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閑話

閑話


GWは楽しかったですかそうですか

う、うらやましくなんかないんだからねっ!(凄く羨ましいですの意)

「どっこも行けなくてずっとネトフリ見てるだけでした」

とか言われても「良いご身分だな!」としか思えない(八つ当たり気味)


それでドラマ「三体」が面白かったという話で、人間をコンピュータとして使うくだりが有るとの事。

人間の脳をコンピュータとして使うのかと思いきや、兵士一人一人に白黒のボードを持たせて、ドミノの様に次々に変換して計算するもの(らしい)。

人間をトランジスタ代わりに使って演算器や論理回路を作るのかよ、壮大過ぎるだろ?!馬鹿なのか?(褒め言葉)

何でも古代中国の皇帝みたいなのが三体問題を解く為に兵士を動員(この辺でもう意味が分からん)して作ったコンピュータらしい。


秦の始皇帝とかは100万人の兵を動員してるから、それだとトランジスタ数でいうとペンティアムの1世代前の486あたり?

いやいやいや、オペレーションシステムが無いとメモリの管理もできん(OSはアプリケーションランチャーみたいな扱いになってますが、メモリを始めとするシステム全体を管理するソフトウェアです)し、インタプリタも無いとコンピュータというより二進数のソロバンみたいなモノにしかならん気がする。知らんけど。

フィクションと理解した上で現実的な話をすると、電気的に行っているトランジスタ間の連携を視覚を介した人間の反応で行っている(と思われる)訳で、演算には凄い時間がかかると思う。ぶっちゃけ、10万人くらいにソロバン渡して計算させた方が速いでしょう。

しかし、まぁ、兵士を動員して論理回路作って三体問題解こうって発想がロマンの塊だよね。


ちなみに、中国文化的には天・地・人を以て三体(或いは三才)とします。そのため、中国発のSF小説である「三体」はそっちの事だと勝手に思っていました。

「三体問題」を物凄くザックリ言うと、天体が三つあるとその振るまいは現在の力学的アプローチでは絶対に解けない、というもの。

え?星って無数にあるじゃん


その通り。

実宇宙は厳密に言うと三体問題どころではなく、多体問題の世界です。

私達を地上に繋ぎ留めている重力は自然界に存在する四つの力、即ち、強い力・弱い力・電磁気力・重力の中で最も弱い力であり、他の三つとは全く比較にならないレベルの非常に弱い力ですが、ゼロでは無い。このゼロでは無い重力の影響範囲が無限長であることが曲者です。

人類にとって最も身近な三体問題が地球・太陽・月の三天体の振るまい・軌道になります。この振るまいを計算する前提の時点で他の天体、無数の星々は元より木星などの太陽系の天体も、その影響が無視出来るという扱いにしていますが、実際には影響はゼロではない。即ち、三体問題は問題以前の段階で近似値しか得られないと言うことです。


ややこしくなってきた?

まぁ、三体問題などはウクライナに何の関係も無いし、現実問題として私達の生活に影響はゼロに近いと言っていいのでサラッと聞き流してくださいね。


三体問題は現在の力学的アプローチでは解けません。月の軌道は月と地球の関係に限れば計算可能ですが、太陽の影響を受けるため、近似値でしか求められない。

しかし、まぁ、言ってる様に三体問題自体が限定的な系の中での計算に過ぎないし、もっと言えば天文学の基礎的な部分はほぼ近似値でしかないと言って過言ではない。ゼロに近い遠い宇宙の天体の影響も、無数に天体が存在するため総合的に無視し得ない影響となり、基礎的な重力定数すら非常に低い精度でしか人類は把握できていない。

それでも、想像を絶する宇宙の広さを思えば、こまけーこたーいいんだよ、で済ませば良いと思います。数学者や物理学者、天文学者になるのでも無ければ三体問題とか気にする必要はない。

古代は月や太陽の運行を基に暦を作り、暦に従って農業を行うことで文明へと発展する原動力となったので、古代中国の皇帝が月や太陽の軌道を解き明かそうとするのは分からんでもないけど三体問題にまで斬り込むのはSFとは言え突飛すぎない?


月の話じゃない?じゃあ何なの??


結局皇帝は三体問題の計算に失敗してえらい事になる?えらいことってどういう事だよ???


そこはネトフリ見るなり小説読んでください

ちょっ、おまっ、それ凄いモヤッてする!というかイラッとするんだが、張っ倒すぞ!(←疲れてだいぶおかしくなってる)


そもそも私の聞いた「三体」のあらすじだと「中国の科学者が秘密裏に行った実験が人類滅亡に繋がりかねない恐るべき事件の引き鉄となる」みたいな話だったと記憶してるんだけど、俺の知ってる三体と違う状態?え、その三体で合ってるの?話違くない?


なんか釈然としないけど、まぁ、ええわ。


ついで(?)なので二進数に付いても少し触れます。

先程の二進数は桁が直ぐに増えるから非効率なのでは、とする意見への回答というか補足ですね。

半導体の解説稿でも触れましたが、シリコン上に露光という形でトランジスタを形成し、トランジスタのオン・オフを二進数の1と0になぞらえて数値の加減算を行うのがコンピュータの基本的な仕組みです。

言われている様に大きな数字を扱うには多数のトランジスタが必要です。

例えば、9を十進数で表すなら一桁ですみますが、二進数では1001で表され四桁が必要となる。即ち4個のトランジスタが必要という事です。先程の兵士なら4人ですね。非効率という意見はここに起因します。

しかし、これはトランジスタがオン・オフで二つの意味しか表せない以上仕方ない話で、同時にトランジスタには二進数の方が合ってるという話でもあります。

どういう事かというと、数を数えるとき指折り数えるやり方があるかと思います。10本の指で数えられるのは、0を含めても11個の数しか数えられませんね。

これは、トランジスタと同じく指1本では曲げる伸ばすの二つの意味しか表せないのに十進数を扱っているからです。

10本の指で二進数を処理してみましょう。


0000000000=全ての指を開いた状態を0とします

1000000000=1

0100000000=2

1100000000=3

0010000000=4

1010000000=5

1011111111=1,021

0111111111=1,022

1111111111=1,023


この様に、10本の指で0を含め1,024(=2^10)個数えられます。

コンピュータが二進数で処理するのはこの方が効率が良いからです。

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