爆発
爆発
前稿で爆発がどうのこうの言ってたせいかも知れませんが、私の事を爆発が好きな危ないオッさんみたいに言うのはやめていただきたい。
私としては爆発に対し特段の思い入れが有るわけではなく、単に爆発の映像からは様々な情報が得られるので取り上げているに過ぎません。
例えば、NINJAが爆発四散するのは仮面ライダーの影響に違いないと私は確信している、、、のは、まぁ、今回の爆発と何の関係もないな、、、爆発とは爆轟、即ち急速な燃焼により超音速で気化・膨張する現象を端的に表した言葉ですが、爆薬の種類により威力(気化・膨張する速度=爆発速度などで表される)も様々。
ちなみに爆薬と火薬の違いは気化・膨張する速度が音速を超えるものを爆薬、超えないものを火薬と覚えておけば概ね間違いではない。
と、言いながら代表的な火薬である黒色火薬は爆発速度が音速を超える毎秒400mに達するので、「概ね」という言葉の便利さを今更ながらに実感しているところである。
爆発速度は一般的(?)なプラスチック爆薬で毎秒8,000mにもなるので、黒色火薬の毎秒400mと比較すると20倍もの差異が生じる。
この差異は映像から判別できる可能性があります。(あくまで可能性の話で判別できるとは言っていません←先程から逃げの姿勢が顕著)
さすがに毎秒7,000mと毎秒8,000mを肉眼で判別はできませんが、毎秒400mと毎秒8,000mなら素人目にも差が分かると思います。
また、爆発ではありませんが、ミサイルなどに使われるロケットモーターは、燃料が固体燃料か液体燃料かによって燃焼の仕方が異なり、これも素人目で判別し易い部類に入ります。
なぜ、この様に爆発、、、いや燃焼だな、燃焼。燃焼と言った方が誤解を招かない、、、か?
なぜ、燃焼に注目するかと言えば、使用されている薬剤によって幾つかの諸元が類推可能となり、機材の特定ができる場合も有るからです。
ミサイルのロケットモーターが固体燃料か液体燃料かによって発射準備にかかる時間は大きく変わります。
軍事用途であれば、これだけでも非常に重要度の高い情報ですが、その外にも制御や安全性など様々な事項に影響します。
拳銃と小銃では使用している弾丸が異なりますが、中の火薬にも違いがあります。
拳銃は銃身が短いので、弾頭に短時間でエネルギーを与えるため燃焼速度の早い火薬を使用します。
対して、小銃は比較的長銃身のため、拳銃の実包に比べれば燃焼速度の遅い火薬を使用する場合が多いでしょう。
この様に、燃焼の状況から薬剤の種類が分かる場合もあり、薬剤の種類が分かれば使用している機材や目的など様々な情報が得られる可能性に繋がります。
情報は単一に見ては意味がありません。
多角的に分析し、可能な限り多数の情報と複合的に照合し判断しなければなりません。
(つまり、私が爆発が好きだというのは一面的な見方に過ぎないという事ですね)
ウクライナでは、毎日万トン単位の弾薬が消費されています。
莫大な物資を湯水の様に注ぎ込んで初めて戦争は駆動するものです。
しかし、第一次世界大戦がたった一発の銃弾から引き起こされたように、一個の爆弾、一発のミサイル、一機のドローンが戦争のステージを変えてしまう場合もあります。
クリミア基地の爆発、クリミア大橋の爆発、そしてロシア領内二つの基地の爆発も、この戦争に大きな影響を与えています。
だからこそ、サラエボ事件のようなテロではなく、軍事的必然性と政治的意思の下で実行されるべきです。
戦争は非人道的行為の塊みたいなものですが、ある種のお約束というかプロトコルに沿って遂行されており、ブレイクスルーとなる行為(本稿で言う爆発)には背景、手法、規模などに注意しなければなりません。
これは趣味で言ってる訳では断じてない。
さて、本稿を読み返してみましたが、爆発好きという冤罪を晴らせる気がしない。
困ったものだ。




