招待
前書きって何を書けば正解なのだろう。答え求む!
――達也のライフ残り2日
「さて……どうしたものかな…………」
静流家にて。
両親が海外に出張中の今、静流の家には妹と静流しかいない。無駄に広い3階建ての一軒家は、2人では使い切れないほどの大きさだ。
しかし、昨日から妹は部活の合宿のため家におらず、ここ1週間は静流1人の家となっている。
「まさか本当に招待が来るとはな……」
静流の手には《SPゲーム》β版参加券と書かれた厚紙があり、そして、見覚えのある語句が並んでいる小さな紙があった。
「異空間ねぇ……まぁいいんだけど、問題なのはこれ、俺宛じゃねぇって事なんだよなぁ……」
そう言って厚紙を裏返し、右下に書かれた高梨 雫という文字を見てため息をつく。
静流家にあったこの招待状、達也が言っていたスマホに届くパターンではなく、家に届くパターンだったのだ。正確には雫の部屋から出てきたものなのだが……。
「くっそ、よく見たら封筒の裏にも名前書いてんじゃん……」
中身が取り出され、空となった白い封筒を手に取りながら再びため息をつく。
ちなみに封筒の中には、達也に見せてもらった安心安全と書かれた胡散臭い薄い紙と、《SPゲーム》β版参加券と書かれた厚紙、そして、
「これがゲームで使う免許証的なもんか?」
最後に1つ、高梨 雫(女)と書かれたカードが入っていた。黒をベースとしたカードだが、そこにはQRコードのようなものと名前と性別しか書かれていない。
以上の3点が入っていた訳だが、静流の中では1つの決心がついていた。
「俺の大切な妹を変な世界に行かせるわけには行かん! 俺が行く!」
という建前で静流は達也の忠告を無視し《SPゲーム》β版をやることを決意したのだった――
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