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ゼレンスキー訪米

ゼレンスキー訪米


ゼレンスキーはF15イーグルに護衛され特別機でアメリカにやってきました。

必要性は充分に理解できますが、それを戦時に実行するところにアメリカの自信が垣間見えます。


言うまでもなくゼレンスキーはウクライナの要であり、ロシアにとっては最重要殺害目標です。

何かあった場合のリスクはペロシ訪台時を超えています。

ゼレンスキーは今回の訪米に限らず万一の備えをしているでしょう。しかし、ウクライナの混乱や政治的空白に留まらずアメリカという国家の威信も大きく毀損する非常事態です。

その非常事態を望むのはロシアだけではない。


イランや北朝鮮、反米を掲げる幾つもの国・組織、表立って口にはしませんが中国なども悪意の目を向けていることは想像に難くない。

他国の国家元首を謀殺するなど国際社会から見れば自殺行為ですが、バレずに出来るものなら平気でやるのが、ならず者国家たる所以。


アメリカには相当の準備と成算が有って実現したゼレンスキー訪米でしょうが、このアメリカンな自信或いは慢心が元で度々えらい目に遭ってるのを忘れんでほしい。

今まさに、格下と侮ったウクライナに絶賛赤っ恥をかかされているロシアという国もあることだし、アメリカが調子に乗ってると色んな意味で不安を感じます。


とは言え、今回の訪米はリスクに見合った効果をもたらすでしょう。

即ち、アメリカの支援継続です。

アメリカは中間選挙により議会のねじれが起きています。まぁ、劣勢の中、与党民主党が上院だけは死守したと言った方が実態には合っているでしょう。

プーチンの追認機関に過ぎないロシア議会と異なり、アメリカで議会のねじれが起きると大統領(バイデン)は予算執行などに制約を受けてしまいます。


幸い(?)な事に、ウクライナ支援は専制政治から民主主義を護るという大義名分があるため、共和党も党議拘束をかけて妨害することはできません。

そもそも、共和党がロシア寄りと言っても親露議員は一部に過ぎず、なんだかんだと難癖をつけて議論の流れをロシア側有利に持って行こうとするだけです。

しかし、まぁ、言論の自由が保障されている民主主義国家では、これが中々厄介な存在になります。

誰とは言いませんが、日本にもそういう国会議員がいるのでお分かりになるでしょう。アレの10倍ウザ、、、、、、他国との友好に尽力されていると考えれば良い。


ゼレンスキーの訪米、そして議会演説は、来年から勢力図の変わるアメリカ議会を超党派でウクライナ支持に方向付けし、親露議員の機先を制するためのものです。

その目的は達成されたと言って良い。

日本では要約された演説内容しか報道されていませんが、演説の全容はアメリカ人の支持を確信させる巧みな内容となっていました。

クイーンズ(今はキングスと言うべきかも知れませんが、亡き女王陛下に敬意を表し、今年中はクイーンズで通しています)では無くアメリカ人向けの英語で流暢に語りかけた事や最前線から持ち込んだウクライナ国旗はどれもアメリカ人の心に強く訴えかけたでしょう。


ゼレンスキーは、訪米の成果をペトリオット供与と言っていましたが、ペトリオットの話などは訪米前からの確定事項で、供与の約束はテレビ向けのセレモニーに過ぎません。

流石に、共和党に釘を指した、とは言えないだけです。


さて、その訪米の成果としているペトリオットですが、早速プーチンが反応しています。


「古臭えペトリオットなんざ全部ぶっ壊してやんよ」


なんとも小物臭が酷い。

大物を気取っても「地」が出ると言うかコレもうチンピラじゃんね?


とは言え、ペトリオット無力化の方法は30年以上前から分かり切っています。

飽和攻撃、即ち、ペトリオット配備数を上回る攻撃を実行する。単純明快それだけです。


それだけですが、今のロシアにそれが出来るか?というと疑問符が付くわけで、自前の巡航ミサイルだけでは不可能でしょう。

シャヘドなどのイラン製兵器の併用が想定されますが、ウクライナもそこは認識しているので、ペトリオットオンリーで対抗するのではなく、外の防空システムと複合的に使用するハズです。

複合的な防空システムが脅威に応じてスムーズに標的を振り分けられるか、といったテクニカルな部分が鍵を握りますが、上手くいけば防空圏内への攻撃は完封に近い排除が可能になります。


しかし、注目すべきは、今回のペトリオット供与が最小限のシステム構成であり、複数の都市を防空圏内に収めることはできないということです。

これは、是が非でも防衛しなければならない唯一無二の都市、即ち首都キーウへロシアが再侵攻する可能性をアメリカ、そしてウクライナは認識している。

少なくとも、ベラルーシにおけるロシア軍の動きから、防空システムの強化が必須であると考えている証左です。


常識的にはキーウ再侵攻は有りません。しかし、ベラルーシで何らかの動きがあるのは間違いないでしょう。

これがどの様なもので、何を意味するのか。

次稿にて纏めてみたいと思います。

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