表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/198

改めて冬季戦

改めて冬季戦


皆様、明けましておめでとうございます。

残念ながらウクライナでの戦争は越年し、開戦から丸一年も目前となってきました。


第二次世界大戦後、戦争に関わる技術が急速に進歩した現代でも、未だ天候が戦争に与える影響は排除できません。


冬季における0度前後という絶妙な気温継続は、泥濘期が続くことを意味し、機甲部隊による大規模な機動戦は、4月頃まで選択肢が大きく狭まった状態にあると考えられます。


ウクライナ軍はヘルソン奪還後、大きな動きを見せていません。

進歩した現代戦においても、最終的には歩兵を進めなければ拠点制圧できない以上、動きの取れない泥濘期は榴弾砲やロケット砲といった火力で叩く戦いが中心になるのでしょう。


しかし、今冬の気温については昨年11月にはウクライナ軍も認識し、短期的な戦略の練り直しをとうに終えているハズ。

大規模な奪還作戦を実施しないのはある程度予想していましたが、もう少しばかり小規模ではあっても戦略的な反攻の動きがあるのでは、と考えていました。


今冬、ウクライナ軍はどの様な戦略の下で動いているのか?


泥濘に脚を取られるからといって無為に過ごすなど有り得ない。

疲弊を軽減するため休養を多めに取らせ、消耗の著しい砲や戦車等の整備も行っているでしょう。しかし、それで数ヶ月を費やしたりはしません。

前線を停止させてはいないため、散発的な砲撃の応酬はあるようですが、前線を押し上げる気配がありません。


これはウクライナ軍が装備の集積と部隊再編を優先させての行動と考えられますが、となるとメリトポリ奪還レベルの大規模反攻の準備、或いはベラルーシ駐留ロシア軍への備えかも知れません。

後者であった場合、ウクライナ軍は、20万のベラルーシ駐留ロシア軍を斬首作戦の囮、ブラフと認識した上で、徹底的に殲滅させる積りなのでしょう。

それこそ、数日でロシア軍に万単位の死者が生じるほどの火力が集中する事になる。


万単位の死者。

プーチンがキーウに20万の兵力を向ければ、現実化します。

常識的にはそんな真似をする馬鹿はいない。

作戦の本質は再侵攻ですらなく斬首作戦で、しかも、ウクライナ軍は万全の備えで待ち構えている。成算などない。


それでもやるだろうか?

スロヴィキンやゲラシモフに作戦の決定権があれば中止するだろう。特にゲラシモフ辺りは不可視の戦域で遅れを取った状態でゴリ押しするタイプではない。

残念ながらゲラシモフには決定権がない。


ベラルーシに素人同然の20万の兵力が有ったとして、純軍事的に有効な使い方は、泥濘期の終わりまではキーウ方面の牽制を兼ねた訓練の実施。

その後はキーウではなく、その西。

これらに必要な物資はベラルーシに供与させる。

相当数の戦車や装甲車を振り向ける必要はあるものの、これが最も現実的で有効な用法、と思う。


軍人は、政治的意思の下に行動するもの。

その意味においてプーチンに従うことは正しい。

ただし、プーチンの意思がゼレンスキー政権幹部の斬首作戦であれば、そのプランと成算、必要な人員・装備・物資、想定される最大・最小の被害等々を示さなければなりません。


この時、出来ない事を「出来る」と言ってはならないことなど当然と誰もが思う。

しかし、この当然が本当に当然であったならウクライナ侵攻自体が起きていなかった可能性もあります。

FSBがウクライナの反発をプーチンに報告していれば、短期制圧は困難との判断からロシア軍は戦略の見直しを余儀なくされていたでしょう。そしてNATO介入を考慮すれば、、、それでもプーチンは侵攻に踏み切ってた可能性が高いな。


私は、以前に、この様な事例は世界中至る所にあってソ連崩壊の遠因ともなった。と言っていますが、少しばかり訂正します。


ロシアではプーチンに権力が集中し過ぎて誰も意見を言えなくなった。

この様な事例は世界中至る所にあって、懲りることなく何度でも繰り返される。

ソ連崩壊の遠因ともなった独裁の弊害はロシアでも繰り返された。


ロシア軍がキーウに向かうとはそういうことです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ