太陽へ
2日も空けてしまいすみません<(_ _)>
「た……つや………………?」
『はいもーらいっと。……完全防御、まぁ対象1人しか守れないのは痛手だが、仲間がいねぇ俺には関係ねぇ、やっぱ俺が見込んだ通りくそ強えじゃねぇか! ククッ、痺れるねぇ』
「………………」
静流は、己の体からゆっくり溶けるように消える淡い光を見て、絶望した。
目の前で体の原型すらなくなり、血溜りへと姿を変えた達也。
それはあまりにも衝撃的な光景で、悲惨な光景だった。
「どう……………して…………」
そんな苦しさを力に、淡い光を薄れさせながら足に力を入れた静流は、マッチョ仮面の足元に広がる血溜まりに、とぼとぼと駆け寄る。
その姿を見たマッチョ仮面は、無様だなとばかりに口を開く。
『あーあー。お前が無力なばっかりに、親友死んじまったなぁ、テメーがいなけりゃこいつは死んでなかっただろうに……残念残念』
聞こえない。聞きたくない。
「俺は……………………」
聞かない。
聞いても達也の願いは叶わないから。
「俺は絶対に――」
強く握りこぶしを作った静流は、心で固く誓った――
もう二度と負けないと。
『ククッ、後はお前だけだ。完全防御がないお前はただのゴミだからな……ま、人思いに一撃で殺ってやるよ』
余裕の笑みを浮かべているのは、白面越しにでも分かった。
それでも静流はもう挫けない。
ここで折れたら達也の死を無駄にしてしまうから。
「よく聞けマッチョ仮面……俺はもう誰にも心配かけさせねぇ。そんでもってなぁ、どんな大切なモノでも全部守れる、達也の目指した太陽になるって決めたんだよぉぉッッ!!!!」
そんな静流の叫びを、反吐が出るとばかりに超巨大大剣を高く構えたマッチョ仮面は、声を荒らげながら振り下ろす。
『お前みたいな口だけ言うことは誰にでも出来んだよ!! そんなこと言う前に、現実見て努力しろクソがァァァァァァァァァッ!!』
「………………っ!!」
思い切り振り下ろされる武器に、静流は目を見開くことしか出来ない。
現実は甘くない。口だけなら誰でも言える。
その通りだった――
「動け」
それでも諦める訳にはいかなかった。
自分に暗示をかけるように体にムチを打ち、回避を命令する。
体を無理にでも翻せと、重心を右にずらした時だった――
《緊急離脱推奨、及び、自動行動により実行します》
「……?」
脳裏にそんな言葉が響いたあと、静流は意識を失っていた――
~~~~~~~~~~~~~~~~~
『あん?』
ドゴッと地面に突き刺さった己の右腕を見たマッチョ仮面は、突如目の前から消えた獲物に驚きが隠せないまま、能力を解除して普通の右腕へと姿を戻した。
『ちっ、アイツと昔の俺を被せちまった……。ごめんなミサ……兄ちゃんまた失敗しちまった……』
頭上にある青空を見ながら、血圧が上昇した己の体に舌打ちをした白面の男は、いつか必ず……。と、呟きながら暗闇へと姿を消した――
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