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ペロシ訪台

ペロシ訪台


米下院議長のペロシ氏が訪台し、台湾有事の際にはアメリカは台湾の民主主義を護る旨を明言しました。

実はこれと全く同じ事が1997年に起きています。当時の米下院議長ギングリッチが訪台し、中国が台湾を攻撃すればアメリカがこれを防衛すると明言したのです。


米下院議長の公式発言であるという事は、事実上アメリカ政界の意思を世界に示すものです。

25年前の発言も充分過ぎるインパクトを中国に与えましたが、中国政府はむしろアメリカを宥めるかのような対応に終始しました。

当時の中国は「韜光養晦」目立たず、波風を立てず、静かに力を蓄える方針の元に行動していたからです。

しかし、世界第二位の経済大国となり、もはや誰憚ることのない態度を露骨に示す中国は、今回のペロシ訪台予定が公表されるや否や激烈に反応しました。

軍事的オプションの行使やペロシ氏に危害を加えるかのような脅しとも取れる中国政府発言を連発しています。


ペロシ訪台は、中台統一を国是とする中国共産党の面子を潰す行為に他なりません。中国は今、習近平国家主席続投に向けた体制固めの真っ最中な訳で、これを抑え込めなかった習近平は責任を問われる事となります。

このため台湾海峡の緊張は一気に高まりました。ペロシ氏は安全のため遠回りの飛行ルートで台湾入りし、冒頭の発言に至ります。

ペロシ氏が無事台湾に到着できるか世界中が固唾を飲んで観ていたことでしょう。


今、ペロシ訪台が実行された意味に注目すべき点が幾つかあります。

可能性としては高く無かったものの、最悪の場合、ペロシ氏搭乗機撃墜という超非常事態すら懸念される中で強行されたのです。

アメリカも中国共産党の面子を潰すこととなるのは充分過ぎるほど理解しています。

ここ数ヶ月、アメリカは関税問題で険悪化していた中国に対し、一定の配慮をしてきました。

ロシア包囲網のためです。


欧米諸国は連携してウクライナに侵攻したロシアに対する経済制裁を行いましたが、中国・インドという巨大な国家が穴となります。中国とロシアは潜在的には敵同士ですが、対米という点で協力し合わなければならない関係です。


その中露関係を牽制するための配慮をアメリカが放棄する理由は幾つかありますが、最大の理由はウクライナ情勢に目処がついたのだと考えられます。


直接の戦争当事国ではありませんが、アメリカと言えどロシアと中国を同時に相手はできません。今回の訪台はアメリカが中国に集中できる体勢となったことを示しています。

おそらくはロシア国内の極めて確度の高い情報に基づき決断がなされたと考えられます。

この決断は中国にとって青天の霹靂に等しい。中国共産党は、ウクライナ侵攻が続く間はアメリカも大人しくしているに違いないと高を括っていたでしょう(正直、私もそう考えていました)。


今後、ウクライナ情勢は次第に終息へ向かうと考えられます。

反対に台湾海峡の緊張は避けられない。

今回の訪台、最も戦々恐々としているのは日本の公安・警察関係者かも知れません。

元総理銃撃事件を防げなかった大失態の後、中国共産党の怒りと憎悪の対象ペロシ氏が来日するのです。悪夢のような夏になります。


何事も起きないことを心から祈ります。

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