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クルスク侵攻レヴュー

クルスク侵攻レヴュー


ウクライナ軍によるクルスク方面への越境攻撃から4週間、1ヶ月弱が経過したので、簡単なレヴューにまとめてみよう。


まず、クルスク方面へウクライナ軍が侵攻した事実は想像以上(ウクライナ側にしてみれば想定通り)のインパクトをもたらしている。

戦術的に見ればイジュームの電撃戦勝利と大きな差異がある訳ではないが、戦後、冷戦期を通じても領土を侵された事のないロシアが、他国の軍隊に一部占拠されている事実はチンピラ皇帝には屈辱の極みと言えるだろう。

この事実は、ロシア国内の反応と掛け合わせて見ると興味深い。

ロシアの軍事ブロガーなどは元々ナショナリストの傾向が強く、事実を淡々とレポートするよりロシアによるウクライナ侵攻を肯定し、ロシア軍が不甲斐ない様を見せると批判する内容のものが多かった。

しかし、これら戦争肯定派のクルスク侵攻に対する反応は非常に大人しい。

本来なら、自国領を侵されるなど自称軍事大国ロシアに有ってはならない異常事態で、激烈な反応が起こってもおかしくない、というか起こるべきところですが、ビックリするほど薄い反応。

これは、ロシアの言論統制が強化されている面とナショナリストも自重するほどセンシティブな話題という面が表裏合わさっての結果と考えられます。

端的に言えば、短期的にクルスク奪還は困難と判断したプーチンら政権上層部が、当面の間、失態を糊塗し、事態を矮小化しようと各種行動している。

これは、ロシア軍によるウクライナ東部攻撃が佳境にあり、プーチンにしても、ここで東部の手を緩めるのが余りにも惜しい、という状況の証左でしょう。

東部、具体的にはポクロウシクは純軍事的に見てウクライナ軍兵站の結節部となる要衝です。ロシア軍は今まさにポクロウシクへ進んでいます。

この要衝を挟んだ攻防は大きな転換点となり兼ねない。


私は、ウクライナ軍の反攻はロシア軍の息切れに応じた形になると見ていました。

予想に反し、東部へロシア軍が猛攻を仕掛ける最中にクルスクへ侵攻した理由として、東部からロシア軍戦力を引き剥がす狙いがあるのは間違いない。

実際、ロシア軍の東部攻撃には緩みが見えた。しかし、緩みは一時的・限定的で、相も変わらず損害上等の無謀な突撃で侵攻を続けている。

クルスク侵攻は、この戦争の構造的不利を突き崩す一手となっている。それは非常に大きな意味を持っているが、短期的な東部ポクロウシクの攻防を一変しうる成果は得られていない。


侵攻のタイミングから、越境攻撃はウクライナの苦し紛れとする評価も有りますが、必ずしもそうではない。侵攻の詳細を見ても相当な準備がなされているのは明らかで、そこには戦略的意図が秘められている。

ゼレンスキーによるアメリカへの働きかけが奏功するなら、大きな意味を持ってくる。

しかし、軍事的アプローチとしてはクルスクの一手だけでは足りない。

分の悪い賭けをひっくり返す詰めの一手を期待しています。



フリークタイフーンはマジ迷走してたよ。

直前まで直撃コースだと思ってたらスルッと回避して別方向に抜けてった。私のところはほぼノーダメージになったけど九州・東海・関東などは広範囲に被害があったようだ。

被害に遭われた方々にはお見舞い申し上げます。

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