赤髪の美人はえどかった
こんなえどい系なキャラになる予定じゃなかったのに!!!
「いいか静流、ステータスの偏りは面白いと思うし、個性があっていいと思う……が! どんなステータスにも意味があって欠けちゃいけないものなんだ、いくら強く殴られても腕が折れたら意味ないだろ?」
「かぁぁ、攻撃力MAXで無双するのはやめた方がいいってことかよー、しょっぺぇなぁ」
そう言ってTVゲームのコントローラーを置いて大の字に寝そべる静流に対し達也は、攻撃特化はいいが、攻撃だけは良くないって話だよと笑った。
そんな眩しい笑顔が静流の前で蜃気楼のように揺れたあと、視界が徐々に狭まるようにゆっくりと消え――
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「だぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「ひゃうんっ!」
何かを思い出したように勢いよく起き上がった静流は、弾力性のある何かに顔面をぶつけ、反動で元の位置に戻らされた。
なんだ!? とゆっくりと目を開けた先には、菊の花の模様が描かれた赤色の布。
そして、
大丈夫ですか? と、ひょこっと現れた美人さん……。
「ひょあっふぉぉぉぉぉっ!!!」
「本当に大丈夫ですか……?」
変な声で叫ぶ静流に対し、冷静な顔を崩さない美人さんは、凛とした態度で静流の顔を覗く。
横髪を耳にかけ、キリッとした目で見つめられた静流は、緊張のあまり硬直する。
目元にあるホクロがより色気を底上げしているのか、どこからどう見てもエロかった。
「あ、あの……あなたは!?」
と、上擦った声で質問した静流に対し、己の爆乳を右手で抱きしめた美人さんは静流の髪をゆっくり撫で、
「私はマリア、マリア・ガーネット……さっきは私を助けてくれてありがとう……」
「い、いえ!?べ、別に当然ですよ! ははは!」
コミュ障だった。
まともに女の子と話してこなかった静流の弊害がこんな所で出てしまった……。
自分の不甲斐なさに泣きそうになりながら、さっさと膝枕から離脱しようと、いやいやこちらこそすいませんねぇと、もう一度起き上がろうと体に力を入れた時だった。
「ひゃん!」
「ふぁ!?」
先程の冷静な凛とした声はなく、もうそれはなんというか……ダメなやつだった――
「あ、あんまり動かないで……。変な気持ちになっちゃう……んあっ!」
「いやいやいやいやいやこれ以上やったら規制かかっちまうからぁ! R18になっちゃうからちょっと黙って!?」
もじもじしながら顔をあからめる爆乳マリアは、顔と声からは想像できないくらい感じやすい体だった――
《主様喜んでる……変態…………キモッ》
「ちょ、ちょっとお前は黙ってろぉ!?」
すこぶる引いた声のリイスに慌てた静流は、反射的に達也に謝っていた。
(ごめん達也……俺この世界が好きだぜ!!)
性は人をダメにする――
そんな言葉が静流に突き刺さるが、静流は心で反論していた。
性は全てを無にし、その一瞬全てを忘れられるから俺の勝ち。
と――
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マリアのキャラ好きな人リアクションかもんぬ……ちょっとこのキャラでいいのか心配なんじゃ……