出会い
アルギンが走った先にはたくさんの荷物の積み重ねられている馬車が3匹のリザードマンに襲われている光景があった。馬車の周りでは、大きな盾を持ちながら戦っている男性と剣一本で戦っている男性と少女、その三人が前衛。一人の女の子が後衛で魔法を撃っていた。
アルギンから見ると、リザードマンが押していた。チームワークがなっていない。男性二人が少女二人を妨害している。
「おい、女!邪魔なんだよ!」
「しっかりと俺たちに合わせろ!」
男性たちが少女たちに吠える。その言葉に気の強そうな剣をふるっている少女が怒って返す。
「あんなたちが邪魔してるんでしょ!私はしっかり合わせに行ってるわよ!」
「嘘つけ!女は弱いから邪魔だ!」
「そんなこと言いながら苦戦してるじゃない!」
「それはお前が連携を無視してるからだ!」
「私のせいじゃないわよ!」
このまま行けば最後には襲われて終わるだろう。そんなことを思ったアルギンは助太刀に行こうと長剣に手を添える。
次の瞬間剣を振っていた少女が一人の男に突き飛ばされ、コボルトの目の前に突き飛ばされる。かなり強く押されたのかすぐには立ち上がらない少女。
「サリアちゃん!」
後ろから魔法を撃っていた少女が叫ぶ。リザードマンが立ち上がれない少女に錆びた剣を振り落とそうとする。
次の瞬間、アルギンはリザードンの首を飛ばしていた。アルギンは後ろを向いて、こけている少女に話しかける。
「大丈夫?ケガしてない?」
「はい」
ポカンとした表じゃうでつぶやく少女。
「それは良かった。ちょっと先にあのリザードマンを倒してくる」
アルギンは今だ頭が追い付いていない少女をほったらかして残り二人男が相手をしていたリザードマンの首を刎ねる。そして、獲物をとられた男たちは口をポカーンと開けていた。
その二人をほっておいてアルギンは再び剣の少女のところに行く。少しケガをしていたみたいで魔法の少女に治癒魔法をかけられていた。アルギンが近づくと治癒魔法をかけていた少女が勢いよく立ち上がり、何度も何度も頭を下げて礼を言ってきた。
「ありがとうございます、ありがとうございます、ありがと、うござい、ます」
最後の方は涙声で震えていた。しかし、アルギンは勢いで倒してしまったところもあるので、なんの準備もなく初めて知らない人との会話にどう答えればいいのか困っていた。初めて話す家族以外の人。しかもその相手は女の子。さらに追い打ちを掛けるかのごとく泣いている。
アルギンは家族みんな強いので泣かれるほど感謝されることなど今までなかった。しかも知らない人とは話したことがない。なんと話しかければいいのか分からない。出来るだけ不自然の内容に話す。
「どどどど、どういたしまして、でいいのか?」
頑張ったアルギン。しかしそれは報われずキョドリまくっていた。
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私の名前はサリア。冒険者をやっている。
そんな私が冒険者になった理由は親がいないからだ。昔両親に捨てられ、孤児院に入れてもらった。孤児院に入った子供たちは成人する15歳までには、何か職業を見つけて出ていかなくてはならない。
私が冒険者になろうと決意したのは6歳の時に読んだ英雄の物語を読んだ時だ。この本を読んだとき私もこんな英雄になりたいと思った。そして、お母さんが元騎士だと聞いたときは剣を教えてくださいと頼み込んで教えてもらった。
お母さんは血は繋がっていないけど、小さいころから私にやさしくしてくれた。しかし、この時だけ少し険しい顔をして言われた。「冒険者なんかやめなさい!」って。
でも、私が一生懸命に話すと観念してくれたのか教えてくれた。その時、友達のミアが一緒に冒険者になると言い出した時は私もお母さんも一緒になって驚いた。
剣をお母さんに教えてもらっていると、お母さんが自分には才能があると教えてくれた。その時からさらに鍛練は厳しくなっていった。
一方、ミアの方はというと剣の才能がなかった。だから、遊ぶ半分で魔法の本を読んでそのまましたら使えたらしい。魔法は体内に持つ魔力によって発動する。でも、本を読んだだけでは使えるものではないとお母さんが言っていた。そして、ミアは魔法の天才だとも。
私たちは切磋琢磨するように鍛練をやった。そして、去年の私たちが14歳になったとき冒険者デビューした。私たちにはかなり才能があったらしく、一年間でDランクまで駆け上がった。これは今までに10回あるかどうかくらい早いものらしい。それで私は普通の人にはない才能があるのだと思った。でも、それが間違いだった。
調子に乗った私は自分たちの一ランク上のCランクのクエストに手を出した。最初はかなり反対していたミアも、説得すると納得してくれた。
初めてのCランククエスト。商人が隣町まで行く、3日間護衛をするというものだった。いろいろ初めてだった私はかなり舞い上がっていた。大人の男性二人と一緒だというものなので安心もしていた。けど、その二人は極度の女性差別の人たちで、いきなり突っかかってきた。私たちのことをグチグチうるさく言ってきたから言い返したら、また言われて初日から口喧嘩にまで発展した。
ミアに宥められ、喧嘩は落ち着いてたものの私は二人に嫌悪感を態度で表していた。対して二人もそうだった。でも、良かったことは全然魔物が襲ってこなかったことだろう。出てきても、弱い魔物、ゴブリンやコボルトだった。男ども二人が全部倒した。
しかし、そんなとランクCのリザードマンが三匹襲ってきた。後衛のミアを守りながら戦っていた。でも、リザードマンは強く押し切ることは出来なかった。そんな状況で連携などしない男二人。そのせいで押されていた。私のほうが強いのに挙句の果て邪魔とか言ってきた。
仕方なく私は二人に合わせて戦っていた。けど、あの二人は無茶苦茶の動きをして合わすのが大変だった。そんなとき、大きい盾を持っていた男が勢いよく私を突き飛ばした。リザードマンの目の前に。私はその時の衝撃で足首を捻って立てない状況だった。目の前には今から私を殺す剣が迫っていた。もう、死ぬんだと思った。目を瞑った。でも、いくら待っても痛みは襲ってこなかった。
目を開けると目の前には自分と同じくらいと思える少年がたっていた。そして、彼の前にある首と体が分かれているリザードマン。助かったんだと分かった。
ありがとうと言おうとしたとき彼は自分にケガがないかと心配してくれた。右足首の痛みをこらえて首を振って今度こそお礼をを言おうとしたら、野菜買ってくるみたいな雰囲気でリザードマンを倒してに行ってしまった。彼が剣を振る姿に不覚にも見惚れてしまった。
これが私と彼の初めての出会いだ。