寒いけど寒くない?
寒いけど寒くない?
12月も半ばを過ぎてウクライナは本格的な冬季戦に入っ、、、てない?
見た感じ全然入ってない。
ドニプロ川どころか地面も凍ってない。
あるぇえ?
厳冬期の塹壕戦は、榴弾の轟音でしめやかに失禁したロシア軍新兵の危険な部位が凍傷になる地獄絵図、ではなかったのか?
まぁ、ロシア軍新兵のナニが凍傷で落っこちようが落っこちまいがどうでもいいが、地面の凍結の有無は短期的な戦略に影響があります。
気象データの予測だと、、、これは、少なくとも今季はガチガチに凍結する気温ではないな、、、
ウクライナ軍は思い切りよく橋を破壊してるし、すっかり凍結を見越した上での判断だと早合点していました。
尤も、ウクライナは渡河作戦に実績もあり、なにより勝手知ったる自国領内なので、例え渡河となっても完遂する自信は有るのだと思います。
しかし、ロシア軍がヘルソンから撤退し、防御陣地を構築したのはドニプロ川東岸付近ではなく、かなりクリミア側に引いた位置に塹壕の防衛線を築いています。
これは、河川という防衛に有効な地形を放棄しているに等しい。
その理由を、冬季の河川を要害とは見做さず、より防衛と補給に有利な地域を防衛線にした、と考えていました。
凍結しないなら防衛線は数十kmは押し上げられるハズです。
脳筋ロシア軍が前に出過ぎているのは平常運転ですが、手前に引いていると不安になります(疑心暗鬼)。
ロシア軍がどれだけ落ちぶれていても、個人レベルで入手できる気象データを活用できないとは考えられない。
となると、考えられる理由は、東岸付近がウクライナ特有の泥濘化しやすい土質で塹壕を維持できないのかも知れません。
装備も物資も手に入らないロシア軍では塹壕を補強する資材を調達できず、防衛に向いた場所を選んだのではなく、塹壕を構築できる土質の場所を選んだ、という事。
だとしたら、本末転倒です。
塹壕は下手な要塞より防衛力がありますが、兵士と物資が有ってこそ威力を発揮します。
兵站の崩壊した塹壕など唯の溝。
とは言え、厳冬期にそれ程気温が下がらないとなるとウクライナ軍も意外と突破し難いかもしれません。
塹壕も維持できない泥濘状態では、当然、機甲部隊は進行できず、反攻ルートの選択肢が限定されます。
寒いけど寒くない今冬は攻撃より防御の方が有利に働くでしょう。
しかしそれも、比較すれば、の話で絶対的なものではない。
それほど寒くなくとも寒いものは寒いのでロシアの兵站には確実にマイナスになります。
この環境下でウクライナ軍の取るべき方針は、目先の政治的目標に囚われることなく戦略的に小さな勝利を積み重ね、最終的に政治的目標を達成すること。
即ち、これまでと変わらずやれば良い。
留意点は手を緩めないこと、自国兵士に必要な休暇を与え、補給を手厚くすること。
まぁ、ロシアと逆のことやってれば良いって事ですね。