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モブな私

作者: 末吉空緒子

初投稿です。

設定考えず、浮かんでくる情景(?)を綴ったらこうなりました。


頭空っぽにしてお読みください。

ふと気付いた。


『じゃないわ〜』


って。




何でいきなりそんな事を思ったって?


そりゃ、目の前にキラキラした集団が居て、その中の一人がどう見ても某男性アイドルグループのA君だったから。


しかもキラキラの集団には、子役からの有名なBちゃんにヒーロー出身のC君や二十代後半なのに学生役が出来るDさんとか、他にも何となく見たことがあるような人達が居て、アニメに出て来そうな絶対に着る人を選ぶ制服姿で何やら言い争いをしているんだけど‥


これって、一時期流行った学園ドラマのワンシーンだよね。


当時受験生だった私ですら、これだけは見逃せない〜!って、勉強そっちのけでテレビにかじりついてたから間違いない。


じゃないわ〜ってのは、私の存在。

ただの画面の前の一般人の私が、何故だか過去の学園ドラマの世界の一出演者になってる。


いや、モブになってるみたいなんです。






私はドラマでは名前すら出てこない見覚えのないキャラだった。


って、アレ?


そういや、ドラマを観ていた『私』って、何て名前だったっけ?

受験生だった事とドラマを観ていたって事は覚えてるのに。


河原イズとしての記憶があるって事は、転生?

ドラマを観ていた私は前世の私?


ラノベでよくある展開なんだろうけど、なぜ実写ドラマの世界に転生しちゃってるんだ私。



まぁとにかく、私が存在しているこの世界は、蘭央高校という私立のお金持ち高校を舞台にした成り上がり逆ハー学園もので、確か漫画原作を実写化するにあたって若手のイケメン俳優さんを使いまくっていた作品だったはず。


ダブル主人公のヒーローはA君as榊灯耶。高校2年。

コンツェルンの御曹司で見た目は少しヤンチャ系アイドルの一人称は俺様なやつ。

まぁ台詞はちょっとアレだったけど、アイドルだしね。


同じく高校2年で主人公のBちゃんas中崎香絵はヒロインってやつね。

親の再婚でセレブの高校に通う事になった女の子て、頑張っている姿が男子達を虜にしちゃうんだよね。

ドラマ視聴からのBちゃんファンクラブの増加現象ハンパなかったって。


んで、C君as濱田海都はクール系眼鏡の高校2年。

家は医療関係の会社の次男。

丁寧口調でクールに見えて、ヒロインを庇ってのアクションシーンが多い熱いやつ。

前年やってた某ヒーローのブルー役と重なってママ世代や熟年の女子にも人気があったんだよね。

実は、私の推しです。


で最後が、Dさんas松坂皇紀って言って、ふわっとした可愛い系の癒され男子。

小柄で髭なんて生えませんって感じなんだけど、存在感がある高校3年。

26歳の筈なのに高校生役が似合う俳優部門で殿堂入りしてたなぁ。


なんて言うか、

このドラマ世界ではみんな本物の高校生なんだろうけど、違和感あるのは前世の記憶のせい?


確か、当時本当に高校生だったのはC君だけだっんだよね。


あ、もう一つ思い出した。

前世の私が知ってるドラマ、15年ぶりに続編が作られるって発表されてた。


ヒロインを一般オーディションするとかなんとかって。


おや?

それを思い出せる私って、前世アラサー?



一番高校生から違和感ある存在なのは私か!






元アラサーのモブである私の目の前で起きてる、キラキラ集団のドタバタ劇。


どうやら榊君が中崎さんをからかっていて、それに中崎さんが反撃してるようだ。


ドラマだと、この後に生徒会顧問の男性教諭がやって来て仲裁するんだったな。


これが乙女ゲームだと先生も攻略対象とかハーレム要因なんだけど、この作品はあくまでも高校生同士のラブストーリーで、先生は本当にただの先生でしか無かったんだよね。



あ、やっぱり先生来たー。


ん?


でも何か知ってるストーリーと流れが違う気がする。

ここで榊君が拗ねて、中崎さんを置いて立ち去るのを他の二人がフォローしつつ榊君を追いかけるんじゃなかった?


なのに、4人とも何か真剣な顔で先生の話を聴いてる。


なんだろう。

知らない展開、凄く気になる。


もう少し会話が聞こえるところまで近付いてみたいけど、他のモブを掻き分けて近付くのは難しそう。


みんなドーナツ化現象の様に見守ってる。

うーむ。モブはキラキラに近付けない機能とかあるのかな。


なんて思ってたのに、急にザザッとモブの人垣が引いて私の前にキラキラ集団は繋がる道が見えた。


これでキラキラ集団の全体像が見えるね。


って喜んじゃいけない。


障害物の他のモブが居なくなったと言うことは、あっちからも私は丸見えなわけで。


ほら、キラキラ集団がこっちを見てるよ!


先生なんかご主人様を見つけたワンコみたいに嬉しそうな顔して、私に向かっておいでおいでと手招きまでしてるよ。


「河原イズ!

聞こえてるか?ちょっとこっちに来て」


あ、ご指名入りました。


ピンポンパンポーン♪⤴︎

河原イズさん、至急キラキラ集団の側までお越し下さいませ。

ピンポンパンポォーン♪⤵︎


って私じゃん!


おーい。

何故にわざわざフルネームで私を呼んだんだ、先生よ。






私は仕方なく先生の方へ向かう。

それはキラキラ集団の中に混ざる行為でもあって。


背後のモブ達の視線が痛い。

内心嫌な汗をかきながら一歩一歩と、前世でも踏み入れたことのないだろうキラキラな空間に入って行った。


「河原、急なんだが今日から生徒会の補佐に回って貰えるか?」

先生の一言に、モブ達が騒ついた。


「え?一般クラスの(モブの)私がですか?」

思わず確認しちゃったよ。


生徒会は主にSクラスから選ばれた上位5名とそれぞれに1名が補佐に就くのが蘭央高校の伝統であり、一般クラスの私に声が掛かるなんて本来あり得ないことだからだ。

そしてお気づきだろう、キラキラ集団こそが先日選ばれたばかりの今期生徒会の主要メンバーだ。



「本来ならSクラスから補佐を選ぶ所なんですが、総合成績順で一般クラスの君に負ける様な者は使えないと判断されたんですよ」


先生ではなく濱田君が話しかけてきた。

推しからの君呼び‥


はい、いただきました!

神様ありがとうございます!


嬉しさが脳内だけに留まらず表面にも出ていた様で

「‥本当にコイツ使えんの?」

眉間にシワを寄せた榊君に睨まれてしまった。


「会長ダメです!そんな言い方ないです。

緊張してるに決まってるわ。私も始めはそうだったから‥気にしなくて大丈夫よ」

と榊君を軽く叱りつけて、そっと私の手を取ったのは中崎さんだった。


ヒロインならではのキラッキラなオーラを向けられた私は思わず拝みたくなる気持ちを抑え、先生の方を向く。


「前例が無い筈ですし、私なんかに務まるとは正直思えませんが」

「いやいや、何言ってるの?アンタって、僕の去年の総合成績抜いてるからね」


ぴょこっと中崎さんと私の間から顔を覗かせたのは松坂先輩だった。

あー、そういや人の事をアンタって言う僕キャラだったわ。


けど、なんで中崎さんの手を解いて自分の手を絡めてくるかな?

可愛いけど恋人繋ぎはアウトー!


何がしたいんだこの小動物みたいの。

しかも年齢的には高校生(近くで見ても26歳が演じてるキャラには見えない)だし、これは完全なるセクハラです!






ところで、さっきから総合成績がどうだって言われてるけど何のことだろう。


私、特に目立つ容姿でもなければ成績だって中の中くらいで生きてきたモブオブモブな筈なのに。


先月の中間テストの成績だって、中の‥‥


あれ?

過去のテストの成績の記憶が抜けてる。

と言うか、中間テストやった記憶すら無いし。


「特に魔法論と結界構築論に関しては、魔法省から青田買いの声も上がってるしな」





???


ちょっと待て!


あの漫画は現代モノの普通の学園ラブストーリーだっだよね?


ここに来て『魔法』とか『結界構築』とか、『魔法省』なんて言葉が出てくるですとー!!


まるで某お隣の国のドラマな展開?

あ、いや、お隣の国のドラマは観た事ないんだけど、以前甘トークって番組で『お隣の国のドラマ芸人』ってやってた時にそんな話を聞いたからさ。


あ、甘トークの記憶も思い出した。

あれ面白かったよなぁ。


特に運動不足芸人の回なんて、喘息持ちの母親が発作起こしてあわや笑い死にか⁉︎って状態になっちゃってら、我が家では暫く甘トーク観るの禁止になったんだよね。


なんて母親の事を思い出したら、ズルズルと『私』の記憶が芋づる式に浮かんで来た。


前世だと思っていたのは前世のもう一個前の私みたいだ。

保育士してて結婚して離婚してお一人様になって近所の学習教室で働いてた普通の女の人。

子供を庇ってトラックに轢かれて即死した享年33歳。


そしたら別の世界の神様って人が現れて、何故かドラマ談議に盛り上がっちゃって、気付いたら神様が作ったドラマにそっくりな世界に転生させてもらって、ドラマ通りの展開をモブ河原イズとして体験させてもらったんだよね。


その神様がついにはお隣の国のドラマにハマって、『今度は魔法世界も混ぜちゃう予定なんだよね。せっかくだから恩恵魔法チート付けちゃうよ。ユー、魔法使い体験してみない?』って‥


あ、私。

ドラマ世界に入ったんじゃなくて、神様が作った趣味の世界に連続で異世界転生してんじゃん。






私の名前は河原イズ。


モブなのに幼い時から神様の恩恵で魔法が使えて、魔法の練度を上げる事に熱中し過ぎていつの間にかこの世界歴代トップクラスの魔法の能力を手に入れていたんだけど、元来の面倒臭がりが生じて家族にもバレない様に生きてきた異世界転生者。


けれども、隠していたその能力は先月授業中に襲ってきたドラゴン(私の魔力に惹かれて来た事が後で判明)を私一人で倒してしまった事によって学園中にバレました。


直後に魔法省から呼び出され検査されたり(水晶に手をかざしたら、お約束通り暴発したよ)作り出した魔法論や結界構築論をひたすら書かされたり(素体研究第一主義の変態供に引き渡さない代わりに、魔法省の一室に缶詰めにされたよ)、そんな目の回る忙しさで現実逃避と思考停止直前の状態で、ようやく解放されて登校したのが今日でした。



神様見てるんでしょ?


魔法チートだと楽しんで予想以上の魔法を使える様になった私に非がないなんて言わないけど、私の暴走を止めて欲しかったなぁ。


予定ではもっと静かな感じで、この世界を楽しむつもりだったのに。


裏でコソコソと推しメン助けたり?

ヒロインを揶揄うヒーローに微妙なお仕置きしたり?

アレな先輩が本当はアレじゃないのか観察したり?


あくまでもそーっとキラキラ集団を見守れる力を手に入れたつもりだったのに。


私は、魔法省にも認められる存在としてキラキラ集団の仲間入りをする事になったらしい。


「河原イズ!何をボーッとしてる。

お前は今から俺様専属として扱き使われると思え」

まさかの補佐する相手は俺様榊君でした。


せめて推しの濱田君の補佐でお願いしたかったよ。


そして松坂先輩、いい加減に手を離してくれないでしょうか。

さっきから中崎さんが顔を赤くして、我々の手を凝視してますから。


なんなんだこのカオス。

私、この先モブに戻れるの?


神様、さっさと出て来いや〜!!

神様は見逃しドラマを視聴中なので『私』の呼び声に気付きません。


というオチでした。


着地点の不明な綴り話を、最後までお読みいただきありがとうございます。


投稿するという行為だけでプルプルと崩れて行く様な豆腐人(貴腐人とかいう存在とは似ても似つかぬ生き物トウフビト)ですので、誤字脱字のみを受け付けさせてもらいたいと‥


ダメとか言わんでください!!


その前に、その辺りの設定が分からんから暫く放置になりそな予感。



とりあえず今モソモソと、モブじゃなくなった『私』の話を書いています。

メンタルが崩れ去らずに何となく着地点が見えたら、また短編で投稿するかもしれません。


あくまでも予定。

そして予定は未定かもしれない‥

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