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『赤ずきん』の慟哭
―――私はどこで間違ったのかな。
雨の中の森の中で呟く。
ここには狼さんはいない。
狼さんは頭だけ地面に転がっている。
ここにはお婆さんはいない。
狼さんの隣で腹を矢で撃たれ血が出ている。
ここには猟師さんはいない。
口に矢を加え目を見開いて顎から血を流している。
ここにはお母さんはいない。
頭を斧で割られている。
誰が知ったのか。
―――不明。
何が狂わせたのか。
―――明白。
私は知っていた。
この後の結末を。
私は知っていた。
結末を変える方法を。
私は知らなかった。
行動が違えば結末も違う事に。
―――だから、これは私が終えないといけない。
答えはついている。
目星はついている。
ならば―――私は決着をつけなければならない。
童話のように単純に。
童話のように残酷に。
復讐と言う葡萄酒よりも耽美の禁忌に酔おう。
肉のように病みつきな殺人を行おう。
そのためなら―――私は赤いずきんを着よう。
赤いずきんは私の印。
赤いずきんは私の戒め。
―――赤いずきんは、私の復讐の証。
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