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氷姫とおっちょこちょいな娘

新キャラ登場よー!( ̄^ ̄ゞ


「ちょ、おいおい大男!?」


『ウウウウウウウゥゥ……』


 大男は影に完全に飲み込まれていた。


 唸りながら大剣を構え、こちらを向いて不気味に笑う大男。目は完全に漆黒に染まっており、飲み込まれてしまったことがひと目でわかる。

 そんな大男を見て静流が、これさすがに不味くね!?おい何とかしてくれよ! と、大男2、3の肩を叩いた時だった。


「…………んん!?!?」


 静流が叩いた左側の大男3が、サラサラと変な音を立てて砂へと姿を変え……。


 あっという間に消滅した――


「いやなんだこれ!!! 俺なんもしてねぇぞぉぉ!?」

 

 すーっと消えた体を見てワタワタしながら叫んぶ静流の後ろの建物から、杖を持った黒髪ボブの女の子と、その後ろを待ってぇっとつまづきながら走ってくる緑髪のツインテール少女が現れた。


「ううう、ソティアーー!! 私のまた壊れちゃったよぉ!」

「大丈夫。私が全てやるから、任せて」

「うううう、ソティア好きぃぃ!!」


 ソティアと呼ばれた黒髪ボブの子は、転びまくる後ろの女の子を置き去りに走った後、右手に持っている青い宝石が先についた杖を空高くかがげ、


「我が元に帰れ……映し身の魂よ…………」


『ウウウウウウウ??』


 ソティアの言葉に反応した大男の体は、透けるように消えてゆく。

 先程の大男3の消え方とは違い、オーブの様なものがホワホワと現れ幻想的だ。


「ちょ、おいおい、誰だよあんたら!」

「あなたこそ誰ですか……私たちの邪魔をしといてよくそんな事言いますね……」

「ギクッ!」


 高火力カウンターに、あいやー! と目を背ける静流に対し、ソティアは戦闘に集中する。

 少しづつ消えていた大男の体がいよいよ完全に消え、中から行き場を失なった影が唸り声を上げながら現れた。


『ウウウウウウウゥゥ!!!』


「おいおい、何してんだよ! 激おこじゃねぇか! ちゃんと倒してくれよ!?」

「グチグチうるさいですね……元はと言えばあなたが全て悪いのに……私……あなた見たいな人嫌いです……」

「いくら初対面でもその言葉は傷つくぜ!?」


 はぁ。とため息をついたソティアが静流の言葉を無視し、さっさと終わらせる……。と一言呟いたあと、杖の先を影へ向け、


「ごめんね、もうあなたは死んだよ……」


『ウウウウウウウッ!』


 ソティアの宣戦布告に怒りを覚えたのか、影が次はお前の体を乗っ取るとばかりソティアに唸りながら高速で近づく。しかし、ソティアとの距離が約2メートル程になった時だった……。


「入っちゃったね……さよなら…………」


『ウウウウウウウゥゥ?』


 ソティアは冷たいようでどこか悲しい目をしながら一言、氷結の魔法を発動させた――


絶対氷域(アイスケージ)……」


『ウウウウウウウゥゥッッ!!??』


 魔法発動と同時にソティアの周りから虹色の氷が地面から突き出し、幻想的な檻をつくりあげた。

 誰もソティアには触れることが出来ない。

 誰もソティアに攻撃することが出来ない。

 それがソティアの魔法。絶対氷域(アイスケージ)だ。

 檻の中にいるソティアは、ただ呆然と影を見つめる。少しも触れることが出来ない影は驚きともどかしさをごちゃ混ぜにした声を上げながら、檻を無理やりこじ開けようとする。


『ウウウッッッッッッッッ!!』


 しかし、檻に触れたところからビキビキと氷が草の根の成長のようにまとわりつき、全身に絡みつく。


「大丈夫。苦しくないよ」


『ウウウゥゥゥゥ!!!』


 優しい言葉の裏にある恐ろしさに気づいた影がいよいよ無我夢中に暴れ出す。

 体の至るところから棘のような影を出すが全て檻に触れる度に氷漬けにされていく。


『ウウウウウウウッ! ウウウ!!』


 あっという間に一歩も動くことが出来なくなった影は、徐々に徐々に氷に体を支配されていき、


『ウウウ………………』


 完全に氷漬けになってしまった――


「な、なんて強さだ……あの子敵に回したら終わる……」


 大男2の後ろからずっと見ていた静流は氷結の女にびびり散らす。


 が、しかし!


 静流は飛び出していた。


(俺がここでアイツにトドメ刺して経験値貰ってやるぜ!!! うひひひひっ!!)


 なんとも言えない。もうただただゲスかった。


「さて、トドメ刺さないとね……」


 一方ソティアは魔法を解除し、左手でデコピンの準備をする。

 これがソティアのお決まりパターンなのだ。

 誰にもさわらせることなく氷漬けにし、デコピンでクールに倒す。

 ソティアの性格にあった超黄金ルーティン。

 そんな2人が氷漬けの影に近づいた時だった。


「ソティアー!!! やったねぇってうわぁぁぁぁ!!!」


 数十メートル進むのに五分くらいかかるどんくさい女の子がやっとソティアの元にたどり着いた時、目の前で壮大にまた転け……。


『ゥゥ……』


 転んだ拍子に投げ飛ばされた緑色の杖が氷漬けの影にコツンと当たり、


 崩壊した――


「「あ……」」

「やったよ! ソティアちゃん! 私やったよ!!! 私だって本気出せば色んなこと出来るもーん!!」


 静流とソティアが2人揃って口を開けながら、同じことを思っていた。



 天然には勝てん……。



 と。

 

 

 

お読み下さりありがとうございます!


宜しければブクマなどなどお願いしますー!(⋆ᵕᴗᵕ⋆).+*ペコ

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