親友枠の達也、プロローグにて死す。
久しぶりの執筆ですがよろしければお読みくださいーーーm(*_ _)m
「なぁ静流ー」
「なんだよ。そんなくっつくな臭い」
俺の名前は高梨静流。やっとの思いで合格した北見高校で、スクールライフを満喫中だ(仮)。
部活は極上娯楽の帰宅部で、好きな事は散歩しながら新築を見ること。好きな食べ物はきゅうりの漬物で、嫌いな食べ物は――。
おや、自己紹介下手くそかな俺。
長々といらない情報を垂れ流しにしたが、簡潔に言うと俺は厨二病気質だ。
まぁ今みたいに、頭の中でアニメの自己紹介見たいな物を時々してしまうのが、そう思うようになったきっかけだ。
そして、隣で欠伸をしながら目薬を指すという、まぁまぁな技を見せつけてくるのが幼なじみの達也だ。
「ん、どうした静流、目薬飲みたくなったか?」
こいつは最近俺に隠していることがある――
俺の予想では彼女でも出来たのではないかと踏んでいるのだが、毎回はぐらかして答えてくれない。
今日こそは! と、息を吸った俺は達也に向かい言い放つッ!
「お前彼女出来たんちゃったんのかなしらかなぁ!」
「あ! そういや今日 愛美ちゃん、高木先輩とご飯食べてたぞ」
「は!? またあのイケメン擬きか! 死ね! 明日こそ俺がその座を奪ってやる!」
達也も馬鹿だが俺も相当馬鹿だと思う。
噛み噛みな俺の発言をガンスルーする達也にはツッコまず、己の恋路を選ぶなんて……。
そんなこんなで俺が密かに好意を抱いている愛美ちゃんの話を持ってきた達也に、俺はまんまとはぐらかされ、結局聞くことは出来なかった。
まぁ、また明日にでも聞けばいっか。
と、俺は普通の日常を、この時までは過ごしていた――
~~~~~~~~~~~~~~~~~
――1週間後
『お前の能力強いな……ククッ、気に入った。俺がそれ貰ってやる。お前にはもったいない』
暗い。
ここは裏路地だろうか。
両サイドは4m程の石壁に覆われており、太陽の光も入っていない。
(ここは……本当に…………)
淡く光る俺の横には、壊れた篭手と胸当てが落ちており、その真ん中には血だらけの達也がいた。
達也は大丈夫だとばかりに、俺に笑顔を見せた後、ふらつきながら立ち上がり、口を開いた。
「ふっ、全然痛くねぇよ……。親友を失うよりは…………何億倍も痛くねぇなぁ?」
『そうやって言ってられるのも今のうちだ。人を庇うなど意味の無いことをして何が楽しい? ククッ』
分からない。どうしてこんな事になってしまったのか――
「ったく。だからここは来ちゃ行けねぇって言ったのによ……。静流いいか? 俺が死んでもお前は勝て。どんな野郎にも勝て。勝って勝って勝ちまくれ……俺にはもう出来ないが……お前はできる、絶対に!!!」
そう言ってニヤリと笑った達也は、もう俺を追ってくるなよ? と皮肉そうに言い残した後、目の前にいる怪人に飛びかかり、達也は一瞬にして大量の血液へと姿を変えた――
「た……つや………………?」
『はいもーらいっと。こいつの能力……完全防御……か。まぁ対象1人しか守れないのは痛手だが、仲間がいねぇ俺には関係ねぇ、やっぱ俺が見込んだ通りくそ強えじゃねぇか! ククッ、痺れるねぇ』
「………………」
『あーあ。お前が無力なばっかりに、親友死んじまったなぁ、テメーがいなけりゃこいつは死んでなかっただろうに……残念残念』
聞こえない。
「俺は……………………」
聞かない。
「俺は絶対に――」
《緊急離脱推奨、及び自動行動により実行します》
脳裏にそんな言葉が響いたあと俺は意識を失い、親友を失ったことも実感していた――
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