ゲームエンド中編2
とんでもないタイトルになってしまった!
昨日は更新できなくてごめんなさい<(_ _*)>
――真偽の絆
それは突然この世界に現れた。
難病の彼女のために、あらゆる伝説を信じた男が必死に抗い続け、その末に生まれたもの、と伝記には記されている。
彼女の病気を治すためにあらゆる薬草、魔法を手に入れたが、治すことが叶わない彼氏。
毎回毎回ボロボロになって帰ってくる彼氏を見て心を痛め、病気に屈しそうになりながら心を壊す彼女。
お互いに想うものがあった。
怪我だらけの彼は言う――
「俺の体がいくら壊れようともお前を救ってみせる」
と。
そして彼女はこう返す――
「私が救われたとしてもあなたがボロボロなら私は死にたい」
と。
お互いの幸せを願う純粋でとても綺麗な愛だった。
そしてある日決めたのだ。
一緒に死のう。
と。
悪循環を断つ唯一の手段はそれだけだった。
そして二人は口を揃えてこう言った。
「お前のためなら俺は死ねる」
「あなたの為なら私も死ねるわ」
と。
そして女神は、死して尚愛し合う二人を見てこう言った。
『その覚悟を壊したらどうなるのかしら』
と。
笑っていた――
美しい愛を目の前にして、女神は歓喜した。
そしてある日二人は手をつなぎながら家の近くにある崖から飛び降りた。
これでいい、もう終わりだと覚悟を決め――
『あなた達に生きる楽しさと死ぬ恐怖を教えてあげる』
女神は二人に見せてしまった。
彼には彼女を捨てたら大金持ちになり、大量の女の人と遊べる夢を。
彼女には彼を捨てたら難病から解放され、自由に遊べる夢を。
それは夢だが、死を前にした二人にその定義は通用しない。
もし。
もしそうしていたら。
もっと自分は幸せだったのでは?
気づいてしまう。執着してしまう。
生という幸せに――
そして女神は与えたのだ、一度だけ死なない力を――
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その後二人は遺体で見つかり、近くには青白く光る石が落ちていたという。
そう。
二人は女神の与えた命さえ捨て、手の先にいる愛を選んだのだ――
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――空気が凍る
「達也……?」
静流は小さく声をかける。
その声をも聞こえないとばかりに、怒りの感情を滲み出す達也は、冷静かつ冷徹な目でマッチョ仮面を睨みつけ続ける。
「……お前に、愛を踏みにじる権利なんてねぇぞ。……俺がその2人の分まで、お前をぶっ飛ばすッ!!」
そう言い放った達也は一瞬で姿を消していた――
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愛を育んだ者に現れる真偽の絆。
それは突然、唐突に目の前に現れる。
その力は範囲にいる人間を一度だけ死なせない力。
そしてその効果が発動する条件は――
真実の愛を持っていない事。
白面が殺した人は綺麗な愛を持っており。真偽の絆は発動しなかった。
それが何を意味するかは、この場の誰よりも達也がわかっていた――
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( ̄^ ̄ゞ