ロクマル発見
ロクマル発見
陸自幹部らを乗せ、不明となっていたロクマルが見つかったようです。
残念ですが、幹部らと思われる人影も機内に認められているため、生存者は無く、要救助者10名は何れも死亡となります。
この後は、機体を引き上げ、ご遺体をご遺族にお返しすると共に、墜落原因の究明が行われることとなります。
まずは、この1週間の懸命の捜索ありがとうございました。
さて、予想された事ではありますが、墜落原因について中国(軍)が撃墜した、とする言説がSNS上に飛び交っています。
まず、最初に断っておきますが、私はこの手の荒唐無稽な言説に、反論するのは吝かではありませんが、言い負かしてやろうとか考えを改めてもらおうなんて気はサラサラありません。
この手の言説を持ち出すのは、分かった上でやってる愉快犯・確信犯か自身を世界の真実にアクセスしていると信じて疑わないホニャララか何も考えてない思考停止かの大体3択で、経験上、というか歴史上、この手の輩との話し合いや議論が身を結ぶことに期待など出来ない。
これは、今回の墜落に中国が関わっているか否かの事実関係の話ではありません。愉快犯などは論外としても、何の根拠も無く撃墜されただの政府は隠しているだの本当のことを言えだの妄想と現実の区別が付かない方々とは話が出来ない、ということ。
話が横道に逸れますが、コロナでワクチン接種が始まった頃、ワクチンは世界的な陰謀で人類の半分をゾンビにしてウンヌンカンヌン、ウンヌンカンヌン、この言説によれば、今頃日本の人口の半分はゾンビになってる訳です。
陰謀がウンヌンカンヌン言ってた連中は、ゾンビに囲まれてどんな顔して暮らしてるんでしょうね?
そんな輩にミサイルはレーダーにも映るしロックオンするとレーダー波の証拠が残るリスクがウンヌンカンヌンと言っても言うだけ無駄です。政府が握り潰してるだのミサイルじゃなく電波だの、、、電波はおめーらだっての、、、
まぁ、否定ばかりしていても何ら進展はないので、現時点で判明している限りの情報から原因を探っていきましょう。
航空機事故の要因は大別して、人的要因、気象、機体トラブル、が考えられます。
人的要因にしても様々な事態が考えられますが、墜落となると先ず空間失調が疑われます。
しかし、雲量も少なく視界が確保されていたとする天候で複雑な機動を行っている状況でもない中で空間失調は考え難い。
では気象が何らかの悪影響を及ぼした可能性は?これも報告されている気象条件ではヘリを堕とすのは難しい。
ダウンバーストが直撃して一瞬にして墜落させた、というのが今回の状況に一番近いのですが、ダウンバーストやウインドシアーなど直接には目視できない大気の乱れも気象レーダーには前兆の段階から映るので、近年はそう言った航空機事故は激減しています。レーダー圏外での活動であれば可能性もありますが、航空管制下では考え難いし、その様な大気の状況も報告されていません。
実のところ、私が当初墜落の原因と想定していたのは機体トラブル、それもテイルローターに何らかの不具合が生じた可能性が高い、と思っていました。
これにも幾つかの理由があり、可能性としてはまだ捨てきれないところですが、現在確認されている事実関係を総合的に判断するとテイルローターよりもメインローターのトラブルである可能性が最も高いでしょう。
海上150mの比較的低高度からの墜落ですが、空気抵抗を無視したフリーフォールでも6秒程度の時間が有ります。メインローターが生きていれば無動力でも20〜30秒程度稼ぐことも出来たでしょうし、海面に着水しても生存者がいた可能性は充分にありました。信頼性の高いロクマルがエンジン出力をいきなり消失する可能性は低く、動力があれば滞空時間と生存可能性は更に高まります。
しかし、墜落に際し無線連絡や非常発信が一切行われておらず、生存者が望めない事実は、今回の墜落はほぼ一瞬で決着が付いている事を示しています。
その外の幾つかの状況からも、この墜落は平常の飛行から一転、ほぼフリーフォールに近い状態で墜落していると考えられます。
この様な事態はダウンバーストの直撃かメインローターの脱落といった完全な揚力の喪失としか思えません。まぁ、それが撃墜説が根強い理由にもなるのですが、、、
消去法ではありますが、ダウンバースト(や撃墜)が排除される現状認識下では、ロクマルの墜落は致命的なメインロータートラブルの可能性が最も高い。
これが私個人の認識です。
いずれにせよ、ロクマルが実際に引き上げられれば、より詳細な事実が明らかになるでしょう。
それまでは私の認識も妄想と大差ありません。
海底に沈む6t余りのヘリを引き上げるのは難事ですが、引き上げには潜水艦救難艦が出動しており、サルベージの準備も進んでいます。
くれぐれも事故の無いように引き上げ、ご遺体をお返し出来るよう慎重に作業を進めてほしい。
今回の墜落に関しては、本稿までにする積もりです。次稿は沖縄関連かウクライナに動きが有ればウクライナ、どちらかになるかと思います。




