表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/180

何の為に核を使うのさ

何の為に核を使うのさ


世界的にプーチンの窮状が鮮明になり、ロシア国内でも部分的動員令という目を覆わんばかりの愚策が飛び出すなど悪あがきが酷い。

そこに来てプーチン陣営が核兵器の使用をチラつかせるものだから、世界中が「撃つなよ!?撃つなよ!?」といった状態。


しかし、この撃つなよ!?はプーチンへのメッセージと言うよりロシア国民やロシア寄りの国に向けたメッセージです。

プーチンに向けた本当のメッセージは水面下のチャンネルで発せられ、内容も「撃ったら撃つよ」といったシビアなものになります。


外交というものはチャンネルによって結構温度差があるという話で、相手の顔を立てるためだったり、余り追い詰めないようにするためだったり理由は様々です。

「撃つなよ!?撃つなよ!?」ってのは、核が使用される瀬戸際にしてはヌルいメッセージなのですが、こういったヌルさが逆にどのような国からでも発し易いので使い勝手がよく、抑止力として馬鹿にならないものなのです。


核兵器に対する最大の抑止力は敵対国家の核兵器です。しかし、自国民や友好国の不支持というのも極めて強い抑止力になります。


私は当初より、戦域がウクライナ国内に留まっている限り、ロシアによる核兵器使用の可能性は極小。

あり得るシナリオとしてはC兵器の使用、原発の「事故」くらいで、それも表向きはロシア軍として実行しない。

と考えており、プーチンが追い詰められた現時点においても変わりはありませんし、むしろ核兵器使用の可能性は当初より大きく低下、ほぼ無いと言って良いでしょう。


核兵器の使用が無い、とする理由は簡単です。

もはやプーチンは敗戦を強く意識(と言うか敗戦を覚悟)しなければならない状況にあるからです。


核兵器を使って「ウクライナ」に勝つこと自体は可能です。

キーウ、ハルキウ、ドニプロに戦略核兵器を撃ってゼレンスキー政権主要人物を都市ごと灰にし、千人単位で展開するウクライナ軍部隊を戦術核兵器で片っ端から蒸発させるなら、戦略核兵器が4〜6発、戦術核兵器が300発も有れば「消えて無くなり」ます。かかる資金も30万人徴兵するより安くあがるでしょう。

そうして「ウクライナ」を消し去ったプーチンとロシアをどの様な未来が待っているか、、、説明の必要がありますか?


これが仮に共産主義の盟主ソ連であり、指導者がスターリンであったなら、何の躊躇いもなく核兵器をブッ放していたでしょう。

しかし、今やロシアは孤立しており、プーチンはスターリンに比べて娑婆っ気が強すぎます。


去る9月15・16日、ウズベキスタンで行なわれた上海協力機構の首脳会談において、プーチンは習近平やモディ首相らと直接会談しています。

当然、会談の内容は事前に事務方が一定の調整をするものです。

プーチンとしては戦争への「支援」、支援が無理でも「支持」、最低でもクリミアを始めとする新たに併合予定の土地をロシア領と「承認」すると表明してもらう必要がありました。

これらが得られなければ核兵器の使用はおろか脅しにもなりません。

対する習近平の回答は完全無視、ウクライナのウの字も出ません。モディ首相からは「戦争してる場合じゃねーだろ」とまで言われ、プーチンは父親に叱られた幼児の様でした。

おそらくはロシア側にできる最大限の優遇と譲歩を提示してこの反応。総じて各国首脳の態度は非常に冷淡なものに終始しており、既にプーチンを大統領として扱っていない様にも取れました。


仮にプーチンが面子を立てるため、戦術核を1発でも撃てば、もうロシアを支持する国は北朝鮮、イラン、シリアくらいしか無くなるでしょう。その時点でロシアとプーチンはお終い。


戦術核をブッ放したくらいではこの戦争に勝てません。その反面、戦術核を使用した場合の敗戦処理が激烈なものになることは避けられない。

戦後の賠償や処理方針を調整する国際社会に味方が居なければ(北朝鮮とかは論外)、ロシアは政体の維持すら危うい。ロシアによる戦争犯罪の全てに対し統帥権者であるプーチンは責任を負わされる(当たり前)でしょうし、擁護する者など居ない(当たり前)でしょう。

それ以前にロシア国民がプーチンを生かしておくか分かりません。娘や愛人も公職追放で済めば良い方でしょう。


核の使用はハッタリではないと言うのなら聞いてみたい。一体何の為に核を使うのさ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ