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オカルトに傾倒するなかれ

オカルトに傾倒するなかれ


君ら、私が嫌がる事をするのが好きなのか?

私の嫌だ嫌だは押すなよ押すなよと同じじゃないんだよ?

大概にせーよ?マジで


黙示録とかとかとかそーいうのに厨二心を擽られる気持ちは理解できなくもない。

そういう私も丁度中学生の時分に幻魔大戦って映画があって、黙示録的な「ハルマゲドン接近!」とかローズマリーバトラーが歌った主題歌の「チルドレンオブザライト=光の天使」とかとかとか、はわわ赤面する。

君らいい歳してんだから自重しなさいね。後が辛いからね。


冗談はさておき、宗教とかオカルトは、軽い気持ちで覗いて木乃伊取りが木乃伊になる、なんてのは珍しくないから注意しなさい。

私の知る限りの質問に答えるのは吝かでないけど、私の評価や認識は参考程度としなさい。


Q:言うてる本人が聖書を読み込んでるのは何で?

A:世界の3人に1人はキリスト教徒だよ。英語話者よりずっと多い。イヴァンジェリカルでアメリカ人口の2割、キリスト教徒全体でみると6割、昔は7割だったんだ。即ち、今まさに世界をしっちゃかめっちゃかにしているアメリカを動かしているのはキリスト教徒ってこと。

新旧聖書になると一般的な日本語訳で2千ページ近くになるから気軽に読めとは言えんけど、信仰の対象としてではなく文化的現象として、キリスト教の歴史や聖書とはなんなのか、知見を深める事は英語習熟以上に重要だと私は評価している。これが答え。


Q:福音派は元々共和党支持という事だけどトランプは従前の共和党の大統領とも福音派での扱いは違うのか?

A:共和党は伝統的な保守派でイヴァンジェリカルと親和性は高いのだけど、それでもやはり大統領(候補)個々人で政策などが微妙に異なりイヴァンジェリカルの評価や支持も画一的ではない。俺様キング以外にイヴァンジェリカルから強力な支持を得ていた大統領としてはレーガンとか子ブッシュとかが挙げられるけど、あくまで政治的キャンペーンと評すべきレベルに留まっていた。

レーガンは政策的に一致していたし子ブッシュは自身がイヴァンジェリカルだったから「この大統領(候補)を応援しよう!」って感じ。

しかし、俺様キングに対する一部のイヴァンジェリカルのそれは、呼称からして全く異なる表現をしていて「政治家として応援」ではなく「霊的戦士」として認定・支持している。


Q:そこんとこkwsk

A:、、、、、、一例だが、ウォールナウというイヴァンジェリカルの牧師が居て、一説には、著書などを通じて大統領選などで100万単位の票を左右するとも評される人物。

ウォールナウは俺様キングをゴッズインストゥルメント、即ち「神の道具」だと評しており、俺様キングの再選は「預言」の成就、神の計画の一部とも言っている。

俺様キングを「油を注がれた者」と称するメディアも出現しているし、明らかに政治的な活動の域を超え、信仰上の扇動とも評すべき内容になっている。

ウォールナウの言動を陰謀論的に評するなら「ロシアのエージェント」かも知れないし、オカルト的な見方で「黙示録の『偽預言者』」或いは「預言成就のために神が『偽預言者』として遣わした神の計画の一部」になるかも知れない。


Q:ロシアのエージェントならまだ分からなくもないけど偽預言者とか理解に苦しむ。

A:あくまで陰謀論的・オカルト的解釈だよ。ウォールナウの言動の背景を考察するのは必要だが、充分な根拠が無ければ妄想に過ぎない。


Q:神の不在・沈黙ってのも何となく言わんとしてることは分かるけど「涙を流すマリア像」みたいなのもありますよね。

A:確かに「涙を流すマリア像」として神の奇跡に認定される事例も稀にある。それに関してはイヴァンジェリカルを含むプロテスタントが見解を示している。

まず、「涙を流すマリア像」を奇跡と認定しているのはカソリック=バチカンで、厳格な審査と称するものを経て何例か認定されている。

しかし、プロテスタントはそういった事例を奇跡とは認めておらず、礼儀正しく無視するか場合によっては批難の対象としている。

何でかと言うと、奇跡以前の問題としてマリアの像を作ること自体が十戒の2、偶像崇拝の戒を破っていると考えるし、マリアを信仰の対象とし礼拝する行為は戒の1を破ることだと考えている。神の奇跡がそんな形で顕現するハズがない、というプロテスタントの見解は一定の論理性を有しており、理解も得られるところではないだろうか。

とは言え、この見解は同時にプロテスタントにとっても苦い現実を突きつけるものでもある。

カソリックはマリアに限らず列聖、即ち聖人と認めた人物の像を積極的に作って礼拝の対象としている。本来、戒の2からすればキリストの像を作る事すら破戒に外ならない。戒の1・2を破ったソロモン君は子の代で王国が分裂する罰を受けた。

ソドムとゴモラの罪は偶像崇拝に留まらないが、神は天から硫黄と火を降らせて都市を丸ごと滅ぼしたし、ノアの方舟で語られる洪水ではノアの家族以外の全人類を滅ぼしたとされている。ついでに、人類の罪のとばっちりを受けて、ノアの方舟に乗らなかった動物も全滅した事になっている。神は天から見下ろし霊的に導く「のみならず」現世に直接的な影響を与える事ができる存在で、「携挙」も霊的・精神的な観念上の事象ではなく生きたまま天に昇る物理現象である「ハズ」なんだ。

破戒者は死後裁きを受ける、、、ってのは苦しい言い訳で、神に従う教会と称する存在が偶像を作って礼拝させているのに天罰が下らないことこそが「神の沈黙」そのものとも捉えている。


Q:サンタクロースもキリスト教の聖人ですよね。意地悪な言い方ですけど福音派の人たちはサンタクロースも信じてないの?

A:イヴァンジェリカルはマリアや12使徒、イエス以外の聖書上の人物に、敬意は払っても信仰の対象とはしない。これは十戒以外に新約聖書上の「神は唯一の存在であり神と人との仲介者も唯一イエスのみ」も拠り所としている。サンタクロースこと聖ニコラウスについても、慈善・善行を行った実在の人物として道徳的な功績は認めてもクリスマスの夜に世界中を飛び回り良い子にプレゼントを配る、というある種の超越的・霊的な存在としてのサンタクロースは認めていない。


Q:ちょっと衝撃的な回答、、、

A:まぁ、日本的ゆるゆる宗教観だと意外に思うかもね。

それだけに俺様キングへの支持というか信仰とすら呼ぶべきものには異常性を感じるよ。


Q: 幼い児がサンタクロースを信じて「さんたさんおねがいします」と欲しい物を願う行為も破戒ってことになるのか、、、

A:そこは、また論点が異なる。

神の「子供」に対する扱いは神学上非常にデリケートな問題で、一口に説明できるモノじゃないけど「無垢の年齢(エイジオブアカウンタビリティ)」と「幼子の救済(インファントサルベーション)」の二つの概念があると憶えておくといい。

まぁ、誤解を恐れず極々単純化して言うと「子供には責任能力が無いから罪も無い」くらいの認識で問題ないハズだ。

サンタクロースのストーリーを完全に排除してるガチガチのガチも一部には存在するけど、イヴァンジェリカルの家庭の大半は、幼子がサンタクロースにプレゼントをお願いして、それを親が夜中に忍び込んで枕元に置く。そういうクリスマスを過ごしている。

俺様キングの悩みの種の一つであるエプスタイン事件に対するアメリカ国民の怒りの激しさを見ても分かる様に、全ての子供達は守られるべきだ、ってのはプリミティブな善性だ。それが、自身が信仰する神の怒りからであってもね。


Q:涙を流すとかショボいやつじゃなくて、誰が見てもこれぞ奇跡!みたいなのは無いの?

A:大層失礼なこと言ってんなぁ。例え涙一滴だとしても、もしそれが真に物理法則を超越したものであるなら世界がひっくり返るんだが。

分かりやすい奇跡というと、傷病の回復や死者の蘇生は色々な宗教の定番で、カソリックでも昔からある。

そういうんじゃない?どういうの?戦争中に現れた天使の軍団みたいな都市伝説系のやつもあるけど、奇跡認定されてる事例としては「ファティマのマリア」が一番規模が大きい?かな?

これは、ポルトガルの村ファティマでマリアが顕現し、預言を与えて「太陽の奇跡」と呼ばれる奇跡を数万人が目撃した、とされるもの。


Q:それも福音派は認めてないんですね。

A:当然。

集団ヒステリーか悪魔に惑わされたか、だとしている。

補足すると、太陽の奇跡ってのは、ファティマにマリアが現れ奇跡を起こすと聞きつけた数万人が見守る中で太陽がグルグル回ったり異常な色になったり落っこちてきそうになったり、といった現象が目撃された、というもの。

まぁ、ぶっちゃけ、「何か奇跡が起きる」と数万人が空を見上げてたら日光網膜症起こして色覚異常・視覚異常を起こす者も出てくるよ。日蝕の観察とかで紫外線からの保護ができてないときに起きる症状と変わらん。

良い子は真似すんなよ?軽度な症状でも後遺症が残るかもしれんからな。

で、「太陽に異常が起きてる」って誰かが言い出したら、太陽を凝視して幻惑される者も増えるし、「私は見てない」と言い出しにくくなるものだ。

事実としてファティマ以外の場所で太陽の異常を観測したという報告は確認されていない。これを「神の秘儀だから限られた場所でのみ行われた」って解釈も可笑しな話しだ。

この「太陽の奇跡」は新聞に掲載され、バチカンが公表していて秘されていた要素などない。少なくとも太陽は世界の半分が同時に見る事が出来るんだから、警告を与えるための神の奇跡なら直接見せればいい、新聞なんぞで伝える事に何の意味がある。

「警告」と言ったが、ファティマのマリアは3人の子供に預言・幻視という形で人類に警告を与えたとされている。

これは、ファティマ三つの預言と呼ばれており、

一つ目、地獄って本当にあるから悔い改めなさい

二つ目、第一次世界大戦の終結と第二次世界大戦の勃発

三つ目、ローマ教皇暗殺(未遂)

を予見・警告したと言っているが、二つ目・三つ目は何れも、事が起きて何年も経ってから「実はファティマの預言でこれこれこう警告されてました」と公表されている。

秘すべき奇跡を新聞で公表し、公にすべき警告を事が終わってから公表するなど「神の御心」ってやつは確かに人如きには推し量る事もできんわ。

少なくとも私には全く理解できん。

付け加えるなら、預言には第二次世界大戦の前兆として「不気味な光」が現れる、とあり、事実として大戦勃発の前年に大規模なオーロラが観測されている。

何で太陽の奇跡もオーロラ並みに無制限で観測できるようにしなかった。逆に、オーロラが神の秘儀なら何で無制限に観測出来たんだ。

君らは、後になって誰かから「あの不気味な光は大戦のオーメンでファティマのマリアは大戦を預言してたんすよ」と言われたとして、素直に「へぇ、大戦を預言してたんすか!凄いっすね!」とか思うだろうか?私ならそいつにこう言ってやるね

「へぇたいせんをよげんしてたんすかすごいっすね(ぼう)」


Q:オカルトと宗教の違いって何ですか?

A:切り取り方によって答えは異なるけど、一つの答えとしてシステム化の有無と考える。


Q:オカルトをシステム化したものが宗教で両者に本質的な違いは無いって意味ですか?

A:そう答えたつもり。


Q:従前からのお話も含めて総合的に考えてみると、よく言われてる「妄想」ってのもオカルトの範疇になってきませんか?

A:その通り!妄想に拘ったり囚われないよう君らも気をつけなさいね。科学的思考は実証や検証を怠ると偽科学や妄想に堕落するからね。


Q:ローズマリーバトラーのライディンハイは偶に歌ってますよね?

A:ライディンハイは良いんだよ。チルドレンオブザライトはな、鬼束ちひろの月光の10倍くらい(個人の感想です)アレ(?)なんだ歌詞が。登下校時に鼻歌で歌うのはどうかと思う。はわわ


Q:はわわ、今度チルドレンオブザライト歌いましょう。

A:歌わねーよ!


Q:ハルマゲドン!

A:やかましいっ!



とっぴんぱらりのぷう

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