主人公静流いきますっ!
フンス( ´ ꒳ ` )=3
「どっこいしょっとぉぉ!!……あれ?」
目の前には見慣れた大きな石壁が……。
「ちょまって、まさか最初からとか言わないよなぁ!?物語進まなすぎだろ!」
そう石壁に思いっきり蹴りを入れながらグチグチ言っていた静流が、またマリアを助けなきゃならねぇのか? と頭を悩ませていた時だった、
《主様お帰りなさいませ、見事な死に様でしたね……》
脳内にはそんな聞きなれた声が――
「おおおおお! リイスちゃぁぁぁんんんんん!!!! 好きだよー! ずっと一緒にいよぉぉねぇぇ!!」
《キモッ…………まぁ、主様がどうしてもと、仰るなら……まぁ、まぁ? いいですけどね!》
「うんうんうんうーん!!」
抱きしめる人がいないため、己の体を抱きしめた静流は、リイス好き好き! と叫んだあと、ふと我に返り、
「ん? てことは俺、死んだところからリスタートしてるってことか?」
辺りを見渡し、先程自分が落ちて死んだ場所だと理解した静流は、その場に座りながらリイスに質問する。
《はい、一応最初のリスポーン地点は死んだ場所になっていますが、リスポーン地点は変えることができますよ、まぁその間時は進み続けるので、直ぐに戻らないと続きからとはいかないと思いますが》
「なるほど……早く来たつもりでも若干のラグがあるから、もうマリアはいないのか……」
辺りを見渡しマリアがいないことを確認した静流は、唸りながら今後の計画をリイスと立てることにした。
現在いるのは商店街のような所と石壁迷宮の中間で、少し木が生えているところだ。
少し足を伸ばせば商店街に入ることは出来る為、己の能力で少しはこのゲームの事を知ることは出来るかもしれないが……。
「でもなぁ、やっぱりプレイヤーに会うのが1番早いよなぁ」
結局のところこの世界のルールはプレイヤーが決めているものが多い訳だし、それに、万が一ご法度などに触れてしまったら痛い目にあうのが目に見える。
その事からも下手な行動は出来ないが……。
《主様、まずは街の人達に話を聞きながら、マリア様とプレイヤー様を探すというのはどうですか?》
「うむ、それだな」
確実に効率の良い進行方法をリイスに促された静流は、そうだなと立ち上がる。
「さぁさぁ達也! 俺たちの冒険を始めようぜ!!」
今は亡き親友はいつも心にいる。己の首にかかっている黄色のペンダントはいつも暖かい。
俺はひとりじゃない。やって行ける! この世界でも! と、街に向かって主人公っぽく走り出す静流!
俺かっこいいっ!
「どんなバケモンでも俺がやってやるぜぇぇぇぇっ!!!」
『おいおい、なにをやるって? 俺たちを殺るってか?』
「……ひっ」
木々をぬけ、商店街に足を踏み入れた静流との最初の出会いは、
果物屋のおじさんの胸ぐらを掴む大男達だった――
追記
おじさんの顔は原型がなくなるほど腫れちゃってた。
お読み下さりありがとうございますー!
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