大統領選レヴュー
大統領選レヴュー
いやはや完敗です。
ある程度の傾向は掴めていた積もりでしたが、現実とは乖離がありました。
仕事辞めたくなったよマジで。
こんな早くやる事になるとは思ってもいませんでしたが、トランプ勝利の影響の前にざっと選挙をレヴューします。
トランプの勝因はスイングステイトと呼ばれる激戦州をキッチリ勝ち切ったところにあります。
野球に例えると日本シリーズを1・2点差で4連勝して日本一に輝いた状態ですね。
(横ベイファンの皆様おめでとうございます)
予想では、双方エース級を投入する2試合で投手戦の末に土が付いてほぼ互角の勝負になると見ていましたが、星の数は完全に一方的なものとなりました。
出口調査などで判明したのは投票者に占める無党派層の増加です。
無党派層の増加は選挙への関心の高まりを示すもので、鉄板支持層を中心とするトランプより、新興のハリスに分があると考えられ、好感度調査などでも明確に傾向として現れていたのですが、完全に読み違えていたようです。
この結果は何なんだ?という問いに明確な答えが出せません。
経済だ!という主張もおかしな話です。
経済そのものはバイデン政権でインフレを上回る伸びを示しています。
トランプが槍玉に上げるインフレもコロナ禍で生じた需給ギャップが主要因で、そもそもトランプはコロナで対応を誤ったとして政権を追われた。
その尻拭いをバイデンがやらされて、満点とは言わないが概ね及第点と言える状態には持ち込めている。
ハリスを経済音痴とするのを否定はしないが、トランプは間違いなくハリスの上を行く経済音痴だ。トランプは商売人だがディールの成功を経済的な能力と同一視するなどジョークのレベルでしかない。それ以前に、トランプは元々の不動産業でも数々の大失敗をやらかしている。
トランプを経済通だなどと言う人がいるなら、それは追従か経済が何なのか分かっていないか信者かでしょう。
トランプの行動は、本質的に経済政策ではなくポピュリズムの発露に過ぎない。端的な実例が中国への高関税賦課だ。
中国は悪で叩くべし、大変結構な事だが、関税を高くすればどういう結果を招くか分かりきってるだろ?おそらくトランプは、関税対策で日本などがアメリカに次々と工場を建設し、雇用に貢献した過去のアメリカの成功体験を模倣したのだと思う。残念ながら、商人としてのトランプは中国「人」から見ればお坊ちゃんに過ぎない。悪辣さのレベルで対抗できるハズがない。
中国は高関税に降伏することなく関税合戦になった。為替も操作(違法)して抵抗した。結果として中国はダメージを負ったがデカップリングなどで脱アメリカの道に筋道を付け、グローバルサウスとして無視し得ない勢力を固めつつある。アメリカは高関税で輸入品がインフレに拍車をかけ、対中輸出でもダメージを負った。
現在のアメリカのインフレの原因はコロナにせよ高関税策にせよトランプに直接的な責任が有ると言える。インフレでトランプに直接的な責任が無いのはエネルギー価格高騰くらいだ。
最悪なのはトランプがポピュリズムモンスターで経済音痴な事ではない。誰もトランプを止める事が出来ないのが最悪たる所以。
ハリスが例え度し難い経済音痴であったとしても政権には「経済」に明るいスタッフが掃いて捨てるほど居るし、通貨の番人FRBも高い独立性を保っている。
しかし、経済音痴のトランプを誰が止められるのか?経済通とおだてられ、他責思考のモンスターはFRBにも手を突っ込むだろうし、既にその動きが表面化してきている。
まぁ、、、結局のところ、事実よりおどろおどろしい都市伝説じみたナラティブの方がより多くの人に響くし、仲良くするより敵を扱き下ろす方が団結し易いという事だったのではないかと思う。
今回は、な!(負け惜しみ、次回があるかは知らん)




