中国国家主席
中国国家主席
習近平が訪露しています。
まぁ、訪露するくらいなので当然ではあるのですが、すっごい友好ムードでプーチンと話してます。
上海協力機構で会談した時の塩対応からガラッと雰囲気が変わりました。さらにその前の「無制限の協力」と言ってた関係に戻ったようにも見えるため、手のひら返しが360°に達しています。
習近平もプーチンも手首の構造と面の皮の厚さは常人の理解を超越していると言えるでしょう。
習近平の思惑については、訪露の後まで見てみないと何とも言えないので別稿に回しますが、どうにも嫌な感じ。
本稿では、今後の焦点とも言える中国、その国家主席について簡単に話していきます。
主席、とは順位、序列のトップを現す「首席」の強い表現で、国家主席とは即ち国家元首になります。
中国では国家主席の扱いがコロコロ変わるので、その位置付けには曖昧なところがありますが、江沢民以降、胡錦濤、習近平と中国共産党のトップである総書記が兼務しています。
中国の最高権力者は国家主席ではなく、中国共産党総書記なので、この3月に習近平が国家主席に再任されたことに、さほど大きな意味はありません。
習近平という最高権力者(総書記)が、引き続き国家の顔(国家元首)であると示されただけです。
ご存知のとおり、中国は共産党による一党独裁の国です。中国憲法(強そう)にもそう書いてある。
誤解されている方も多いのですが、一党独裁と言っても共産党以外に政党が無いわけではなく、幾つかの政党が存在し、全人代に議席も有ります。尤も、実権は無きに等しいので、お飾り以上の意味は有りません。
その中国共産党を支配する意思決定機関が中央政治局常務委員会であり、全人代はその追認機関でしかありません。
習近平を頭に7名が常務委員となっており、中国共産党総書記は、この常務委員から選出されることとなっているので、残る6名の常務委員を全て子飼いのイエスマンで固めた習近平は、少なくとも当面の間はその地位が安泰です。
とは言え、幾ら常務委員を抑えても巨大な中国はそれだけで支配し切れるものではありません。
習近平は軍事部門のトップである軍事委員会の主席も兼務していますが、ハーこと人民解放軍は無数の派閥と目に見えない縁故が絡み合い、何かのはずみでアウトオブコントロールに陥る危険が常に付き纏う。
残り4年半の常務委員任期までは安泰とは、誰も言い切れないのです。
その国家主席である習近平がロシアを訪れる。
経済的利益の美味しいとこだけいただこう、というだけなら、そこまで問題ではない(半導体はマズい)が、それだけだろうか。
実は、中国からロシアへの輸出は開戦後、目に見えて激減しており、これは北京冬季パラリンピックを目前に、一言の断りもなく開戦したプーチンへの不快感を示すものと思われていました。
しかし、現在、輸出は数字上も視覚情報からも急増しているのが明らかです。
ロシアへの接近は中国と習近平にとって無視し得ないリスクがあります。単なる経済交流では済まない可能性が高い。
習近平はロシアに何を求めているのか。
ロシアの息が吹き返す事態にならなければ良いのですが、、、