行き方教えて下さい……
前書きって何書けばいいのーー!!!
私の好き食べ物はきゅうりの漬物です!
確実に間違えてるな……
――達也のライフ残り10時間
「………………朝か」
ソファに寝っ転がりながら腐った顔をする静流は、雀のさえずりを聞きながらそう呟いた。
昨日からずっとSPゲームのやり方を模索していたのだが、異空間への行き方がわからず、徹夜で悶絶していたのだ。
「やっぱり本人じゃないと行けないのかこれ……」
雫と書かれたカードを見ながらそう呟いた静流は、今日も元気(仮)に学校へ向かうのだった。
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――昼休み
「おい静流。さすがに寝すぎじゃね? てか今日顔みてないぞ?」
「……………………」
机に突っ伏したままの静流に、大丈夫かよと声をかける達也。
周りのクラスメイトがそれぞれのランチを開始する中、静流だけお腹を鳴らしたまま動いていないのを見て、さすがに心配したのだ。
「寝るのはいつもの事だが、飯は食わねーといけねーぞ静流」
「あぁ、分かってるけど……今日弁当忘れたんだ…………」
「ったく、財布も忘れたってことか……しゃーないな、俺が購買になんかあったら買ってきてやるよ」
「……わりぃな」
そう言って達也は駆け足で購買へと向かった――
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――購買
「すいませーん、あんぱん2個とメロンパン1つくださーい」
「あいよー」
1階にある、おばちゃんが1人で営業している購買で、達也は奇跡的に残っていたパンを全て頼んでいた。
いつもなら昼休み開始すぐに売り切れてしまうのだが、くまのキャラクターが描かれたあんぱんと、『メロン』と焼印がされているメロンパンは売れ残っていた。
「まぁメロンはいいとして、この絵は買うの抵抗あるわな……」
そんなことを呟きながらおばちゃんからパンを受け取った達也が、早く戻って食べさせねぇとなと駆け足で教室へと向かおうとした時だった。
「ねぇターヤ! 今日は私の素材集めね!」
「……っ!? おい、紗奈! その名前はあっちの世界だけだって言ったろ!」
「あ、そうだった……! めんごめんご!」
後ろから達也に声をかけたのは、茶髪をポニーテールにした小柄な女の子。
ブレザーの下にパーカーを着るタイプの女の子だ。
笑いながらうっかりうっかりと謝る紗奈に、チョップを食らわせた達也はため息をつく。
「あぁ、昨日の借りもあるしな、ちゃんと今日は最後まで付き合ってやるよ」
「やったぁぁ!! じゃあ今日の夜ねぇ!」
「はいはい、それまでにテスト勉強しとけよぉ? またお母さんに怒られるぞ」
「ぐっ……。少なくとも達也だけには勉強のことは言われたくない……」
「同意」
そう言って、達也も少しは勉強しなよー! と元気よく走っていく紗奈を見送ったあと、達也は改めて静流をSPゲームに巻き込みたくないと思っていた。
紗奈をSPゲームに巻き込んでしまったのは達也本人。その時は無知だった為、面白そうと言うだけで教えてしまったが、今では死ぬほど後悔している。
達也は紗奈にSPゲームの深い話はしていない。きっと言ったらあのお転婆娘は、お金! マネー! と、天然的に闇に染まると思ったからだ。他のSPゲームプレイヤーはお金も貰えて楽しいゲームとでも思っているのかもしれないが、達也は勿論そう思っていない。
「こんな簡単にお金が貰えるシステムなんてあるわけねぇ……それに……」
幾度と無くゲームをしてきた達也は薄々勘づいていた。
いくらβ版と言えど……。
「まだこのゲームは何も始まっていない」
と。
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一方その頃静流は。
「悪いな達也……」
黒光りするイヤホンを耳につけた静流は、これで俺も行けるかもと、怪しすぎる笑みを浮かべていた――
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