謎スキル手に入れました
やっとタイトル回収かしら!
「えー、では、改めましてリイスさん。アドバイザーとしてなにか一言おねげぇしやす」
《承知しました主様――》
丁寧に正座して待機する静流はリイスに頭を下げる。
この世界について、未だかつて事細かく知った者はいないであろう。
達也が言っていた、プレイヤーが勝手に作ったルールという物が何よりの証拠だ。
何もわからない状況から始め、手探りで模索する。まるで人間という生物が生まれたその日みたいに――
静流はそんな事を思いつつ、真面目な顔で壁を見つめながらリイスの言葉を待つ。
ちょっと滑稽だった――
そんな静流はさておき、リイスはコホンと可愛らしく咳払いをした後、口を開いた。
口は見えないけど――
《この世界、セカンドリゾートは、主様も知っている通り能力という物を持った人間が溢れています。それにアドバイザー《われわれ》は、プレイヤーにこの世界の説明を軽く説明するだけの物であり、万能な物ではありません。全てを教えてしまえば、このゲームの魅力がなくなってしまうからです》
「なるほど……この世界はセカンドリゾートって言うのか……うーん、他に今教えれる事とかってないのか?」
あくまでプレイヤーが道を切り開き、新たなものを見つけ出していくというコンセプトらしいが、言葉までは考えられていなかったのだろう。
お陰様でプレイヤーは道を切り開くのではなく、新たな切り口を見つけて行くしか出来なかった訳だ。
静流はなるほどなぁと頷きながら、リイスの言葉に耳を傾ける。
《そうですね。教えるとしたら……ステータスの存在くらいでしょうか。それに我々が口を出せるのは、プレイヤーが何かを見つけた時に大まかな説明をするくらいです》
「す……ステータスだと!!??」
キタコレ、厨二病そっそるわぁぁぁ!!! と、目をキラキラさせながら早くステータス見せてくれ! とせがむ静流に、リイスは承知しましたと少し呆れた声でつぶやく、
《ステータスオープン――》
「わあお、ファンタスティック……」
リイスの言葉に応じて、静流の前でキラキラとした粒子がいくつも結合し、1つのステータスカードが現れた。
目の前に浮かぶウインドウに感極まる静流は、どれどれと血眼になって己のステータスを確認する。
静流(女)Lv1
能力 【順応】
ステータスポイント10
HP 0
MP 0
STR 0
VIT 0
DEX 0
AGI 0
INT 0
「うっひょー!! きたきたぁ! ステータス見るだけでオラわくわくすっぞぉ!」
一般的なMMORPGのステータスと変わらないが、それがまた良かった。
薄い青をベースとしたステータスは、静流の目を虜にし続ける。そんな子供のような静流の目を見て、リイスは呆れ続けるが、ちょっと可愛い……。とも思ってしまう。
知らぬ間にポケーと見続けてしまっていた自分に、何をやっているんだ私はー! と、自分の顔をつねったリイスは、気を紛らわすように、主様主様と声をかける。
《えー、主様? 突然ですがガチャというものはご存知でしょうか?》
「ん? まぁ、そりゃあ知ってるけど……」
はてな顔の静流をおいて、リイスは一般的なガチャポンを召喚する。
《ではお引き下さい。何が当たるか本当にわかりませんが、これは一応このゲームの最初のイベントなのです》
「おいおい、ここで最強武器当てちゃう流れかぁ!?」
銀色の箱を見ながらそう叫ぶ静流は知らなかった、この後あんなものを引いてしまうなんて――
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「なぁリイス。これ意味あんの?」
《………………》
「無言はやめてください……姿も見えないから余計悲しくなる……」
静流がガチャで引いたもの。
それは――
「スキル【再振分】。効果は、ステータスポイントを何度でも付け替えれる…………びみょくね?」
本日2度目のびみょくね頂きました――
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