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第10話 追加悪の女幹部登場!! Aパート

「あいつら、マジでなんなのよ!!」


 ドン、とアムーニアが机を叩いた。


「私の邪魔ばっかりしやがって!」


 怒り狂うアムーニアを、ウーはニヤニヤしながら見つめている。


「すっかり負け癖がついてるな」


「うっさい!」


「クククッ、たしかにあの魔法少女とヘンテコなチビは手強い。なら、こちらも戦力を増やすしかあるまい」


「なにか考えがあるの?」


「ある家に強力な悪霊がいる。とんでもないパワーと知能を持つ怪物だ。こいつを仲間にする」


「ふん。なによ。そんなのに頼らなくても今度こそ私が倒してやるんだから!!」


「……期待しているよ。すべてはオロチ様のために」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 学校での休み時間中、凛がスマホの画面を見せてきた。

 ネットニュースの記事のようで、近年目撃報告が相次ぐ青いドレスの女性と、子供について書かれている。

 つまりは、私と晴子姉さんのことだ。


「また話題になってるねー。何者なんだろう」


「さあね、ただのコスプレ集団でしょ」


「でもこの人達が銀行強盗倒したり、謎の怪奇現象に襲われてる人助けてるんでしょ? ヒーローじゃん」


 やっべ、ヒーローと言われてちょっとニヤついちゃった。


「それにしてもこの変な鎧着てる子供、なんか頭悪そうだよね」


「そうかな? きっとその鎧はエゲツないほど高性能で、子供はその機能を120%発揮できるほどの大天才だと思うけど」


「ふーん。どうでもいいけど」


 どうでもよかないわい!


「てか怪奇現象といえばさ、隣町の呪われた家、知ってる?」


「なんじゃそりゃそりゃ」


「隣町に誰も住んでない一軒家があるんだけど、入ったら必ず死ぬんだって」


「ガチガチのガチじゃん」


「ガチガチのガチなんだって」


「……まさか行ってみたいとか言わないよね?」


「いやあ、さすがに死にたくないから。……でも3年生の先輩が肝試しに行くらしいよ」


「ったく、受験生なんだから勉強してなさいよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 さすがにヤバい噂のある家に行く3年生を見殺しにはできない。

 十中八九悪霊の仕業だろうし、私は晴子姉さんに事情を話して、2人で様子を見に行くことにした。


「ねり、あの子たち?」


 夜8時、私たちは公園で集合していた3人の男子たちを発見した。

 校内で見たことのあるヤンチャ系の人たちだ。彼らで間違いないだろう。

 男子たちは自転車に乗るなり、ぺちゃくちゃお喋りしながら隣町へ向かい始めた。


 よし、いつなにが起きてもいいようにロリ化して追いかけよう。


 目的の一軒家は結構な豪邸であった。

 庭が広く、門も立派で、バルコニーにはオシャレなテーブルが設置されている。

 ただ誰も住んでいないだけあって手入れはされておらず、庭には雑草が生い茂っている。


「どう晴子ねーさん、あくりょー感じる?」


 問うてみたが、答えを聞くまでもなく晴子姉さんの表情がすべてを物語っていた。

 緊張でぐっと唇を噛み締め、微かに震えているのだ。こんな反応、はじめてである。


「ねり、あそこはまずいわ。これまでの敵とは比べ物にならない悪霊がいる!」


 男子たちは門の前で記念撮影をしたり、楽しそうにはしゃいでいる。

 そのときだ、1体の悪霊が男子たちをふっ飛ばした。

 人形で、腕が触手になっている一般的な悪霊であった。


「晴子ねーさん、あれなの?」


「違うわ!」


 と、そこへアムーニアが舞い降りた。


「ふん。楽しそうに夜遊びしている気に食わないやつらにお仕置きするつもりが、あんた達もいたなんてね!」


「アムーニア!! 今日そこ決着をつけるわよ!」


「望むところよ!」


 アムーニアが新たに5体の悪霊を呼び寄せた。


「晴子ねーさん、とにかくいまはあいつらを倒そう!」


 案の定、普通の悪霊なので楽に全滅させることができた。

 アムーニアが舌打ちをし、手に黄色い棒を出現させる。

 あれがあいつの武器なのか。どういう理屈で生み出されているのか。

 不明なままだが、いよいよこいつとの因縁にケリがつく。

 そう思い気合を入れた瞬間、


「待てアムーニア」


 家の窓ガラスが割れ、2体の悪霊が姿を現した。

 1体は、ウーである。


「こいつにやらせる」


 ウーの隣で浮遊しているのは、黒く長い髪に、高校生くらいの見た目をした、美しい少女であった。

 少女は氷の刃のような眼差しで、私と晴子姉さんを見下ろしている。


「あいつらか。おいウー、本当にお前たちに協力すれば、世界を絶望に染められるんだろうな」


「約束しよう」


 晴子姉さんがグッとステッキを握った。


「ねり、あの子よ!」


 アムーニアが吠える。


「ちょ、なによあんた! いまは私が戦ってるのよ!」


 応える間もなく、少女は高速でこちらに接近してきた。

 インパクトハンドガンで撃ち落とそうと連射するも、


「かゆい」


 まったく怯む気配を見せず、ついには私の眼前に立ち、思いっきり蹴りを食らわせた。


「ぐっ!」


 私の体は吹っ飛び、そのまま地面に転がされてしまう。


「こなくそ!」


 HMMミサイルを発射すると、今度はさすがにダメージが入ったようで、少女は膝をついた。

 この隙を逃してなるものか。私はダッシュで少女に近づき、全力のパンチをお見舞いする。

 だが、


「ふん、それなりのパワーはあるんだな」


 少女は余裕そうに立ち上がり、


「消えろ!」


 手のひらから巨大な氷の塊を発射した。


「くっ!」


 直撃する前になんとかインパクトハンドガンで破壊できたが、あんな攻撃を仕掛けてきた悪霊は初めてである。

 こいつは、強い!!

話が少し進みます

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