早くに信頼関係を築くのも悪くはないと思うわ」

「ぐ、グランローズ様まで……」


 もしかして、グランローズ様から紹介してもらえるという線は……ない感じ?

 だ、だったら──ダオがいいよ! そりゃ!

 安心、安全。強いし、誠実だし!

 でも、他人の命を、魔力を……人生を。預かるなんて。そんなの──。


「待ってくれ」

「「!」」

「ダ、ダオ……!」

「……見学席にいた方か。貴方は?」

「ダオ。ダオレン、だ。今はハニティの元で世話になっている」

「ハニティ、こちらの方が?」

「え? あ、はい。そうです」


 本来紹介したかった人なんです……けど、このタイミングではしたくなかったです。はい。


「ゼノ殿……だったか? 申し訳ないが、ハニティの騎士は諦めて頂きたい」

「なっ」

「ええぇ!?」

「……というと?」


 こ、この流れは……。まさか!


「俺が、……いえ。──私が、彼女の騎士となり……彼女を守ります」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ