ウラジミルの息子ウラジミル
ウラジミルの息子ウラジミル
プーチンがこの戦争を始めた意図については、私個人としての認識を一連の投稿中に述べてきました。
まぁ、その辺の整理を兼ねてウクライナとロシア、そしてロシアのチンピラ皇帝プーチン君について、ダラダラとお話しして行きます。
整理できてなくても許してね。
ロシアの青びょうたんは「ウクライナはロシアの一部」と言ってますが、これは、まぁ、帝政ロシアの版図であったことを指しているのだと思います。
ロシアは「偉大な」帝政ロシアの後継者のつもりなのでしょう。ちゃんちゃら可笑しい。
厳然たる事実として、ロシアは帝政ロシアの後継国ではない。
ロシアはソ連から独立して主要な権利義務を引き継いだに過ぎない。
その中にウクライナは含まれていない。
これは別に不当に奪われたものでもなんでもない。
ソ連の時代であってもウクライナは連邦構成国に過ぎず、しかも、その扱いは不当などという生優しいものでは断じてなかった。
ソ連崩壊時の離脱は当然と言えるし、さらに言えば当時のロシアにはウクライナに構っている余裕など何処にも無かった。
有り体に言えばソ連として保たなくなったから一家離散したのです。
プーチンはソ連崩壊後の経済危機を地獄と呼び、さも自分が救ったかのように自画自賛していますが、何度も言う様に石油などのエネルギーマネーの力でしかない。
そのエネルギーマネーの無いウクライナは、ロシア以上の塗炭の苦しみを味わい、そして自力で経済を立て直したのです。
ソ連の時代からウクライナはウクライナで、ロシアの一部などでは断じてない。
両国が本当の意味で融和し合って、お互いが国家を統合したいと望むなら悪いことではないし、それをアメリカなどが邪魔するなら、そちらの方が問題でしょう。
しかし、相続した石油資源・ガス資源という莫大な遺産に胡座をかいて大きな顔をしているだけの放蕩息子が、出ていった兄弟が必死で守ってきた土地を「爺さんの財産だから俺のものだ」と言ってのける厚顔無恥。こんなちゃんちゃら可笑しい話があるか。
歴史的に見てウクライナがロシアと深い繋がりがあるのは事実です。ルーシ、即ちロシア人の出発点がキエフ大公国でありキーウの地であることは、概ね異論の無いところでしょう。
謂わば、キーウは帝政ロシアにとっても揺籃の地であり、日本で例えるなら天孫降臨の地、高千穂地方の様なイメージでしょうか?
、、、、、、イメージがピンと来ない?そうですか、、、
そのキーウや帝政ロシア縁の地ノヴォロシアなどをロシアの版図とすることは、プーチンの夢想に過ぎず、経済的利益や政治的・軍事的必然性などとは直接関係しない。
偉大なロシアというナラティブでウクライナ侵攻を始めたプーチンと、中華民族の偉大なる復興という中国の夢を掲げて台湾統一を目論む習近平。
一見、同じように見えますが、ウクライナ侵攻がプーチンの胸先三寸であるのに対し、台湾統一は中国共産党が唯一正統な政体であるという中国としての国是に関わるもので、政治的必然性が全く異なります。まぁ、だからと言って中国共産党のやる事を正当化するつもりはサラサラ有りませんが。
「ウクライナ侵攻」を頑なに「特別軍事作戦」と呼ぶのも、この偉大なロシアというナラティブで理解するなら、ロシア帝国皇帝であるプーチンにとって、ウクライナは「自国領」であり、長きに渡りキーウやノヴォロシアにのさばるテロリストを駆逐する軍事作戦であり「他国」との戦争では無い。という事なのかも知れません。
いずれにせよ、そんな身勝手なジャイアニズムに等しいラシアンファンタジーに欠片ほども理解を示す必要はない。
サイコパスやソシオパスは、他者の共感や罪悪感、同情や廉恥の心といった自身が持たない心の動きを利用することに長けています。
それらは一括りに「社会性」と言い換えられる心の在り方でもあり、故にサイコパスらは「反」社会性人格障害と称されます。
彼らの表面的言動に理解や同情を示すことは非常に危険です。そもそも、言ってることが事実か否かは怪しい限りで、真面目に聞いていては振り回されるだけ、彼らと向き合わなければならないのであれば、言葉ではなく行動、言ってることではなくやってることをファクトに基づき判断しなければならない。
例えば、プーチンはソ連崩壊後、糊口を凌ぐためタクシー運転手をやっていた事があるとしています。
へぇ、プーチンにもそんな時代があったのか、、、みたいな顔をしないように。
ソ連崩壊は社会主義経済から資本主義経済への転換を意味し、新たな富裕層を生みました。
彼らは社会の混乱を利用し、新体制の政治と結び付くことで莫大な富と権力を手にします。
この富と権力の構造が激しくシャッフルされた重要な時期、小さな町のチンピラまでもが千載一遇のチャンスとばかりに抗争を繰り広げていたというのに、我らがプーチン君は自家用車で誰かを送り迎えして過ごしていたのなら、私はウラジミルの息子を随分と過大評価していたことになります。
この話の真偽は別にどうでもいいのですが、大事なのは、この手の相手と話をするときに相手の言葉を前提に話を進めてはいけない。という事。
ましてや、プーチンはKGBで訓練を積んだ職業的詐話師です。磨きのかかったソシオパスがどれほど厄介かはプーチンが大統領位にある現実が示している。
プーチンがKGBのスパイであったのは事実です。そして、必ずしも「スパイ」としての評価は高くなかったというのもその通りでしょう。
他者を利用することに長けている一方、その行動原理に国家や組織に対する忠誠心は欠片も存在しない。むしろ、そういったものへの忠誠心を自身のために利用するタイプです。
スパイとしての適性において、極めて優れた資質と相反するメンタリティを有しているのです。
プーチンをKGBのスパイ出身者として見るのは、本質を見誤る虞があります。
プーチンがスパイであったのは単なる事実であって、その本質・中身はマフィアのボスやチンピラに等しい。
これね、別にプーチンをディスるために言ってる訳じゃないんです。
ウラジミルの息子ウラジミルは、ロシアの皇帝として絶対権力者に登り詰めました。現在70歳。
日本の感覚ではまだまだこれから、と思うかも知れませんが、ロシア人男性の平均寿命は既に越えています。ウォッカばっか飲んでる所為もありますが、ソ連の指導者は大体長生きしない。80過ぎまで生きたのはゴルバチョフくらいだったと記憶しています。
プーチンがウクライナ侵攻に踏み切ったのは、成算有ってのことですが、それでも想定可能な最大のリターンはプーチンの自己満足の域を超えない。
現状は、プーチンの想定していたリスク許容範囲を遥かに超え、国家そのものを脅かしている。
プーチンも現状に苦慮していることは間違いないが、だからといって改める様子もない。
嫌がらせのように民間人へミサイルをぶっ放しているのはプーチンの方針だと思っています。余りにも軍事的必然性と合理性を無視したこの攻撃をゲラシモフが主導しているとは考えられないし、この局面でゲラシモフが逆らえないのはプーチンくらいです。
このチンピラ皇帝は、結局、やれるとこまでやる積もりなのでしょう。それでロシアとロシア国民、もとよりウクライナ国民がどうなろうと知った事ではないのです。
ソシオパスを思いとどまらせるには、自身へのリスクを理解させるか物理的な弾切れしかない。
この両方に中国が関与してくると事態は一気に複雑になる。
習近平とプーチンの会談は、ウクライナとロシアの今後に大きく影響してくる可能性が高いでしょう。




