初恋
感想欲しいなぁ……( ; ᯅ ; `)
――夜
客人用の部屋に案内された静流は、一目散にベッドへ飛び込む。
今日という一日でどれほどのことが起き、どれほどの人に会ったか……。
まだ夢の世界なのではないだろうかと考える静流は、現実なんだよなぁと頬を抓る。
「なぁ、リイスー。なんでそんな怒ってんのー」
《…………ふん》
「えー」
何故かずっとへそを曲げているリイスに話しかけた静流は、俺リイス居ないと一人だから寂しいんだけどー、と、誰もいない部屋に響かせる。
それでも、うるさいです。とそっぽを向く(わからん)リイスに、静流はごめんなさいと寝返りを打つ。
「まぁとりあえず、プレイヤーには会っておきたいよなぁ……」
この家は地球でいう警察署と同じわけで、色々な依頼者がくる。
もちろん今日も何人かの依頼者が来たが、皆この世界の住人だった為、話すにも話せなかったのだ。
「プレイヤーならすぐ仲良くなれる気がするんだけどなぁ……」
どれほどの数のプレイヤーがいるのかも分からない静流は、意外に会えなかったりするのかな……と、ネガティブな考えが次から次へと湧き上がる。
まぁ、考えても仕方ないかと頭の後ろで腕を組んだ静流は、窓から差し込む月明かりを見ながら、目を閉じた――
「しーーずるくーーん!」
「なぁぁぁぁにぃぃ!! じゃねぇんだよ! 今何時だと思ってんだっ!!」
某ジ〇リの某作品、ト〇ロの一部みたいなやり取りをした静流は、ベッドから跳ね起き、扉を開ける。
もう声からして誰かは分かっていたのだが……。
「静流くん。一緒に寝よっていったじゃん!」
「……ひっ!」
下着。
もうそれは下着ッ!
スケスケの白い羽織に、赤い下下下下下着!?
ブラに、パンツに、太ももに、谷間に、目が一瞬釘付けになった静流は、あたたたたと自分の目に人差し指を突き刺す。
「おま、お前、な、なんだその格好!」
斜め上を見ながら声を震わせる静流を見たモモは、ニヤニヤしながら体を近づける。
「んー? もしかして私の体に興奮してるのー?」
「ば、ばばばばーろー。この貴公子の俺がしてるわけねぇだろうがぁ!?」
「ふーん。別に……静流くんが良かったら、触ってもいいんだよ?」
「え、いいの?」
流された。
鬼流された。
理性とか人気配信者のコメント欄並に流された。
考えてみて? これ現実じゃないし。大丈夫じゃない? うん触ってもいいよ。てか、触ってって言われてるんだし……いや、触らない方が失礼でしょ。
そんな都合のいい解釈をしまくる静流が、やっちゃうよぉ!?と手をわきわきさせた時だった。
脳裏にある女の子の顔が――
(ま……愛美……!?)
それは静流がずっと片想いしている女の子……。
黒髪ロングで清楚の極み。
性格は少し天然で優しくて、女の子らしい体つき……。
(静流くん……私の事なんてもういいんだ……愛美……ちょっと悲しいな……)
愛美の声で勝手なセリフを脳裏に流す静流は、いやぁぁぁぁ!!! と頭を振る。
(俺……やっぱり愛美の事……好きなんだよな…………っ!)
愛美の事を思いだした静流は、やっぱりダメだ! と、右手の動きを止める。
左手はちょっと動いてた――
そんなことなど梅雨知らず、モモは静流に抱きつきながらお胸を擦り付け、甘い声を出す。
「静流くんに……ここ揉んでほし――」
「モモうるさい……」
「イタッ!」
いつの間にか部屋に入ってきたソティアに頭を叩かれたモモは、いたたたた、と頭を抑える。
「ナイスタイミングッ! 危うく俺の初々しい体が汚れるところだったぜ!」
深く感謝だぜ! と、ソティアの手を握りながら頭を下げる静流。
なんで一緒に寝たらダメなの! と、駄々をこねるモモにもう一度空手チョップを食らわせたソティアは、顔を少し赤らめ一言、
「…………ばか」
「え……?」
と、言い残したあと、うだうだ言うモモのブラを引っ張りながら部屋を出て言った――
「なんか……俺皆から馬鹿って言われんだけど…………傷つくよ?」
部屋に1人取り残された静流は、やっぱり揉めばよかったかなぁ……と少し後悔していた――
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