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ロシアンマフィア

ロシアンマフィア


イジューム奪還により、ロシア軍占領地域の悲惨な状況が再び露わになりつつあります。


ソ連崩壊の時、ソ連軍も同じく瓦解してロシア軍に再編成されました。人員は大幅に削減され、数百万人の余剰人員が生じたのです。

それら元軍人の中には真っ当な生業に就いた人もいたでしょうし、独立した故国に帰った人もいたでしょう。しかし、その大半がどうなったかと言うと武装して徒党を組み、いわゆるロシアンマフィアになったとされています。

ソ連崩壊で、ロシア国民がいきなり与えられた自由と権利をどう使って良いか分からず混乱する中、ロシアンマフィアはロシア国民の自由と権利を安く買い叩き、莫大な利益を得ました。

無論、真っ当な手段ではありません。モスクワの都市部においても真昼間からマフィア同士の抗争が行われ、路上に死体が転がっているなど珍しい事では無かったのです。今で言う修羅の国(福岡じゃなくてブラジルレベル)。

その時の利益・既得権益が現在のオリガルヒの力の源となっています。


まぁ、言ってみればロシアという国はトップがマフィアで富裕層トップもマフィア、中産階級の一部もマフィアで無産階級の多くがマフィア予備軍というマフィア国家なわけです。その経済規模は実にGDPの40%に及びます。


現在のロシア軍で前線、特に歩兵部隊はロシアの最下層に位置する人々により構成されています。

ロシアは帝国の名に恥じぬ多くの地域と民族を治めています。しかし、その多くはロシアの発展から見捨てられ、或いは安価な労働力とされています。

ロシア軍の低い給与でも、彼の人々には生活の糧とせざるを得ないのです。

以前にも触れていますが、ロシア軍の不正は構造的なものです。軍という暴力装置に貧困が加わり、規律なき集団が戦場において何をするのかロシア人でも知っている。


イジュームは、ブチャの惨禍が偶発的な悲劇でなく、ロシア軍が山賊に等しいマフィア予備軍だと世界に再認識させるでしょう。


そのロシアンマフィアの総元締めがプーチンであり、その行動原理を政治家と同一に考えてはならない。見せしめによる恐怖と言論統制による虚飾、裏と表を使い分け、あからさまに脅しをちらつかせ、ちゃんちゃら可笑しい虚言で飾り立てる。


しかし、それも限界のようです。

偉大で強大なハズのロシアは、マフィアに支配される欧州の嫌われ者に過ぎず、クリミアで避暑を楽しんでいたロシア人はウクライナ人の憎悪の対象が自分達であると思い知り、怯えて逃げ帰りました。

自分達とは関係ないところで上手くやってくれるに違いないと思っていた戦争は、いきなり「プーチンの面子をたてるためにお前達の生命を差し出せ」と恥ずかしげも無く言いだしました。


ソ連時代からロシア人を幻想に閉じ込めていたダブルシンクも、再びその力を失いつつあります。

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