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ジャイアントキリング

ジャイアントキリング


ウクライナにロシア軍が侵攻を開始した直後、現在の状況を想定できたのは極少数でしょう。侵攻を正確に予測していたアメリカですら、ゼレンスキー政権の崩壊を見越して亡命させる準備をしていたのですから。


スポーツなどで大番狂わせをジャイアントキリングと言ったりします。その由来は、(旧約)聖書に語られる羊飼いの少年ダビデが、イスラエルとペリシテ人による戦いで、巨漢の兵士ゴリアテを打ち倒した説話に基づきます。


ゴリアテはペリシテ人の兵士で、その身長は2mとも3mとも言われています。3mともなれば正に巨人ですが、初期聖書の記述からは、2mとする方が正しいように思います。


羊飼いの少年ダビデは「油を注がれた者」であり、後にイスラエル王となる人物で、ナザレのイエスは、このダビデの子孫にあたります(聖書にもそう書いてある)。とは言え何で羊飼いのしかも少年が兵士と闘うんだって話。

この少年ダビデ、自分は、飼ってる羊がライオンや熊に襲われ、羊を助けるためにライオンも熊もブッ殺したと言うんです。

、、、、、、牧歌的な羊飼いかと思いきや、一瞬にして血生臭いバイオレンスと化す聖書のダイナミズムよ、、、ゴリアテと闘うのもお弁当届けるお使いついでだし、、、話の持って行き方が豪快過ぎませんかねぇ。


まぁ、そんな訳で少年ダビデはサウル王(こちらは「元」油を注がれた者、になります)からゴリアテと闘う許可を得て、一騎討ちを挑むことになります。

そして剣も鎧も帯びず、少年ダビデはスリング(投石器)による投石の一撃でゴリアテを昏倒させ、ゴリアテの持っていた剣で首を落としてアッサリ勝利します。


ノーダメージの完封勝利、一方的過ぎてどうなんだろうと個人的には思うのですが、聖書的にはダビデ最大の見せ場な訳です。そりゃあ、2mの巨漢じゃなくて、3mの巨人相手じゃないとパッとしないわなぁ、と邪推したり、、、


サラッと流されているライオン殺し(熊でも充分過ぎる勲ですけど)の方が、よっぽど凄い事のように思いますけどね。獅子退治はヘラクレスの12功業のアタマに数えられるほどの偉業で、少年が羊を取り返すためにやる様な事じゃありません。


このジャイアントキリングにより、肝を潰した仇敵ペリシテ人は潰走、イスラエルが勝利を得ます。ここから羊飼いの少年がイスラエル王となる道が始まるわけです。


聖書には、新旧を問わず、羊飼いがわんさか登場します。ダビデは言うに及ばず、全てのユダヤ人の祖とされるアブラハム、「カインとアベル」のアベル、イエスの誕生を天使から告げられるのも羊飼いですし、プロテスタントでは神父ではなく牧師と呼ばれます。

何より、神やキリストは牧者に例えられ、キリストという言葉自体「油を注がれた者」の意であり、羊飼いが羊を虫害から守るため、羊の頭に油を注ぐ行為から来ています。


これは、ユダヤ人が遊牧民であったことに由来します。ユダヤ教は、過酷な自然環境に生きる遊牧民の為の「砂漠の宗教」であり、定住してもなお迫害され、安息の地を求めるユダヤ人を救うのが「ユダヤ教で言う」神なのです。


ウクライナはロシアの1/10の経済規模しかありません。

正に子供と巨人の差があります。

しかし、スリングならぬジャベリンを手にジャイアントキリングを成そうとしています。

そしてそれは成されるでしょう。

ただし、ダビデと異なりウクライナの被害は甚大です。

破壊された物的被害は、既にウクライナのGDP4年分に至り、しかも、今年のGDPは半減します。


これを日本に当てはめれば、ざっと2千兆円分の建物やインフラが破壊され、今年生み出されるハズだった260兆円分の財が失われた計算になります。


あくまで物的被害の話ですが、東日本大震災の被害総額が約10兆円であることを鑑みれば、分かり易くするために日本を引き合いに出した事を後悔するくらい、ちょっと現実味の無い数字になりました。千兆円とか今どき駄菓子屋のばーさんでも言わねえよ。

ちなみに日本の国債残高が約1千兆円。


後悔しつつ話を戻すと、既に、ウクライナが被った損害をどうするか検討が始まっています。

もちろん、ロシアを抜きにした欠席裁判ですが、欧米は戦後を見据えて動いているのです。


この戦争が数年にわたって継続するとの見方も多いのですが、少なくとも米国はそうは考えていないのでしょう。

個人的な意見としても、戦時体制にでも移行しない限り、ロシアに年単位の長期継戦は出来ないと考えています。

おそらく今年末の厳冬期に入る前には、なんらかの形で決着させるでしょう。


ウクライナが掲げるロシアの首がどのようなものになるかは分かりませんが。

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