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002「君雪」
「今日初めて雪を見た」
しんしんと降り積もる雪
地面を白色に染めて美しい景色を見せてくれている
木々を白に変え、侵食し雪色に染める
そして道の雪に過去を辿れる跡が
くっきりと型になってついている
跡はみんなの過去を示す
「綺麗だね。ビューティフルホワイト」
冬の色を表す雪はまだ降り続ける
今も今も……
「綺麗だよ。見れてよかった」
君と見たかったよホワイトスノー
隣でいたらこうつぶやいていたでしょう
「雪……」
「よかった……」
「見れて……」
それだけで充分
『綺麗で珍しい雪を君と見れて本当に嬉しくて良かったと思うよ』
顔が赤くなって言えないから
ただの恋愛というくだらないものかもしれないけれど
わたしには特別なモノ