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39 いざ、定期試験③

「おお~やってんねぇ」


 定期試験は至ってシンプル。

 用意のできた者から、グランローズ様へ披露する。それだけ。


 ユッカちゃんは武闘派なのか、土魔法で鳥を造形して見せている最中。

 リチアナ……は分かんないけど、エボニーは薬の調合の最中だろうな。


「さーて」


 ダオは見学席に置いてきた。

 ……他の見学魔女の熱視線がすごいけど。


 で、わたしは料理。それを披露、もとい食してもらう。

 前回は土魔法と、育てた植物をお見せして、ここの土地に根付かせたんだったっけ。

 ずいぶんスタイル変わったと思われそう。


「簡易かまど、っと」


 大地に手をかざし、しばしの間かまどとなってもらう。

 家にあるものよりもシンプルに。

 鍋やフライパンが落ちない程度に格子状の台と、その下に木を入れれるスペース。


「どっちから作ろうかな」


 わたしの今回の献立は、主に気滞(きたい)タイプのリチアナ向け。

 ……決してグランローズ様を軽んじてる訳ではないんだけども。


 わたしの大魔女としてやりたいこと。魔女にとっての『ふつう』を変えること。

 それは、魔力のない人々への働きかけだけでは成り立たないと感じた。

 だから、まずは分かりやすくわたしに突っかかるリチアナ。

 彼女に対して、自分の料理がなにかのきっかけと成り得るのか。

 それを試したかった。


「大根、にら、にんにく、こしょう辺りか」


 薬膳的な話で、味と作用を紐付けた考え、『五味』。

 食材や生薬の性質のなかに、(さん)(かん)(しん)()(かん)っていうのがあって。

 食べた時の味もだけど、その味がもっている効能によっても分けられる。


 例えば今回で言えば、わたしはリチアナの気の巡りを良くしたい。血行を良くしたい。

 邪気というのか、わるい気を発散したい。

 それに有効なのが、『辛』の五味。


 デトックスしたい、精神を安定させたいってのに有効なのが、『苦』。


 もちろん色んなものがあるからね、迷うんだけど。

 ちょっと自分でも食べてみたかったものがあるのよね~。


「ボアの肉、か」


 ダオに作ってもらった氷と一緒に葉で包んでカゴに入れてあるもの。

 今日リースに来て買ったものだけど、前世の知識ありで調理したら、どんな味になるのやら。


 十中八九、見た目的には豚肉や猪肉って感じだろうけど。


「ボア肉の餃子入りスープと大根ステーキ、作るぞー!」


 ──調理、開始!


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