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プーチンが戦争宣言ってマジ?

プーチンが戦争宣言ってマジ?


イギリスのウォレス国防相は、5月9日のロシア対独戦勝記念日に、プーチンがウクライナと戦争状態にある事を宣言する、との見方を示しました。

公表スタイルから見て、憶測などとは一線を画すインテリジェンスに基づく一定の確度を持った情報と思われます。


これがロシア側の欺瞞情報(相手を撹乱したり、内通者を炙り出すための偽情報)である可能性も有りますが、事実であった場合、非常に大きな方針転換が生じた事になります。


プーチンは、ウクライナとの戦争を特別軍事作戦と称し、頑なに戦争と呼ぶことを認めませんでした。

戦争の目的がウクライナ解体であれば、それで正解です。ウクライナを無政府状態に置き、表向きロシア側の関与は否定して、息の掛かったなんちゃら共和国を通じて内戦状態のウクライナを好きな様に攻略して行けば良いのですから。


方針転換の理由は、まず第一にゼレンスキー政権幹部やアゾフ大隊を確保する、といった勝利条件の達成が困難となったのでしょう。

ゼレンスキー政権打倒は元より、アゾフ大隊の身柄を確保してマリウポリを完全制圧するのは短期的には非常に困難と判断されたのだと考えられます。


ロシアは、ウクライナ南東部で支配領域を拡大すべく戦闘を続けていますが、ウクライナ側の抵抗は激しく、マリウポリ完全制圧を諦めざるを得なくなったのも、半ば制圧下にあるマリウポリに兵力を割いておける余裕が無くなってきたのが一因でしょう。


開戦当初20万規模の兵力で侵攻を始めたロシア軍も、実働可能な兵力は既に15万を切っていると考えられます。撃破された航空戦力や戦車なども多大で、補給の拙さ、或いはそもそも補給可能な装備が不足している状況が想定されており、戦闘能力・継戦能力が著しく低下しているのは間違いないでしょう。


この状況下での戦争宣言がロシア軍に勝利をもたらす鍵となるか、と問われれば、明確にNo!となります。

5月9日以降、ロシアが戦時体制となり、予備役の招集などにより兵力増員を行ったとしても、ロシア軍がこの戦争に勝利することは出来ません(理由は後で述べます)。


報道などでは、戦争宣言によりモルドバなどウクライナ以外の国への侵攻や核兵器使用のハードルが下がるとしています。


しかし、ウクライナ南東部の制圧もままならない状態で更に戦線を広げる戦力はありません。モルドバにも親露派武装勢力・ロシア駐留軍が存在しますが、ここで暴発すればモルドバ・ウクライナの双方から袋叩きにされる位置にあるため、明確な戦闘行為に及ぶ可能性は低い、、、、、、のですが、ウクライナ侵攻により安全保障・国際秩序のあり様は変化しています。仮に、この戦争でウクライナが国内からロシア勢力を一掃する事態となったとき、モルドバとウクライナに挟まれた親露派武装勢力・ロシア駐留軍の価値をロシアがどう評価するか。危険性をモルドバ・ウクライナがどう評価するか。

ロシア軍の駐留を無駄と判断して撤収するなら何の問題も無いのですが、「そうなる前に使ってしまえ」と撹乱目的に使い潰す可能性が無い、と言えないのがマフィア国家ロシアの現状です。

それでも、この戦争にほとんど影響は有りません。侵攻と呼べる規模にもならないでしょう(市民はたまったもんじゃありませんが)。


焦点となっているのが、プーチンは核兵器を使うのか否か。結論から言えば核兵器使用は無い。

少なくとも戦域がウクライナにある限りにおいて核兵器は使用しません。

理由は核兵器を使ってもこの戦争に勝つ事はできない上、プーチンの身が危うくなる可能性が高まるからです。


核兵器は人類が持つ兵器の中でも直接的破壊力は最大です。それだけに前線で使用することは出来ず、後方の重要軍事施設の破壊しか実質的な使い道は無いでしょう。それでウクライナが屈服するならまだしも、敵を増やす結果にしかなりません。これは、アメリカがベトナム戦争で核兵器を使用しなかった理由と同じです。

プーチンとグテレス国連事務総長との会談を見ても、プーチンには「西側のロジック」に沿った立ち回りをする意思が見てとれます。表向きだけであっても、西側のロジックに沿った行動をしている限り、国連常任理事国のトップであるプーチンに斬首作戦は発動されません。しかし、核兵器を使用した場合、その保障もなくなるでしょう。

言い方は悪いですが、たかだかウクライナとの戦争で、プーチンが核兵器という最後の一線を超える可能性はありません。

あり得る可能性としては、C兵器の使用、原発の「事故」くらいで、それも表立って実行されることはないでしょう。


では、戦争宣言する目的は何なのか。

宣言する以上は勝つ必要があります。それもコレまでのゼレンスキー政権だけでなく、「世界のナチス」との戦争だと言うのです。

もはや「俺に逆らう奴はナチス」状態で溜息しか出ませんが、ロシアは、そのゼレンスキーにも勝つ事は出来ません。そして、おそらく勝てないことを理解しているハズなのです。


勝てない理由はただ一つで、しかし、絶対的です。

アメリカの逆鱗に触れたのです。

アメリカには生命線が二つあります。ドルと国債です。アメリカはこの二つの価値が脅かされる事態を容赦しません。

プーチンは、石油等の取引をルーブル建にする大統領令にサインしました。ロシア国債の償還でも最終的にドル建となりましたが、当初ルーブルでの償還を通そうとしていました。


石油取引における決済通貨はドルです(一部ユーロもありますが)。ドルはハードカレンシーとして絶対的な地位を占めており、為替レートを下支えしているのは莫大なオイルマネー(オイルダラー)です。石油取引からドルを除外する動きにアメリカは非常に神経質で、現在、中国がサウジアラビアとの石油取引を人民元建とする協議が行われており、こちらを牽制する意味でも、アメリカはロシアが勝つ事を許しません。

これは、バイデンがどうとか時の政権の方針とは無関係です。

アメリカは、石油取引をルーブル建とするプーチンのサインからほどなくしてレンドリース法を復活させました。


独ソ戦においてソ連を勝たせたと言っても過言でない、事実上無制限の武器や物資の支援が行われるのです。

アメリカは、ナチスドイツを撃退するため、ソ連に航空機や戦車を始め、莫大な量の物資を送りました。今回の戦争では、ロシアを撃退するためにウクライナへ物資を送るという何とも皮肉な展開になります。


この状況下でロシアが勝利する方法はありません。

例え、戦時体勢となり、仮に、徴兵により20万規模の追加兵力を投入しようとも、ベラルーシなどが参戦しようとも、アメリカが物資を送り続ける限り勝ち目は無い。核兵器を使ってキーウを灰にし、ゼレンスキー政権幹部が悉く死亡しても、アメリカは代理を立てて戦争を続けさせるでしょう。

そしてそれをプーチンは充分理解しているハズです。


勝ち目が無いのに戦争宣言する理由は、現状一つしか考えられません。

ウクライナとの戦争をナチスとの戦争に見立てて第二の大祖国戦争とし、戦時体勢への移行により大統領権限の拡大を図った上で、ロシアを(半)鎖国状態とする。


どういう事かと言えば、ロシアがデッカい北朝鮮になるのです(元からそうですけどね)。

この、エンクロージャーにも似た鎖国体制とする前兆は、2014年のクリミア紛争に端を発する経済制裁以前、私が確認できる限りでは2008年頃には既に表面化しつつありました。

その一つがドルからの脱却であり、金の備蓄などのアプローチが十年以上続けられています。

ロシアの公式Twitterで「1ルーブル=1ルーブル」というツイートが小泉構文と話題になりましたが、ロシアが国内でエンクローズしている限り、為替レートは意味を持ちません。ロシアンジョークなどではなく、正しく1ルーブルは1ルーブルでしかない。


ロシアは資源国です。経済制裁を受けようとも取引する国は幾らでも存在します。

プーチンら極一部のエリート層が甘い汁を吸うくらいは余裕で賄えるのです。


ロシアは十年単位で戦時体勢を継続する可能性があります。勝つ気もない戦争を休戦を挟みつつ十年、二十年と続ければ良いのです。


・・・この話を知人にしたところ、「利根川かよ!」と言われました。

次の瞬間、


このプーチン、嘘は一切言わぬ!勝つ!勝つが、いつ勝つかは戦争宣言で明言していない。その事をどうかロシア国民は思い出していただきたい。つまり、ロシア政府がその気になれば勝利は十年二十年後ということもあり得るということを!


と頭の中でプーチンがフラッシュしました。

不謹慎にも程がありますが自分の妄想でしこたま笑ってしまいました。

申し訳ありません。GWで疲れ果てているんです。

本稿も読み返す気力がありません。誤字脱字、いつにも増して取り留めのない文章、お許しください。

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