41 主演俳優級だいこん~ガーリック風味~
「よし、ラスト~」
だいこんのステーキ。
……といっても至ってシンプル。すぐ出来る。
よーく洗っただいこんは、皮ごと1cmちょいに輪切り。
レンジがあれば、もうちょっと厚めに切りたかったけど、今回は試験で時間がかかるといけないから小さ目にね。
にんにくは餃子よりも大きめ、薄切り。
……はい! 材料おわり~。
決して楽しようと思った訳じゃありませんから、ええ。
スープ用の鍋の横で、今度はフライパンを火にかける。
弱火でオリーブオイルを温めて、だいこんを並べて両面をじっくり焼く。
表面に火が通ったら、かるーく塩こしょうをふって、こんがり色が付くまで焼く。
「いいキツネ色」
これ、山芋でやっても美味しそうだな~とか。
料理って、無限にアイデアが湧いてくるから面白い。
で、一度皿にだいこんを取り出して……。
気持ちオリーブオイルを足して、バター投入!
半分くらい溶けたら、しょうゆ投入!
……間違いないコンビ、誰にとは言わない。ありがとう。
絶対おいしいやつ。
「おっと、忘れるところだった」
要のにんにくも入れて、ちょっと火を入れたらだいこんを戻して味を絡める。
「はい、完成~」
綺麗に並べて盛り付け、さっきスープ用に切った小ねぎも拝借。
あら、緑がキレイ。
──だいこんのステーキ、完成!
「さあて、グランローズ様とリチアナのお口に合うかな」
……魔力的な話で言えば、我が家産の食材があるからきっと問題ない。
けど、今までと違う。
誰かを想って作った料理。
果たして、地の魔女としてどんな評価になるのやら……。