英雄の反動
すいませんバタバタしてて全然更新できてませんでしたァァァ<(_ _)>
――そんなこんなで一段落した静流とリイスは、街を目指す事にしていた。
「はぁ、ここどうやって抜けれんだぁ? もうぐるぐるするのはごめんだぞ……」
《確実にここはティエールのはずなのですが……》
完全に見飽きてしまった巨大な壁を見ながら呟く静流は、頭の後ろに手を組みながらゆっくり歩く。
そんな静流を見て申し訳なさそうに話すリイスは、基本、大都市であるこのティエールにプレイヤーは転送されると教えてくれた。
そのため、現在ティエールのどこかに静流達はいるはずなのだが……。
「くっそぉ、リイスも分からないんじゃお手上げだなぁ」
《ぐ……申し訳ありません主様……私のせいで……》
「いやいや、リイスのせいじゃねぇよ。強いて言うならこのゲーム作った運営が悪い!」
地形を覚えるのが大の苦手なリイスは、小さい声で何度も謝罪する。
このことからも分かる通り、アドバイザー1人1人に人格がある故の問題は、リイスが先程言っていた万能ではないという言葉にたどり着くのだろう。
もう謝るなよぉと笑いながら言う静流は、リイスの為にも諦めずに壁を触りながら歩く。
そうして、目の前の角を曲がった時だった――
少し先の壁の向こうから、何かが飛んで来るのが見えた。
「ん? なんだあれ」
着物のようなものがどんどんと加速して落ちてくるのが見える。
馬鹿力の誰かが壁の向こうから着物でも投げたのかと思ったが、すぐにそれは否定された。
「え、あれ女の子か!?」
気を失っているのか声1つ上げないその子は、長い赤髪をなびかせながら真っ逆さまに落ちていて、華奢なその体が数秒後ぐしゃぐしゃになるのは容易に想像できてしまう。
「くっそッ!!」
女の子に気づいた静流は弾かれるように走ったが、200メートル程の距離を、女の子が落ちるより早く縮めるのはもはや不可能だった。
《主様! ステータスポイントを!》
「そうか!!」
そんな静流を見てすぐさま機転をきかすリイスの言葉に、なれない手つきでステータスポイントをDEXに全振りする。
「くっそがぁぁぁぁぁっ!!!」
急激な速度に体が一瞬ついていけなくなりそうになったが、すぐに体制を立て直し加速する。
グングンと上がる己のスピードにステータスポイントの凄さを感じながら、地を蹴り続ける。
「間に合えぇぇぇぇぇッ!!!」
地面まで残り数メートルとなった女の子をギリギリのところで抱き抱えた時だった――
「がはっっ!!!」
《主様!?》
全力で抱き抱えたはずが、手からは滑り落ち、そのまま女の子が静流に落下した後、加速していた分の反動が慣性に従って静流の全身を襲う。
それに伴い、静流の頭上にある緑色のHPバーはたったその一瞬で見えないほどのものになってしまう。
「た……つや…………わりぃ…………」
微かに思い返される達也のある言葉に静流は苦笑いをうかべ、そのまま気を失った――
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やっと女の子(実態)が……