俺様キングの支持者
俺様キングの支持者
中国から非常に危険なサインが出ています。
中印が仲良くするのは、まぁ、好ましいと評価しても良いでしょう。
しかし、中露朝のトップが仲良く軍事パレード観閲、というのはこれまでの経緯を考えると「潮目が変わった」と評価せざるを得ない。
それも対岸の火事などではない。
チンピラ皇帝は「日本の軍国主義が復活」などとちゃんちゃら可笑しい発言をしているが、、、正直、笑っていられる事態ではない。
常なればアメリカが牽制し抑止力となる、の、だが、今起きてる事態は俺様キングに直接的・間接的な原因があるんだコレが、、、
ロシア、そして中国は、既にして俺様キングに対する外交的勝利を収めている。
中国との外交交渉は表面的には未だ道半ばに見えるが、数々の状況はアメリカ側が全面敗北している事を如実に示している。
ロシアに至っては、アラスカ会談でチンピラ皇帝が俺様キングを一方的に叩きのめしている。合意とやらが公にされていない事実、そして俺様キングの顔を見れば明白だ。
俺様キングがその場限りでどれだけ中露に対し威勢の良い事を吹きまくったとしても、キンペーさんもチンピラ皇帝も何処吹く風といった風情。
なぜ、こうなっているか、中露が持つカードの具体的な中身は、、、想像はつくが妄想に過ぎない。しかし、そのカードが「アメリカ」に対するものではなく、「俺様キング」に対するエースインザホールであるのは間違いない。
国ではなく人を攻める。伝統的とも言える共産系の手法だが、俺様キングと真面目に対応するより搦手で当たるというのは、ある意味、世界が見倣うべき至極妥当な方策と言って良いかもしれん。
アメリカは、パレスチナ、ウクライナ、そして台湾・極東方面において安全保障の支柱足り得ないと認識すべきだ。
いや、まぁ、とっくに見限っている向きも多いのだろうけれど、、、
溜め息しか出ない。
現状は、大統領選時に評価したリスクの範囲内だ。いい意味ではないぞ?イギリスも俺様キング再選が非常事態と判断したからこそ介入したのだろう。介入の結果はともかく判断は間違っていなかった、という事だ。
日本の「もしトラ」の認識が激甘だっただけ。
俺様キングは、周りにイエスマンしか居ない典型例だ。よくもまぁ、こんだけ強烈なモンスターに育ったもんだ、とある意味感心すらする。モンスターぶりという意味ではチンピラ皇帝など足元にも及ばない。と言うかチンピラ皇帝が常識人に見えるマジで。
周りにイエスマンしか居ないとどうなるか、端的に言うとある種幼児化する。発達過程において必要な無償の愛情という肥料が利害や打算に変わると発達阻害薬となる。
俺様キングのアレは、老練なディールのハッタリではなく、79歳児の振舞いに過ぎない。
MAGAと称する俺様キング支持者の一部も気付き始めている。「話が違うじゃないか!」とね。
残念ながら、話が違う訳じゃない。そもそもの前提が幻想に過ぎなかっただけだ。
考えてもみて欲しい。
ブレーキの効かないタクシーに乗って「お任せするから偉大なアメリカに連れてって!」と頼む様なものだ。
おまけに、その車はブレーキが効かないだけでなくナビも存在しない。ドライバーは道も知らずに気分次第でアクセルを吹かしまくる。
これで事故が起きないと思う方がどうかしている。
往古のギリシャ三大哲人は民主主義が独裁者を生み出す過程について異なるアプローチで論じているが、その慧眼は数多の歴史が実例を以て証明している。最新の実例がアメリカとなってしまった。
国民が独裁者に力を与え、ブレーキを取っ払う。それが最強国家に起きた事で世界を不安定化させている。
しかし、MAGAの大部分は支持を変えたりはしない。自身が事故の被害に遭っていないからだ。まぁ、それも幻想に過ぎないけどね。
今年の4月、世界各国に対する関税を発表したとき、俺様キングは「解放の日」だと満面の笑みを見せていた。
一体誰と戦ってるのか知らんが、アメリカが何者かから解放されたんじゃない。況してや、アメリカ国民は解放どころか重税を付された側に過ぎない。
解放とは、俺様キングがWTOや国内法を踏み躙って、アメリカという名の暴力的な車を思う様振り回す解放感を指すのだろう。そりゃあ人生の絶頂感で笑みも溢れるだろうさ。
関税とは、即ち外国製品に掛ける消費税に外ならない。日本の税制では、消費税は国内の消費に掛かるものであるため外国に輸出する場合は還付される。まぁ、この仕組みが不公平感を弥増すんですけどね。
俺様キングが高らかに「おめーら!これから外国製品を買う時には10〜46%の税金掛けるから覚悟しとけよ!」と言ってんのに「やふー!」だの「いっぴー!」だの盛り上がってるMAGAを見て、こいつらたのしそうだなぁとおもいましたまる
MAGAには、まだ実感が無いのでしょう。関税の発表から駆け込みで輸入した製品やショックを緩和するために輸入業者や製造元が当面は一部を飲むことも要因として有るでしょう。
しかし、それも一時的なものに過ぎず、特に価格弾力性の低い、即ち代替性が効かない製品には即座に反映されて行く。
まぁ、それもアメリカ国内経済の問題だ、俺様キングを選んだアメリカ国民の自業自得と笑う向きもあるが、事はそこに収まらない。
戦争の主要因は経済にある。WTOが世界経済の健全な発展を志向するのは、戦争回避という経済を通じた安全保障を担っているからだ。
俺様キングは、WTOとWTOを通じて世界各国が積み上げてきたその努力をたった一日で踏み荒らした。
これが、たった一人の狂人の幼稚な振舞いであったなら、まだ、、、まだ、反応も異なるだろう。暴力的な「アメリカ」という名の車で世界中を一日で荒らしまわったのが俺様キング一人の暴走であったなら。
しかし、世界は見ていた訳だ。暴走するアメリカという名の車に乗って、世界中を小突きまわして喜ぶMAGAという名の「アメリカ人」を。
一見頑丈なアメリカという名の車は、ブランド価値を失ってボコボコになってしまった。
自爆行為に等しい関税爆弾は「アメリカ」と「アメリカ人」に対する激しい反感を一日にして世界中に振り撒いた。
俺様キングは関税への反発を「報復関税には更なる関税を」と脅して抑えた気になっているが、中国は真っ向から殴り合いに持ち込んでアメリカ側がへし折れた。
立場の弱い国も、正面から報復はしないもののアメリカ製品の不買やアメリカ旅行の取りやめなどによる影響が数字に現れている。
遠くない内にMAGAは浮かれた宴の支払いを迫られる。それが、金で済むなら安いものだ、そう言えるだろう。
そもそも、俺様キングの言う「外国製品による搾取」など噴飯物の妄言だ。
事実として安い外国製品で国内製造業が成り立たなくなった、というのは有るだろう。しかし、それは価格競争力で敗れた結果であり、搾取などと言葉で誤魔化すのは下劣以外の何ものでもない。
搾取、とは、安い労働力として扱われる外国の労働者にこそ使われるべき言葉だ。
換言するなら、外国製品を安く買い叩き、儲かる金融業などで荒稼ぎする事で外国の人的・物的資源を搾取し、繁栄してきたのがアメリカと言える。
グローバル化の負の側面、置き去りにされた多くの労働者が不満を募らせるのは至極当然であり、その解決を政治に求めるのも権利と言えるだろう。
しかし、それは民主主義のルールに則って実現されるべきで、国民が選んだ大統領は何をしても許されるなどの妄動は三大哲人が異口同音に指摘する民主主義の堕落そのままだ。
アメリカは、今まさに堕落した民主主義に陥っている。これからアメリカが、曲がりなりにも民主主義と言える状況に立ち戻れるか、と言えば、正直難しいと評するしかない。
来年の中間選挙がまともに実施されるとは到底思えないからだ。
そして、来年の中間選挙までの間、パレスチナやウクライナ、極東の平和や安全保障について楽観視するのは、もはや脳天気と呼ぶべきだろう。
俺様キングの支持者は、安全保障などに欠片ほどの興味もない。




