迷子
分量だいぶ短くなってしまいましたが、次回あたりから多くなってしまう匂いがしたので許してくださいm(*_ _)m
――達也のライフ残り約30分
どれほど歩いただろうか。
先の見えない暗闇が、何分もの間静流を襲っていた。
「どれくらい歩いたんだ俺……」
靴下が所々破け、血も滲み始めている静流は、こりゃ本格的にまずいと冷や汗をかく。
幸い、寒い、暑い、などという気候的な問題は全くなく、過ごしやすい環境なのが唯一の救いだ。
「さてさて、もうそろそろ出口っぽいものを見たいんだが?」
曲がっては直進、曲がっては直進を繰り返す静流は、足の痛みに耐えながらも前進する。
――5分後
右側の壁に手を添えながら歩く静流は、やっぱりこれじゃ効率悪いかと嘆きながら座り込んでしまっていた。
「まぁここが何かしらの入り組んだ場所なのはわかるが、それにしても入り組みすぎだろ!」
本来ならば通った道に目印などを付けたいところだが、アイテム無しの静流には厳しいものがあった。その為、迷路などでは最強のテンプレであり、絶望的に効率の悪い、どちらかの壁に沿って歩き続ける戦法を採用していたのだが、この戦法の弱点である、迷路が大きければ大きいほど効率が鬼悪い、に引っかかってしまったようだ。
まぁ最悪、出口が無いというゴミのようなオチも考えられるのだが……。
そんな事を思いながら石壁にもたれ、冷静になった静流は、更にとんでもないことを思い出してしまった。
「待てよ? 元の世界どうやって帰んだ?」
盲点の極み。
行き当たりばったりが仇となった瞬間である。
この世界で死んでもリアルで死ぬことはないと分かっていても、死にたくないものである。
「こりゃ、休んでる暇無いな……さっさと出口探さねぇと餓死しちまう!」
己の体に鞭を打った静流は、溜息をつきながらも再び歩みを進めるのであった――
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――ダンジョン入口
「さて、紗奈もログアウトさせた事だし……探すか」
ダンジョンの入口でそう呟いた達也は、全速力で大都市へと向かった――
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((。´・ω・)。´_ _))ペコリン