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ウルトラC

ウルトラC


プーチンは亡命する?

確率を評価するなら3割といったところでしょう。

これを低いと見るのは早計です。愚策、部分的動員令が出るまでは可能性はほぼありませんでした。


それが、戦時統制下でも無いのに部分的動員令などと阿呆なマネをしでかし、拒否すりゃ監獄、逃げれば監獄、降伏したら監獄だと脅しつけたのです。


30万人の動員兵は、その多くが何の意味も無い死を迎えます。

そして死者の3倍の負傷兵が発生し、脱走兵が、投降兵が、前線・後方問わず発生するでしょう。

そして後送された負傷兵が何を言うか分かり切っています。或いはプーチンは負傷兵の口を塞ぐかもしれない。しかし、脱走兵もいます。戦争が終われば投降兵も帰ってきます。


彼等は口を揃えて言うでしょう。動員兵は碌な訓練も受けられず、装備も物資も与えられず、前線に送られ、そして後ろからプーチンの犬に銃口を突きつけられ、砲弾の雨に向かって突撃させられた。と、

俺達は眼や手や足を失った。と、

多くのロシア人が生命を失った。と、

兄弟だったハズのウクライナ人と殺し合いをさせられた。と、

なのに何故、俺達をこんな目に遭わせた糞プーチンがのうのうと大統領ヅラしているんだ?!と、


この戦争がどの様な形で終わるかは、まだ誰も分からないでしょう。

しかし、30万人の動員がロシア国民にどの様な感情をもたらすか、想像できないとしたら、そっちの方が驚きます。

もっとも、30万人と言ってもロシアの人口からすれば0.2%程度、大半のロシア国民に直接の影響はありません。しかも、動員されたのはプーチンにしてみれば死んでも痛くも痒くもない連中か処刑がわりに戦場送りとなった連中です。

これでプーチンが選挙に負けたりする訳ではありません。そもそも選挙などの正式な手続きでプーチンを権力の座から引きずり下ろす事が不可能なのは、ウクライナ4州の住民投票を見るまでもなく、最初から判っています。


それでも、それでもです。30万人部分的動員令のインパクトは大きいなんてもんじゃない、巨大です。

プーチンが手をこまねいて無策のまま戦争に負けていたなら、相当な突き上げがあったとしても、おそらくは権力を維持できていたでしょう。

ロシア国民に言わせれば、戦争に負けるなど、偉大なロシア帝国にあってはならない事ですが、それよりはるかに重大なのが自身の生命が脅かされる事です。

マフィアのボスが大統領ヅラしていられるのは、ラシアンファンタジー(ダブルシンク)と「恐怖との同化」にロシア国民が支配されているからです。

それが、偉大なロシア帝国という幻想が崩壊するだけでなく、「恐怖との同化」即ち、プーチンに従っていれば生命の危険は無い、とする暗黙の了解が一方的に破られたのです。

そのとき何が起きるか、プーチンは想像せずにいられないでしょう。


では、どうするか。

プーチンは4州併合という栄冠を保ったまま停戦したい。30万人の動員もソ連崩壊後で最大の領土を獲得した英雄という新たなラシアンファンタジーで上書きできるかも知れない。

しかし、そんな虫のいい話をウクライナのゼレンスキー政権が一顧だにしないのも分かり切った事。

通常兵器では戦術レベルの勝利も覚束ないし、戦術核兵器を使うことは、それ自体が戦略的失敗に直結しています。何より生命の危険に直結している。

戦争に勝てないまでもゼレンスキー政権の混乱、即ち、一定期間の指揮命令・統治機能の喪失が必要なのです。

最も安易な解決策はゼレンスキーと政権幹部の暗殺ですが、警護が厳しく達成は困難。


この手詰まりを乗り越えるにはウルトラCの離れ業しかないでしょう。

即ち、戦術核兵器を戦略核兵器として使うのです。

プーチンが使えないなら使える奴に使わせるのです。


悪辣なシナリオの一例ですが、カディロフかスロヴィキン、或いは両者によるクーデターでプーチンは政権を追われ、シリアに亡命。

クーデター政権はベラルーシ駐留部隊を使って低出力核兵器をキーウに発射、ゼレンスキー政権を機能不全に陥れる。プーチンは亡命先からクーデター政権を「大量虐殺者」などと批難。

ウクライナの混乱に乗じてクーデター政権は一定の間、やりたい放題するでしょうが、核使用により硬化した西側から苛烈な反撃を食らう、、、直前にプーチンがクーデター政権を打倒。

なんならプーチンは花束でモスクワに迎えられるかもしれんね。民主派とか反プーチンの連中は全部クーデター政権が「お掃除」してるでしょう。

プーチンは言うかもね「親愛なるキーウの皆さんにお悔やみ申し上げる。けど安心しろ、大量虐殺者のクーデター政権は『俺が』倒した。世界の危機を救ったんだ。で?どうする?また戦争始めるかい?」とね。


まぁ、こんな絵に描いたようなウルトラC難度のシナリオ通りに行くハズもありませんが、プーチンはこれに近い事をやりかねない。

ベラルーシに送り込んだ9千名の部隊の詳細が分かればいいのですが、、、まぁ、可能性として一番考えられるのは陽動の類いなんですけどね。


さて、亡命の可能性が3割として、残りの7割はというと、亡命する覚悟が決まらずダラダラと悪足掻きするも結局ロシアは敗北、権力の座からフェードアウト(死亡含む)する未来。と、同じくダラダラ悪足掻きしてる内にどうにもならなくなってフェードアウト(死亡含む)。のどちらかじゃないかなぁ。

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