ポリティカルディバイドその3
ポリティカルディバイドその3
バイデンは大統領選から撤退しました。
これで民主党は多少戦い易くはなりますが、大勢を変えるほどのものではない。
一部には「ミシェル・オバマを候補にすればトランプにも勝てる」などとする言説もありますが、現状、そこまでのパワーがMs.オバマに有るかは疑問に思いますし、仮に本人に大統領への政治的関心が有るなら、今回の大統領選は余りにもリスクが多く、大きく、判断が難しい。
下手をすれば踏み出してもいない政治的経歴に深刻な傷を残しかねない今大統領選は、火中の栗を拾う行為そのもので、避けるのが常識的判断と言えます。
そして、正直に言います。
もはや、今大統領選でトランプが勝利した方が、少なくともアメリカは安定する可能性が高い。
トランプが満足する形で大統領選に勝利し、アメリカを4年間の執政下に置けば、或いは、鷹揚に振る舞う可能性も低くはない。
仮に、民主党候補が大統領選に勝利した場合、ポリティカルディバイドは間違いなく流血の避けられない暴力に発展する。その影響が4年で終わらない可能性は高い。
そもそも、民主党の誰が大統領となっても、アメリカ議会はおそらく共和党が押さえることとなり、大統領として半ば最初からレームダック化する。
民主党が勝利し「アメリカが機能不全」に陥いるか、トランプが勝利し「アメリカが本質的に変化」するか、どちらがマシか、本来なら皆さん個々人に判断していただきたいのですが、敢えて私見を述べるなら、幾つかのリスクを加味すればトランプ勝利がマシ、、、かも、という事。
しかし、トランプの勝利は民主主義の敗北に等しいと私は思っています。
少しばかりブレイクダウンするなら、私自身が先程述べたように、アメリカが機能不全に陥いるよりは(少しは)マシ、と考える層がトランプに投票するのも根の深い問題ではあるのですが、何よりトランプと「トランプでなければ認めない」とする層が勝利する事態に他ならない、という事です。
民主主義の本質を「勝者総取り」と評する向きもあり、間違っているとは思いませんが、そこには謂わばある種の「ノーサイドの精神」が無ければ機能しない。
民主主義に基づく決定にあたり、激しく衝突(言うまでもなく非暴力且つヘイトを撒き散らさないのが前提)してもジャッジが降りれば勝者も敗者も等しく従わなければならない。
勝者が力を頼みに、敗者が結果を不満に思って、ルールとジャッジに従わない事は民主主義としてあってはならない。
一々例を挙げるのも馬鹿馬鹿しいほどトランプは民主主義とは真逆の人物であり、勝てば大統領は免責だと嘯き、負ければ結果を認めず信者を暴動に駆り立てる。
プーチンの様に力を持った小悪党も手に負えないが、民主主義への脅威という意味でトランプというモンスターはチンピラ皇帝なんぞより遥かに質が悪い。
トランプが不倫に走るエロ親父であろうが別にどうという事はない。一万円札の偉人とて性事情は現代なら炎上ものだが有り触れた話でしかない。
しかし、それを隠すために犯した罪は大統領であろうとも罰を受けなければならない。それが法の支配というもので、日本では国会が国権の最高機関と称される由縁です。
大統領という職務において免責は有って然るべきですが、何をしても許される訳じゃない。
ブレーキの効きが悪い人物が、世界最強国家の大統領として行政の頂点に立ち、立法府を従え、司法すら抑え込む、という悪夢が現実となろうとしている。
アメリカ超ヤヴァい(小並感)




