コトバ
明かされる世界の謎に静流驚愕!
「よし、死ぬか」
静流は10分ほど歩いたところで完全に諦めていた。
実は先程、破けた靴下を道の真ん中に置いておいたのだが、直進した結果、元に戻ってきていることが発覚したのだ。
つまるところ、最悪のオチである出口無しだったのだ。
何だこのクソゲー! と、悪態をつきながらあぐらをかいた静流は、死に方を模索する。
「うわぁ、いざ死ぬとなったら死にたくねぇ……」
石壁に頭を打ちまくる作戦は怖すぎて断念。舌を噛み切る大作戦も怖すぎて断念。
死ねない。死にたい。死にたくない。
そんな、訳の分からない三単語に頭をごちゃごちゃさせながら髪の毛をかきむしった時だった。
『おーい、誰だー、俺の言うこと聞かない野郎はー』
「……?」
声の主は暗闇の先。
コツコツとブーツ音を鳴らしながら近づいてくる者の声には聞き覚えがあり……。
「どうも、聖騎士団長ターヤです」
「いや達也だろ」
キリッとしたキメ顔でそう自己紹介する男は、達也そのものだった――
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「悪いな達也……ちょっと色々あってよ」
バツの悪そうに目を逸らしながらボソボソと話す静流に対し、達也はため息を漏らしながら口を開く。
「まぁ、知ってたけどな静流が来ることは……あと名前はターヤな、こっちの世界ではターヤだ。ダンジョンとかはまぁ百歩譲ってあれだが、普段はターヤって呼んでくれ、あと聖騎士団長は嘘な」
「ほーう、しっかりゲームプレイヤーしてますなぁ! ……聖騎士団長の件はスルーで」
「スルーはひでぇぜ静流……ん? てか静流も初期設定で名前設定できたろ? あれ……しず……く?」
静流の頭上を見ながら首を傾げた達也は、何かを察したように詳しく話せと真剣な顔になっていた――
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「なるほどな、つまり妹の代わりに来たってことか……こりゃ参ったことになったな……」
「なんかやっぱあんのか……」
手短に妹のカードで来たことを説明すると、達也は唸りながら頭を悩ませていた。
「あのな静流。前にこのゲームにルールがないって言ったの覚えてるか?」
「あぁ、確か忠告してくれた時だよな」
そうだと頷いた達也は、考え深そうに腕を組みながら正式にはちょっと違くてなと目を瞑る。
「え、どういうことだよ、今んとこチュートリアルもなくて、俺全くこの世界わかんねぇんだよ」
「あぁ、チュートリアルなんてないさ、何せ、この世界の言葉をわかるやつは一人もいないからな」
「は?」
衝撃の真実に静流唖然――
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